ぜんぶ君のせいだ。がニューシングル「わがまま新生Hominina」を発表した。

2月にリリースされた「Sophomore Sick Sacrifice」で咎憐无、未来千代めねを加えた新生ぜん君。をアピールし、同時期より3カ月にわたって東名阪を3公演ずつ巡るツアーを行うなど、歩みを止めずに精力的に活動してきた彼女たち。音楽ナタリーではメンバー全員にインタビューを行い、東名阪ツアーを振り返りつつ、ニューシングルの全貌についてを聞いた。

取材・文・撮影 / 古川朋久

新しいことを取り入れつつも変わらぬぜん君。

──各地を3回ずつ回る東名阪ツアーが2月から行われていましたが、咎憐无さんと未来千代めねさんはそれぞれ年末年始に加入後、このツアーからがライブ本格始動といった感じだったのでしょうか？

咎憐无　そうですね。基本的なことですけどステージの前方に出て、お客さんをよく見て、ライブを楽しむというのを心がけていました。

ましろ　対バンと違って患いさん（ぜんぶ君のせいだ。のファンの総称）たちがたくさん観に来てくれるライブですし、緊張しなくても大丈夫というのは2人に対して言ってましたね。みんな、本当に優しいですから。

咎　私が初めてライブに出演したときも、もっと厳しいことを言われるかなって思ったんですけど、皆さん私の親なんじゃないかと思うくらい優しくて。

未来千代めね　できないことができるようになったときにも、患いさんはすぐに気付いてくれるんです。だからもっと期待に応えたいなって思ってがんばれます。

──現体制になってから3カ月が経過しましたが、ライブや気持ちに変化はありますか？

一十三四　ものすごく変わったことはないんですけど、今回の東名阪ツアーでは女性限定エリアやフリーライブといった、今までやってこなかったことを取り入れてます。新しく何かを取り入れることで新鮮な気持ちにはなりますね。

ましろ　ライブでも新しい発見はあるんですけど、この5人でライブをやってて違和感を覚えるとか、そういうことはまったくないです。あと今回のツアーは平日に行ってるんですけど初めて観に来てくれた学生さんが多くて。中高生がいっぱいいるのはうれしいですね。それくらいの年齢の皆さんにも私たちの歌が届いてるんだって。

如月愛海　リリースイベントも各地で行ってて、新潟では11歳の女の子も来てくれました。ライブを楽しそうに観てくれてすごくうれしかったです。旧体制のときから応援してくれてる人ももちろんいるんですけど、現体制になってから初めて観に来てくれてる人も多くて。だから今までは埋まらなかった会場にもたくさんの人が集まってくれてエリアを拡大していただいて。感謝の気持ちでいっぱいですね。

──咎憐无さんとめねさんは、ほとんどの場所が初めてですね。

咎　そうなんです。ほぼ初めまして状態です。

如月　現場にも2人が加わったぜん君。がどうなっていくのか見守ろうといった方がたくさん観に来てくれてると思います。

──平日開催ということに対してプレッシャーはありました？

ましろ　平日だと遠方に行くのが大変じゃないですか。だけどかなり多くの方が遠征してくださって。仕事終わりにすぐに駆け付けてくれるんです。

如月　チェキを1枚だけ撮って帰る、みたいな人もいて（笑）。

ましろ　毎回のライブをちゃんと観たいと思って来てくださる方がこんなにいるんだと改めて実感しましたね。

ポールダンスを習ってました

──咎憐无さんとめねさんはまだ短期間ではありますが、成長も見えてきたのでは？

如月　ライブでの思い切りはよくなったかなと思います。

咎　患いさんと手をつないで柵に足をかけながら歌うところも最初は怖かったんですけど、今では気にせずに楽しみながら歌うことに集中できるようになりました。

未来千代　私は「もっと前に出て」って言われることが多くて、自分では出ているつもりだったんですけど、みんなを見るとやっぱり一歩引いてて。このままじゃいけないと思ってなるべく前へ前へ行こうと意識しています。

如月　めねは「フィリアフィリア」のときが面白くて。彼女がセンターに立ったとき、腰をものすごくくねらせてアピールするんですけど、そのときのエロさがすごい（笑）。彼女自身も「ここが見せ場だ」ってわかってるんでしょうね。

ましろ　うん。積極的に自分をどんどん出そうとしてるね。

如月　以前は（成海）5才があざとさのあるエロさを持っていたんですけど、めねはなんていうか保健の先生みたいな（笑）。

一十三　腰から足のラインはすごく見ちゃいますね。

未来千代　実は私、みんなに黙っていたことがありまして……。

如月　え……な、何？

未来千代　昔ヒップホップを習ってるって言って親にも嘘付いてたんですけど、実はポールダンスを習っていて……。

一同　えーっ!?

──妖艶さの秘密はそこだったのかと。以前もシンセサイザーを唐突に始めたり、彼女はやりたいと思ったら即実行しちゃう決断力がありますね。

如月　めねは気になったらすぐやってみる子なんですけど、それが長続きしない気もしていて。ぜん君。だけは最後までやり遂げてもらわないと困りますけどね！

──歌唱面やパフォーマンスでの成長はどうですか？

咎　歌割りとか煽りのパートをもらえるようにもなってきて、もっとアレンジを加えて私にしかできない表現を追求していきたいなって思ってます。

未来千代　歌うことに必死で患いさんを見る余裕が最初はまったくなかったんですけど、徐々にちゃんと歌いながら周りを見ることができるくらい余裕を持てるようになってきましたね。

咎　まったくメンバーとも絡めなかったんですけど、今はメンバーをいじる余裕ができて（笑）。

如月　前に出ることもそうなんですけど、メンバーとしっかり目を合わせることも私たちの中では重要なことで。必ずアイコンタクトを取って今の状況を把握することに2人は慣れてきたんだと思います。

咎　最初の頃はメンバーのことをキョロキョロとしか見ることができなくて、患いさんからも「振りの確認をしてるの？」って言われてたんです。それが悔しかったのでちゃんと振りを自分のものにして、余裕がある状態でメンバーを見られるようにはなりました。

──先輩3人も現状維持とは思ってないですよね。新人に負けないように、ライブでのパフォーマンスに磨きをかけてるなと感じるのですが。

一十三　2人を後輩として教えたりしてますけど別に下に見てるわけではないので、「こいつらには負けんぞ」という気持ちではいます。

咎　そう言ってくれるのはうれしいです！