「佐久間宣行のNOBROCK TV」で話題の二瓶有加

取材・文・撮影 / 成田邦洋

トータルテンボスさんは心強いアニキ

──二瓶さんが出演された「佐久間宣行のNOBROCK TV」の動画「トータルテンボス100ボケ100ツッコミチャレンジ！」と「どぶろっくが本気ネタ8連発！」の再生数が驚異的です（※記事掲載日の時点で「100ボケ100ツッコミ」が637万回再生、「本気ネタ8連発」が776万回再生を突破）。反響も大きいのでは？

そうですね。数字の伸びはすごくうれしく感じています。私自身もSNSのフォロワーが増えたり、「いいね」やコメントを今までよりいただけるようになりました。ただ、私生活では今のところ特に変わった感じはないですね。連絡がなかった友達からチラホラと連絡が来ることは増えました。

──二瓶さんはもともとダンスボーカルグループ・PINK CRES.のメンバーとしてデビューされたんですよね。

2016年にデビューさせていただいて、そこから5年間活動したあと、女優に転身しました。2022年1月からジャストプロという事務所に所属して活動しています。

──お話を聞くところによるとお笑いが好きで、ルミネtheよしもとにも通われているということですが。

（ルミネtheよしもとのある）新宿はよく使うので、時間が空いているときに行くことが多いです。お笑いはずっと好きで、ネットで調べればその日の公演に誰が出ているかわかりますし、気軽に行きます。

──お目当ての芸人さんはいるんですか？

しいて言えば、やはりYouTubeで絡ませていただいたトータルテンボスさん。漫才を改めて見たらめちゃくちゃ面白かったです。ロバートさんも好きすぎて、秋山さんの「クリエイターズ・ファイル」をずっと観ています。

──ここからは、そんなトータルテンボスとの「NOBROCK TV」での共演を振り返っていただければと思います。二瓶さんはドッキリのターゲットのような形だったんですよね。

そういう感じでした。バラエティとかいろんな番組に出演されているタレントさんなら、当たり前にドッキリに気づいていいような環境だったんです。カメラも隠れずにこっちに向いていますし。私もカメラに気づいてはいたんですけど、ピンマイクも付いていたし、その場で収録が始まるものだと思っていました。ドッキリにかけられたのは、自分の経験のなさが逆に生きたんだと思います（笑）。

──カメラに気づいていたので公の場という感じもありながら、3人でプライベートなお話もされていました。

トータルさんのイタズラの動画をよく見ていて、それもプライベート感があるんです。一視聴者として「芸能人がその姿で映っていると、そういう人なんだな」と本当に思っちゃう。トータルさんもそのいい例で、私は初対面だったんですが、「本当に仲がいいんだな」と思いながら、お話にも参加していました。

──「100ボケ100ツッコミ」みたいな企画に挑んでいるとはつゆとも思わず？

さすがに後半の「社長の靴を舐める」というところは「おかしいぞ！」と思いましたけど（笑）。半分くらいまでは、まったく気づきませんでした。

──その後、お互いのYouTubeチャンネルでコラボされていましたね。

ありがたかったです！ トータルさんのチームがめちゃくちゃ素晴らしくて、コラボをお願いしたら快く受けていただきました。そのあとBSよしもとのトータルさんMCの「チーキーズ a GoGo！」にも出演させていただいて、半分“アニキ”みたいな気持ちでいます。今後仕事で一緒になったら、こんなに心強いことはないな、というくらい安心感をめちゃくちゃ与えてくださる芸人さんです。トータルさんのYouTubeに出させていただいたときも、藤田さんは普段から「100ボケ100ツッコミ」くらいの状態で、常にカメラの前でボケている感じなんですよ。本来はツッコミの方だと思うんですけど。全然カメラが向いてないときに「二瓶ちゃん」と呼んでもらいながら、横でおちょけて笑わせてくれました。

──二瓶さんのYouTubeでは、トータルテンボスのお二人にダンスをレクチャーしていますね。

かまいたちさんとぱるるさん（島崎遥香）の「踊ってみた」や、FUJIWARAさんが吉本の屋上で踊っている動画を見て、芸人さんが真剣に踊る、というのを私がファンとして見てみたい！と思って、快くやっていただきました。ただただ踊るというのは笑いに持っていきづらいかなとは思うのですが、レアな姿を見せていただきました。

