さや香がプレイ!HD-2D版「ドラゴンクエストI&II」特集(後編)|大のDQ ファン石井が熱弁!新山もすごさを語る (2/2)

「漫才勉強しろ」と言って後輩芸人に勧める

──石井さんは昨年発売されたHD-2D版「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」もプレイされたんですよね。購入の決め手はなんだったのでしょうか?

石井 理由、ないですよ(笑)。出たら買います。パッケージ版もダウンロード版も買いました。

──「III」をプレイした経験をふまえて、本日「I&II」をプレイされた感想は?

石井 僕も原作では「I」「II」「III」の順番でやっています。でも「III」からやっても楽しめる、という話を聞いたこともあります。なので、その体験を早くしたいですね。「描かれ方がちょっと変わってるよ」と(「ドラゴンクエスト」シリーズ生みの親の)堀井雄二さんが言うてたりして。楽しみです。「I&II」が出るまでに、改めて元々のハードで出てる「I」と「II」もクリアしておこうと思っています。

HD-2D版「ドラゴンクエストI&II」より。

HD-2D版「ドラゴンクエストI&II」より。

──たとえばドラゴンクエストをプレイしたことのない芸人さんには、この作品をどう勧めるでしょうか?

石井 実際に勧めたことはありますよ。過去の作品とかも。「とりあえずやれ」と言いました(笑)。

新山 もし後輩芸人やと仮定したら、ネタをやっているわけで。ネタをやるうえで伝統的な部分と新しい部分のバランスをどう取るか、という感覚は大事だと思うんです。基本のところを残しつつ、すべてを新しくするんじゃなくて、新しい部分とうまく融合させる。なので、僕はドラゴンクエストを「漫才勉強しろ」と言って勧めます(笑)。守るべきものを守って攻めるべきところを攻める。そして細かいところまでこだわる。この感覚です。

──この作品を後輩芸人さんに漫才の教科書として渡すとしたら、どんな芸人さんに渡したいですか?

新山 今、勢いがあるバッテリーズとかエバースとかのネタ書いてるほうにあげて、熱中させて、サボらせて、ネタを弱くさせる(笑)。

石井 「M-1」が始まったくらいの忙しい時期に?(笑)

新山 そう。完成したエンタテインメントですからね。後輩に渡したら、ただただ遊んで終わるかもしれない(笑)。

石井 僕は「責任取るから。ほんまに大丈夫やから」って、あんまり何も言わずにいつも勧めています。

新山 そういえば昔、ニッポンの社長・辻さんに「『ドラゴンクエストV』は芸人としてやっといたほうがええ」と言われたことがあります。僕、それ言われてやったんちゃうかな。芸人って、いろんなエンタメをお笑いに昇華しようとする中で、共通言語として「V」はやっとかなあかんみたいな。「V」というかドラゴンクエスト自体が、もうそういう位置付けというか、1個の常識になってる。

さや香

さや香

勇者でも、あんな脇汗かいてへんのちゃう?

──プレイには性格が出ることもあるかと思います。お二人はお互いのプレイをご覧になって、気になるポイントはありましたか?

新山 ちょっとプレイしただけでも違いましたね。バトルシーンで石井はドラゴンの攻撃を読んでいたんですよ。「この次、これが来る」みたいな。僕、あんまりそれをやりたくないんです。「読めすぎたくない」というか。あんまり法則性を考えたくない。ギャンブラーみたいな(笑)。それやったら、もっとパーティを強くします。そこも性格の違いかな。

石井 いや、大丈夫よ。法則性があるなと思ったとしても、それすらもちゃんと裏切ってくる制作陣やから(笑)。間違いない。

──逆に石井さんから見た新山さんは?

石井 「いや、お前も結構ドラゴンクエストやってるやん(笑)」と。そのうれしさはありました。コンビでは僕がドラゴンクエストを好き、みたいなイメージが強かったんで。

新山 石井も本当に好きなんだなと。プレイしているところは見たことがなかったんで。今日、RPGであんだけ脇汗かく人って初めて見ました(笑)。尋常じゃないほど好きなんやなと。

石井 バズズと戦ったら、それは汗もかくよ(笑)。あんなところで出てこられたら。

新山 こんなに没入してるんやと。たぶん勇者でも、あんな脇汗かいてへんのちゃう?(笑)

さや香
さや香

さや香

──今日のプレイヤーの名前はお二人がご自身で命名されたとのことで、石井さんのお母さま「レイコ」さんも出てきましたね。

石井 自分で名前を付ける魅力って、めっちゃあるんですよ。絶対「セイイチ」でやっていたし。入り込む感じは好きですね。キャラクター自体にもともと名前が付いているゲームもありますけど、名前を付けると、より没入できて楽しいです。77歳のオカンとは普通冒険できないですもんね(笑)。

──ゲームならではですね(笑)。では最後にお笑いナタリー読者に向けて本日の感想を一言ずつよろしくお願いします。

新山 お笑いナタリーさんということで、お笑いファンの方もいっぱい目にしていると思うんですけど。お笑いファンの方でよく劇場とかに行きはる人には、「このコーナーライブ、大丈夫かな?」みたいなことがたまにはあると思うんですよ。不安やけど行ってみて「まあまあよかった」と思うときもあれば、そうでないときもある。そういうときは、ぜひ「ドラゴンクエストI&II」を1回やってみてもいいんちゃうかなと。

──というのは?

新山 そこのギャンブルよりは確実に面白いですから(笑)。

石井 悩むようなイベントに行くくらいやったら?

新山 ドラゴンクエストをやってみてもいいんじゃないか。それぐらい間違いなく面白い。クリアしたらぜひギャンブルをしに来てくれたらと思います。

さや香・新山

さや香・新山

石井 なんの話?(笑) 芸人は、ほぼみんなドラゴンクエストが好きやと思うんですよ。みんなドラクエの話ができる。芸人が好きと言っているゲームだな、くらいのちょっとした興味でやってみても、マジで後悔しないぐらい面白いです。そんなきっかけでもいいからやってみたら、新しいものが見つかるとも思うし、みんながやってくれたらドラゴンクエストのたとえを僕らもめちゃしやすいし。共感できる部分もめっちゃ増えると思います。めちゃくちゃいいタイミングなんで、ぜひやったことがない人にこそやってみてほしいなと思います。

──プレイ中にもおっしゃっていた「ドラゴンクエストのネタを作る」という目標は、実現するでしょうか?

新山 ドラゴンクエスト好き芸人が、いっぱいネタをやる大会があってもいいですね。堀井さんが「笑神籤」ひいて「さや香でーす!」って(笑)。

石井 丸パクリすぎや(笑)。「M-1」すぎるやん、システムが。

新山 「D-1」、いいですね。

石井 それは絶対オモロいと思います。マジで好きな人が多いですから。

さや香

さや香

プロフィール

さや香(サヤカ)

新山(ニイヤマ)
1991年10月17日生まれ。大阪府出身。

石井(イシイ)
1988年5月28日生まれ。大阪府出身。

NSC大阪校34期の同期生で2014年にコンビ結成。新山は同期のファイヤーサンダー﨑山とコンビを組んでいたことがある。ダンスを得意とする石井は、インドダンスを中心とする石井ダンサーズを結成している。2017年に初の「M-1グランプリ」決勝進出。2022年に準優勝し、2023年には3位となった。2019年に「NHK上方漫才コンテスト」、2020年に「歌ネタ王決定戦」で優勝。2024年3月には大阪・よしもと漫才劇場を卒業し、同年4月より活動拠点を東京に。2025年6月スタートの番組「ヒロインズTV」(TOKYO MX)ではMCを務めている。