さや香がプレイ!HD-2D版「ドラゴンクエストI&II」特集(後編)|大のDQ ファン石井が熱弁!新山もすごさを語る

スクウェア・エニックスのゲーム「ドラゴンクエストI&II」のHD-2D版が10月30日に発売される。「ドラゴンクエストI&II」は、「ドラゴンクエストI」と「ドラゴンクエストII」の2作品を収録したもの。これに伴い本特集に、さや香が登場。ゲームをいち早くプレイしてもらった。

2本立て特集の後編となる今回は、プレイ後のさや香のインタビューを掲載する。石井は大のドラゴンクエストファンとして知られる存在で、作品への愛を熱弁。一方の新山はドラゴンクエスト初心者とのことだったが、意外とプレイ経験が豊富なよう。互いのプレイやドラゴンクエスト愛、ほかの芸人に勧めるなら?といったテーマで語った。

なお、ナタリーでは「ドラゴンクエスト」シリーズに特化した特設サイト「ドラクエナタリー」を展開中だ。

取材・文 / 成田邦洋撮影 / 入江達也

石井が興奮!新山が感心!プレイ動画(後編)

一生終わらんかったらいいのに

──まずは一言ずつプレイした感想をお聞かせください。

石井 本当に昔から好きなものをこういう風に体験させてもらって、語彙力がなくなります。自分の中にはドラゴンクエストが物心つく前からあるので。理屈とかじゃなく、単純にワクワクしっぱなしで、推し活してる女の子たちがよくなる「ヤバい」みたいな言葉しか出えへん。プレイ中に何をしゃべってたか、ほとんど記憶なくて(笑)。「ドラゴンクエストI&II」が出るのが、とにかくより楽しみになりました。一生終わらんかったらいいのになっていう時間でした。

新山 僕も、もともとまったくやってないわけではなく、3作品ぐらいはやらせてもらっていました。「I」と「II」はやったことがなかったし、逆に言ったら僕は最新作のほうからドラゴンクエストに入ったんです。今から「I」をやったとしても、根っからのドラゴンクエストファンには追いつけないような気がして。そこでこういう作品が出るのはすごくありがたい。しかもドラゴンクエストは本当にやりやすくて純粋に楽しめますからね。皆さんにもやっていただきたいなと思いましたし、ここからやったらスッとドラゴンクエストファンに追いつけるんじゃないか、と思えるような作品です。僕も今日さらにドラゴンクエストを好きになって、胸張って今は「石井より僕のほうがドラクエ好きや」って言えます(笑)。

さや香

さや香

──お二人が今日プレイしてみて映像表現はいかがでしたか?

石井 それはもう、すごいですよ!

新山 すごかったです。ローソクの炎がゆらめいていたり、橋が1本のアーチじゃなくいくつもつなげている、という細部のこだわりとか。没入して、なおかつ長時間やってもストレスなさそうやなと思いました。疲れなさそう。やっぱりすごかったです。

──バトルも経験されましたね。

石井 新しい体験でした。年月が経って出たことで進化しているけど、昔からのドラゴンクエストのよさもあるんですよ。そこの調和やバランスがホンマ完璧やん、うまく表現されてるな、と思いました。新しいアイテムがあって、今まで主人公ができなかったことができるけど、それでまったく新しいものになっているわけでもなく。古きよきものを残す感覚を体験させてもらいました。

HD-2D版「ドラゴンクエストI&II」より。

HD-2D版「ドラゴンクエストI&II」より。

──音楽もすごいという話をプレイ中にされていました。

石井 オーケストラですね。昔からある曲は、それ自体がそもそもすごく素晴らしい曲やなと改めて思ったし、迫力がありますよね。オーケストラの音でできると、より冒険が壮大になって、より入り込めて、気持ちもどんどん乗ってくるという体験になるなと思います。

