ぜんぶ君のせいだ。|新たな強みを手に、5色になる

「ちぬに」はエモーショナルなセトリ

──シングルと同時リリースされる再録アルバム第2弾「LIVE or DIE~ちぬに~」についても話を聞かせてください。第1弾の再録アルバム「LIVE or DIE~ちぬいち~」のインタビューでは、セトリをそのまま再現した17曲を集めたと話していましたが、「ちぬに」は……?

一十三四

如月 これもセトリです(笑)。

一十三 「ちぬいち」が“動”のセトリだとしたら、「ちぬに」は“静”……というわけでもなくて、エモーショナルなセトリという感じかな。

ましろ 今ならではのセトリだよね。「ちぬいち」は王道というか「これさえ知っていれば、ぜん君。のライブが今すぐ楽しくなる」みたいな曲を集めたアルバム。「ちぬに」はよっちゃんが言ったようにエモーショナルな曲で構成されていて、ただ盛り上がるだけじゃなくて、ライブでの魅せ方にこだわっている曲が多い印象ですね。

如月 「ちぬに」は4人時代の曲が多いんです。これまで5人でパフォーマンスしたことがなかった曲をやることになったわけなので、歌割りも振り付けもすべて一新されて、展開も盛りだくさんになっているし、曲の表情が変わったんですよね。新しい曲として聴いてほしいくらい、変わっていると思います。

──ぼのさんと十五時さんには、前回と同じく歌ってみてお気に入りの曲を伺えればと思います。

 ぼのはカッコいい曲が好きなので、「君想ゐ花散りぬ」がお気に入りです。ステージで踊るのが楽しみで、イントロが始まると「やったー!『君想ゐ』だ!」すごくテンションが上がっちゃうんです。

ましろ イントロで手拍子をするんですけど、ぼのがすごい大振りで手拍子をしてるんですよ。

一十三 大振りの手拍子が曲の世界観をちょっと壊しているんですよ(笑)。

 ええー!? だって大好きなんだもん!

征之丞 十五時は1曲目の「MONOLOGUE」がすごく好きです。ライブでは本編の最後に歌うことが多くて、自分の中では締めの曲のイメージで。歌詞に書いてあることが自分に寄りすぎていて、ライブで歌いながら涙が出てきちゃうんです。

一十三 けっこう泣いてるよね。

ましろ 「MONOLOGUE」は5人で歌うのが難しい曲で、実はけっこう細かく練習を重ねている曲なんです。特に十五時はすごく丁寧に歌ってる。歌のことを細かく質問してきましたね。

幻の曲も再録

──新バージョンになって特に印象が変わった曲はどれでしょうか?

如月 再録を聴いて驚いたのは「フィリアフィリア」ですね。前のバージョンは“中二病”と“エロ”みたいなイメージだったんです。でも今回の「フィリアフィリア」は “エモ”と “エロ”みたいな印象で。それは2人が入っただけじゃなくて、私たち3人の歌い方が変わったのも大きいと思います。最近よく聴いている曲ですね。

ましろ

ましろ ぼくは「FAIRY TALE FANTASY」かな。この曲は2つのパートに分けられていて、ぼくとめーちゃんが男の子側、とがれ(咎憐无。2019年5月に卒業)とよっちゃんが女の子側を歌っていた曲で、新バージョンでは十五時とぼのが女の子側に入っているんです。とがれとはジャンルの違う女の子らしさを2人はちゃんと表現してくれていて。振り付けも対称的な感じがうまいこと表現できていて、ライブでもお気に入りの曲ですね。

一十三 「ROMANTICISM」「せきららららいおっと」といったかわいい系の曲に十五時の低めの声が入ったことで、聴き心地が変わったんですよね。聴いていてクセになるというか、十五時の声って、耳に入ってくるとドキっとする。「ズルい声してるなあ」と思いながら聴いてます。

ましろ 十五時の低音に負けず劣らず、みんな低音を取るのがうまくなってきたんですよ。カッコつけ方がうまくなってきたというか、声質でちゃんとカッコつけられるようになったんですよね。ぼくらの新しい強みになっている気がします。

如月 そして今作の中で“穴場”になっているのが「やみかわぐんまーち」なんですよ。

一十三 うんうん。

如月 この曲はまだライブで2、3回くらいしかやったことないんですよ。

ましろ 幻の曲。

如月 振り付けもおぼろげにしか覚えていない。「やみかわぐんまーち」はポップな曲で、絶対に十五時とぼのに合うと思う。昔からある曲だけど、どういう見せ方にするかを今から作るような曲なので、ライブでいつかやる日を楽しみにしてほしいですね。ここに入れたからには、どこかで……。

今は5色になる途中

如月愛海

──7月にスタートした全国ツアー「CULT CHAOS CUTIE TOUR 2019」が、11月にようやくファイナルを迎えます。

如月 今回は全国のライブハウスをわりと細かく回ることができたので、今度は大きい会場でライブをしたいですね。4人で立ってきた会場に5人で改めて立ちたいんですよ。野音にもZeppにも行かなきゃいけない。

一十三 4人でやっていたことを5人でやったらどうなるのか、1つずつ確かめていきたいよね。

ましろ ぼくは5人の楽曲が増えていくのが楽しみです。今までの曲を5人バージョンに変えてもちゃんとパフォーマンスできることは今回のツアーで証明することができたので、これからは5人じゃないとできないことをもっと追及していきたいですね。

如月 大きいステージでやるのはもちろん、47都道府県ツアーもやりたい。あとも1つ……ゲリラライブをやりたいですね。私たちのことをまったく知らない人の前でライブをやってみたい。

一十三 とにかく歩みを止めずに走り続けていたいんですよね。どこまでいけるのか、5人で走っていきたいです。

如月 今回のツアーが終わってようやくぜん君。が5色になれると思うんです。今は5色になる途中で、合わせようとして色が混じったり、色の濃さが違ったりしている。それこそ、それぞれが個性を出して5色でしっかりと患いさんを魅了できるパフォーマンスが成り立つように、5人のぜん君。をもっと追及していきたいですね。

ぜんぶ君のせいだ。