舞台「男水!」稽古場より
東京公演開幕を約10日後に控え、まさにプール日和というような日差しが照りつける4月下旬。稽古場を訪れると、学校ごとに分かれた席に腰掛けたキャスト陣は、手にペンを持ち、およそ100ページに及ぶ台本に目を落としながら、それぞれがセリフを読み込んでいた。
アンサンブルのメンバーが群舞シーンを繰り返し練習する中、東ヶ丘・龍峰のキャストは演出・吉谷光太郎のもとに集い、入念にセリフの確認。この日の稽古で行われたのは、仁科譽(黒羽麻璃央)と滝結太(佐藤永典)、篠塚大樹(宮崎秋人)と藤川礼央(安西慎太郎)、榊秀平(松田凌)と平光希(小澤廉)の6人が白熱した戦いを繰り広げる、ドラマでも描かれた都大会のシーンだ。
東ヶ丘・龍峰のキャストとアンサンブルが合流し、本格的な稽古がスタート。去る4月17日の公開稽古よりさらに精巧に作り込まれた舞台美術、そしてアンサンブルの群舞で巧みに“水”を表現する吉谷の演出によって、彼らの戦いの場となる神聖なプールが舞台上に具現化されている。(参照:水泳シーンはストロークで表現「男水!」松田凌、公開稽古で作品愛語る)
篠塚と藤川の真剣勝負から、仁科と滝のレース、そして榊と平の対決へと、次の泳者へ引き継がれていくリレーのように、それぞれのレースが目まぐるしく展開。宮崎と安西は、鋭い視線を交わし合いながら、篠塚と藤川の緊迫したライバル関係を体現し、黒羽と池岡は、切磋琢磨し合ってきた仁科と神宮との信頼関係を象徴するような軽快な掛け合いを披露する。
続いて背泳ぎを専門とする榊と平のシーンへ。松田は、ライバルの存在を意識しながらも、なんとか自分の泳ぎをしようと努める実直な榊を好演。一方の小澤は、飄々とした笑顔の裏に情熱を秘めた、平の2つの表情を見事に演じ分けた。そして彼らのレースを縫うように、両校のコーチを務める川崎亮也(廣瀬智紀)と磯村邦夫(河野洋一郎)が登場し、静かに火花を散らす。コーチ陣の会話、選手たちのスピーディーなレースシーン、小金井晴美(赤澤燈)や原田ダニエル(神永圭佑)を筆頭とした両校による応援合戦を交互に織り交ぜることによって、物語は一層重厚感を増していく。
またキャストたちは、筋トレや腕立て伏せを稽古の合間に行うなど、本番に向けてトレーニングに余念がない。しかし休憩時にふとこぼれる笑顔からは、ドラマ版の撮影時から切磋琢磨し合い、培ってきたメンバー同士の絆が垣間見えた。
なお5月28日に実施されるライブ・ビューイングの開演前には、稽古風景に加え、会場限定の未公開映像を上映予定。ドラマ版から舞台版まで、長きにわたって「男水!」という作品と向き合ってきた彼らの集大成を、ぜひ映画館で見届けよう。
- 舞台「男水!」
- 大千秋楽ライブ・ビューイング
2017年5月28日(日)17:00~ - ライブ・ビューイング限定オリジナルブロマイド付チケット
一般発売(先着順):2017年5月18日(木)19:00~26日(金)12:00
- 舞台「男水!」
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2017年5月11日(木)~21日(日)
東京都 シアター10102017年5月24日(水)~28日(日)
大阪府 森ノ宮ピロティホール原作:男水!(木内たつや / 白泉社『花とゆめ』)
脚本・演出:吉谷光太郎 - キャスト
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榊秀平:松田凌
篠塚大樹:宮崎秋人
藤川礼央:安西慎太郎小金井晴美:赤澤燈
滝結太:佐藤永典
平光希:小澤廉
仁科譽:黒羽麻璃央
神宮一虎:池岡亮介
原田ダニエル:神永圭佑市村真幸:齊藤教兵
村上英輔:奈須田雄大
高浦一郎:津嘉山寿穂
高浦二郎:櫻井圭佑
森親太郎:上村海成磯村邦夫:河野洋一郎
川崎亮也:廣瀬智紀
毛利光汰、佐藤葵、兼尾洋泰、加来亮凪、吉田邑樹、山田諒、町田尚規、神田聖司、村上貴亮、深澤悠斗
©男水!製作委員会
- 「男水!」上巻
- 2017年3月1日発売 / バップ
- 「男水!」下巻
- 2017年4月12日発売 / バップ
- 「We are swimmers ~男水!キャラクター・ソング&オリジナル・サウンドトラック~」
- 2017年2月22日発売 / バップ
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[CD] 3240円 / VPCD-81894