──先ほど石井さんは「語彙力がなくなった」とおっしゃっていましたが、今日のプレイで具体的にここがグッと来たというところを言語化していただければ。

石井 全部ハンパなくてヤバかったっすね(笑)。圧倒されました。1個1個、細かいところまで、グラフィックが追加されているし、進化している。「I」で言うと、当時はシンプルでしたけど、あの時代にたぶん描けなかったり、容量の制限でモンスターが本来したかったであろう名前にならなかったり、があったと思うんです。ゲーム全体が今の時代の画像1枚より少ないデータ量だったりとか。そういう制約があった物語の完全版で、新しく補足されている部分に感動しました。昔からの人も今からやる人も、より引き込まれる。「前段から始まるんや」みたいな。

──バトルでは新山さんも結構興奮されていましたね。

新山 やっぱり強い敵を倒さないと勇者じゃないんで。弱い敵を倒してもな、と。強いからこそ倒しがいがある。痛恨の一撃とかがあってこそで、そこを乗り越えたときの達成感を感じました。

石井 面白かったな。一筋縄ではいけへんかった。

新山 新しいほうのドラゴンクエストから入った僕からすると、モンスターのドラゴンには舐めていたところがあったんですよ。こっちは「ニズゼルファ」(過去作のラスボスの一人)まで行ってるわけやから(笑)。シンプルなドラゴンやったら簡単に倒せるやろ、みたいな。ちょっと舐めていましたね。

石井 わかる。あのドラゴンがボスとして描かれるというのは、新山の立場やったらあんまりないから。でも未だに怖いもん、ドラゴンって。(ボスとしてではなく)途中で普通に出てくるときとかもあるけど。

新山 確かに、途中で出てくるやつやもん、イメージは。

石井 そういう存在な。言うてることはわかるよ。

新山 だから、昔のバレー部で言うと「俺らのときは、めっちゃ厳しかってんで」というのを体験できる(笑)。

石井 めんどくさいOBええねん!(笑)

新山 やっぱり元祖って強い。楽しかったです。

さや香・新山

さや香・新山

──今回は場面を抜粋してやっていただきましたが、実際に自宅で自由に遊べるようになったら、どうやってプレイしますか? プレイ中に「もうちょっと時間があったら、こういうところを見たかったな」とおっしゃっていましたが。

石井 正直、僕は余すことなくやります。今日プレイした時間の中だと、まだ最初の町を出てないと思います(笑)。めっちゃ時間かけてやりたいです。町にいる人、全員にしゃべりかけるぐらい。ドランクエストがないと、こういう人生もなかったと思うし。ずっとやってきているから。

新山 「楽屋では暗い」って言われるけど、やっぱりドラゴンクエストの中ではガンガンしゃべりかけていく?

石井 そうやな。「話す」っていうコマンドが出てくれたら、しゃべれるんだけど(笑)。

新山 コマンドがいるんや(笑)。僕はいつも新しい町に行ったら、その町の武器と防具の1番高いやつを買えるまで、町の周りでまず戦います。それを揃えてからダンジョンに行く。

石井 安全な準備をするタイプな。

新山 それで、宝箱で同じやつが出てくんねん、せっかく買ったやつが!(笑) 「ここにあったんかい!」という。それもあるあるですね。

石井 そういうこともドラゴンクエストから学べんねん。

さや香・石井

さや香・石井

ドラゴンクエストはすべてにおいてのベース

──改めて、石井さんがなぜにこんなにドラゴンクエストにハマったか、というところを教えてください。

石井 物心つく前からファミリーコンピュータで「I」を触っているんですよ。小さい頃から、もうそれに触れていた、普通に好きやった、という感覚です。年の離れたお姉ちゃんもゲーム好きで、その影響が大きいかもしれないですね。最初からスライムというモンスターに魅力を感じていましたし、あとあと「音楽がすごくいいから好きなんや」とかにも気がついて、どんどん気持ちを整理していくことで、より好きになっていきました。

──特に「ここでどっぷりハマった」というような決定的な瞬間はありましたか?