──これまでの二瓶さんの経験も生きたコラボですね。

二瓶有加を知ってくださっていない方にも、あのコラボは簡単な振りでしたが「踊れますよ」というのを知ってほしいところはありました。

どぶろっくとの共演に「こういう二瓶も受け止めてくだされば」

──どぶろっくとの共演では、牛乳を口に含んで歌ネタを鑑賞されました。ああいったことは初めての体験でしたか？

初めてです。テレビではよく観ていました。

──「ゴッドタン」（テレビ東京系）の「芸人マジ歌選手権」でおなじみの光景ですね。今回は二瓶さんの女優魂をもってしても笑いをこらえきれなかった？

面白かったので笑っちゃいました。どぶろっくさんの破壊力や、あの場のシュールさに笑えてきちゃって、ちょっと耐えられなかったですね。頭が回らないくらい笑っちゃって、そのあと自分をフォローするためのコメントも墓穴を掘っちゃいました（笑）。

──「二瓶さんは、そういう話もオッケーな人なんだ」という見られ方もされると思うのですが、そのあたりについて何か思いはあるでしょうか？

デビューしたての20歳くらいの頃なら別ですけど、さすがにもう28ですからね。これまで自分からわざわざ下ネタを言いに行く場もなかったですし、普段からゲラゲラ笑う女なので、ファンの皆さんには「こういう二瓶も受け止めてくだされば」という感じです。

──もし佐久間さんへこの場で何かおっしゃりたいことがあれば。

佐久間さんにハマりたいです！ 佐久間さんはお忙しい方なので、収録が終わったあとに話せる時間が本当に少なくて。収録中は、どぶろっくさんのときにすごくフォローしてくださって、優しい方だなとは思うんです。1対1でゆっくり話したことはないので、まだまだ自分を知ってほしい気持ちはあるし、「二瓶、なんでもできます！」とファイティングポーズをずっと取っている状態ではあります。

──「なんでもできます！」の部分をもう少し聞かせていただけますか？

自分自身、おこがましいんですが「こういう見せ方をしたいな」というブランディングみたいなことを考えたこともあったんですが、そういうことはハマらなくて空回ることが多かったんです。今回のYouTubeでは無防備な姿で笑っていただけたので、やれることがあったらなんでもチャレンジしたいし、女優だからできないとかじゃなく、「二瓶有加としてできる仕事なら、がんばらせてください！」という気持ちです。

──あとは「おしえて！四千頭身」（北陸朝日放送）への出演についても聞かせてください。ボルダリングに挑戦する回を拝見したら進行役が似合っている感じがしました。数回の出演ですが「準レギュラー」を自負していらっしゃいますよね。

“準レギュ”、狙っていきたいです！ 四千頭身さんには「番組スタッフと二瓶がつながってるんじゃないか」という疑いを持たれていますが、やましいつながりは一切ありません（笑）。もっと四千頭身さんとも仲良くなりたいです。

──トータルテンボスさんは二瓶さんよりだいぶ年上ですが、四千頭身さんは年下。接し方も変わるのでは？

年齢的には下なんですけど、めちゃめちゃ売れている方たちですよね。私が四千頭身さんと肩を並べるくらい売れていたら、「ちょっとアンタたち！」と言えるんですけど、そういう立場でもない気がする。「バイト先に入ってきた年上の後輩」みたいな気まずい立場です（笑）。四千頭身さんにもいじっていただけるように距離をつめていきたいです。

独特の世界観を持つ芸人さんに魅力を感じる

──そのほかに芸人との印象的な共演があれば教えていただけますか？

明石家さんまさんの「MBSヤングタウン土曜日」（MBSラジオ）に何回か出演させていただきました。レギュラー出演されている村上ショージさんとはInstagramをフォローし合う仲なんです。ヤンタンは、もちろんさんまさんがたくさんしゃべられるので、1回目に出演したときは、ほとんどしゃべれない印象でした。でも、ショージさんがやっと最近二瓶有加を認知してくださって、収録後に「今日がんばってたな」というお言葉をいただいたこともあって、涙が出るくらいうれしかったです。緊張しすぎないで話せたというのは、こないだのヤンタンが初めてでした。