石井 最初に自分の力でクリアしたのは「IV」なんです。ここで「好き」ってなったんやろな。ただ、年々、ですね。いろんなゲームをやりながらも、ドラゴンクエストは何かしらをずっとやっているんですよ。ちっちゃいときはワクワクしてモンスターを倒したことに快感覚えて、そこからどんどん好きが積み重なっていってたんですけど、大きくなって物をちょっと知るようになってからは「このシーン、めっちゃせつないやん」とか、「ここは子供ではやっぱりわかりきらんかったニュアンスがあるな」みたいなことを感じて。特に「V」は、大人になって子供ができてからやったら、全然見え方がちゃうくて! 「パパスも勇者やったやん!」みたいな。年齢が上がるごとに捉え方が変わっていっている感じです。

──世の中にはいろいろなゲームがありますけども、石井さんの中でのドラゴンクエストシリーズは、どんな位置付けなんでしょうか?

石井 全部何周もやっているし、時間あったらやっていたいな、ぐらい好きです。いろんな経験をしたら強くなるんやとか、そういうことを学んできたし。ドラゴンクエストはすべてにおいてのベースですね。

さや香

さや香

──石井さんのドラゴンクエスト愛がすごく伝わってきます。新山さんはそんな石井さんをどうお感じになっていますか?

新山 石井が付けているApple Watchのデザインが、スライムなんですよ。で、漫才中にちょいちょい現れるんです、スライムが(笑)。

石井 自分で画像を作った戦闘画面に時間が表示される、みたいな。何個も画像を作って、タッチしたらモンスターが変わるんですよ。自分でドットを打ち込んで。

新山 で、Apple Watchをパッて見てみたら、スライムがこっち見て笑ろてる(笑)。

石井 「気になんねん」って言われたことはあるよ。「スライム出てきてんねん、お前」って。

新山 お客さんに見えへんかなって心配になった。「いや見えへん。こうやらな、映らんから大丈夫や」みたいな。いや、知らんし! ちょっとスライムで1回揉めたことあります(笑)。

石井 揉めたことあるよ。

新山 それぐらい日頃から好きなんやろなと。

さや香・石井

さや香・石井

──そんな新山さんもドラゴンクエストシリーズを何作かプレイされているということで、どういう印象をお持ちでしょうか?

新山 僕は結構アクションゲームが苦手でRPGをやることが多いんですけど、シリーズ化されているRPGの中でもたぶん一番ドラゴンクエストをやっているんですよ。僕の勝手なイメージですけど、RPGのど真ん中、王道という感覚ですね。「ドラゴンクエストの新しいやつが出たら、それはやるでしょう」みたいな。やりやすいし、親しみやすいし。「XI」をNintendo Switchでやったんですけど、僕だけずっと家にいて奥さんが仕事に行っているときに、奥さんは「止めといて。勝手にやらんといて」って言ってて。奥さんはゲームをやらないんですよ。それでも横で見てるだけの奥さんが、めちゃくちゃ楽しんでいました。

──ご家族の話で言うと、石井さんにはお子さんいらっしゃいますが、ドラゴンクエストを好きになるような“英才教育”はされていますか?

石井 ドラゴンクエストのベビーグッズとかを無限に買い与えています(笑)。子供は「序曲」とか町の曲とかも、すでに口ずさんでいます。ベビーのアプリ(「ドラクエベビー&キッズ~スライムとあそぼう~」)もありますし。生後1カ月とか半年とか1年で写真を撮りに行くときも、グッズと一緒に撮ったりしています。何から何までそういうふうにはしていますね。

──昨年、横浜のみなとみらいで行われた「ドラゴンクエストカーニバル in 横浜」にも行かれたようですが、やはりお子様と一緒でしたか?

石井 はい。一緒に行きました。キラーパンサーとかキラーマシンのオブジェと写真を撮ったりしました。