──さんまさんにも慣れてきましたか？

ヤンタン特有の、さんまさんの収録の進め方やリズムがあるんです。いつも進行や番組の流れのことばかり考えちゃって、その場を楽しみきることができなかったんですけど、そのあたりはやっと慣れてきて、普通に会話を楽しめています。もっとさんまさんにアッと言わせるような自分の中での大ニュースを持っていって「二瓶、ステップアップしてるな」と思ってもらえたらうれしいです。「踊る！さんま御殿!!」（日本テレビ系）にも出演させていただきたいです。

──そして、やや余談で恐縮なんですが、二瓶さんと同姓同名の方が芸能界で活躍していらっしゃったのはご存知でしょうか？

いらっしゃるんですよね。「ゴッドタン」に「彼氏がいるアイドル」として出演されて。私のデビューのときには、すでに出てらっしゃいました。ただ、別人です！ 同一人物と思っている方もチラホラいて。名前の漢字は同じなんですけど、名前の読み方が私は「にへいゆうか」で、あちらが「にへいゆか」さんです。ネットの検索に「二瓶有加」と入れると、候補に「二瓶有加 彼氏」が出てきたり、検索結果に彼氏の水口さんの名前が出てくるんですよ。私は恋愛禁止というわけでもないんですけど、もし私に彼氏ネタが出てきちゃった場合、ネット上で“薄まってくれる”ので助かるな、と（笑）。ありがたかったです。

──お二人とも同じ佐久間さんの番組で活躍されているのが奇遇だったので、ご本人に確認できてよかったです。では今後へ向けて、二瓶さんが目標にしている人物やポジションは？

ずっと前から小池栄子さんになりたいと思っていました。はじめはグラビアで、コントもやって、今では本格的な女優さんとして名前が出ている。MC業もされていてすごいなと。安定感や包容力があって、「旦那には勝てない」というご夫婦のトークにも憧れます。カッコいいです。勝手に目標にさせていただいています。私もマルチに活躍できるタレントになりたいです。今、お笑い芸人さんと絡ませていただくお仕事が増えてきて、自分が楽しくやれるのもバラエティですが、いつか女優業で「二瓶、意外と芝居もできるんだ」とか「歌とダンスもやってきたので意外と歌えるんだ、踊れるんだ」というところを見せられるように、全部を底上げしていきたいです。

──ここまでも共演してきた芸人の話をしていただきましたが、そのほかにファンとして好きな芸人はいますか？

いつまでもずっと笑えるのが、佐久間一行さんの「井戸のお化け」のネタで、私がヘコんだときとか、ここ5年は観ています。優しい笑い。心の支えです。なかやまきんに君さんは自分の大学の学園祭に来てくださったときがあって、「爆笑レッドカーペット」（フジテレビ系）に出ていたときから好きだったんですけど、生で見たときは「きんに君ー！」って追いかけちゃいました（笑）。きんに君さんのYouTubeの動画はダイエットをするときの参考になりますし、ネタも元気がないときに観ています。もう中学生さんも「空車満車ゲーム」が大好きです。ああいう独特の世界観を持つ芸人さんは尊敬していますし、男性としても魅力を感じちゃう。私は自分の父親に、あるとき「バカにならなきゃいけないときにバカになれるやつが大人だぞ」と言われたことがあるんですが、芸人さんにも通じるところがあるかなと。今後かわいがっていただける芸人さんがいらっしゃればうれしいです。

──二瓶さんにとって“第2のトータルテンボス”を見つけたい？

最近占い芸人のますかた一真さんに占ってもらいまして、私は“おじさんキラー”の星に生まれたらしいので、大御所のおじさまにハマれたら、とはちょっと思っています。ただ、やっぱり今はトータルテンボスさんと、どぶろっくさんとの縁を、とても大切にしたいです。私の結婚式でどぶろっくさんに歌ってもらって、トータルテンボスさんに祝辞をいただくのが目標です！

二瓶有加（ニヘイユウカ）

1995年10月20日生まれ、東京都出身。2016年にPINK CRES.のメンバーとしてデビュー。ユニットでの活動後は女優、タレントとして幅広く活躍している。東京・シアターサンモールで5月31日（水）から6月4日（日）まで全7ステージ行われる舞台「Monkey Works vol.10『アビリティイレブン』」に出演する。