音楽ナタリー Power Push - ゆくえしれずつれづれ

“6人”で殻を破る 新体制初のシングル完成

仲良くなれないかもしれないと思っていた

──◎屋さんと小町さんは、新メンバー2人の第一印象はどうでしたか?

◎屋 正直に言うと、艶奴とは仲良くなれないかもしれないって思っていたんです(笑)。特に何かあったわけではないんですけど……。

──ということは見た目で?

◎屋 見た目でもないんです(笑)。初対面の日にちょうど私が熱を出しておりまして、あまりしゃべれなかったんです。最初の日がこうだったから、もう一生しゃべれない関係になってしまったかもしれないって心配になりまして。

 最初に会ったとき、しだれが1人で鼻歌を歌ってて。すごく話しかけにくかったんです(笑)。

7月7日に東京・下北沢 LIVEHOLICにて行われた「ぜんぶ君のせいだ。× ゆくえしれずつれづれ 2マンLIVE~ZKSYSTZ~」の様子。

◎屋 私がおかしかったのか(笑)。でもちょっと壁があったというか、艶奴にはちょっとイマドキっぽい雰囲気を感じていたんです。今思えばただの引きこもりだったわけなんですけど、最初はパーティピープルっぽい人なのかもしれないと思いまして。それに艶奴より先に子子子に会っていて、彼女には最初から壁を感じていなかったんですよね。それで余計に艶奴に壁を感じていたのかもしれません。

 私も緊張してたから、何をしゃべっていいか全然わからなかったんです。小町も全然話しかけてこなかったですし。

◎屋 小町はアンドロイドみたいな人だから(笑)。

小町 お互い探り合っていたんだよ。

◎屋 ただ2回目に会ったときにそんな不安はなくなったんです。お話ししてみたらとても淡々といろいろ話をしていただきましたので。

──子子子さんにはどういう印象を抱いていたんですか?

◎屋 最初は“愛嬌のあるゆるキャラ”みたいな印象でしたけど、ライブになるとすごく妖艶さのあるパフォーマンスをする子なんです。表現力がとても好きですわ。

子子子 うれしい(笑)。

4人になって華があるグループに

──小町さんは新しいメンバーについてどういう印象を抱きましたか?

小町 壁を感じるというより、2人に会ってなんとなく「今までのつれづれじゃなくなるな」というのを感じました。今までとカラーが違う2人だったから、ゆくえしれずつれづれというグループが生まれ変わるだろうなと。

──すでに4人体制でライブを何度か行っていますが、パフォーマンスはいかがですか?

◎屋 4人になって華があるようになったと思っております(笑)。初期メンバーの想久里倫は初ライブをする前に脱退してしまったので、どういうライブになったのかわからないのですが、潮賽乃吉と3人でのライブはすごくアンダーグラウンドな雰囲気だったような気がしておりまして。艶奴と子子子が入ったことで、とっつきにくさが少なくなったという印象です。

7月7日に東京・下北沢 LIVEHOLICにて行われた「ぜんぶ君のせいだ。× ゆくえしれずつれづれ 2マンLIVE~ZKSYSTZ~」の様子。

小町 つれづれというグループにいろんな角度から入れるようになった気がしています。観に来てくれる人も増えたし。

──2人が加入してからファンの数が増えた実感があるんですか?

小町 着実に増えています。単純にアイドルって頭数が大事だと思うんです。ただ多ければ多いほどいいってわけでもないですし、単純にグループに合っていないメンバーが入ったらこれまで作り上げてきたイメージや世界観が全部崩れてしまう。子子子と艶奴が入って、そういう心配は全然なかったから、新メンバーがこの2人で本当によかったと思ってます。

──新しく加入した2人にとって、つれづれの活動はイメージ通りでしたか?

子子子 想像していたことに近いんですけど、ライブのときのしだれの“ケモノのような感じ”を肌で感じたときはすごいなって思いました。ライブ写真とかを見てイメージはしていたんですけど、そこは想像以上でした(笑)。

 艶奴はゆくえしれずつれづれに対して怖い印象を持っていて。

◎屋 え、私にも!? こんなに穏やかで優しい人間なのに……。

 ライブのときの表情とか、すごいことになってるから(笑)。でも実際会って話しをしてみたら2人ともすごく柔らかい雰囲気の人だったので、安心しました。

激情のライブも日常の一部に

──艶奴さんと子子子さんは最初のライブのときはどういう心境でしたか?

7月7日に東京・下北沢 LIVEHOLICにて行われた「ぜんぶ君のせいだ。× ゆくえしれずつれづれ 2マンLIVE~ZKSYSTZ~」の様子。

 ライブの前はずっと泣きそうでした。

小町 緊張しちゃってね。

 でも実際にステージに立つとものすごく楽しかったんです。今もそうなんですけど、ライブをしているときが人生で一番楽しい時間だと思っているくらいで。

子子子 周りからは「ハードなことをしてる」って思われがちなんですけど、自分ではそんなふうに思っていないんです。レコーディングとかライブも淡々とできているというか、日常の一部として自然な感じで受け入れています。

◎屋 子子子は歌手志望なこともあって、すごく歌が上手なんです。シングルには彼女の歌声が生かされているところがたくさん入っています。

子子子 つれづれの曲はもともと自分が好きな音楽に近かったから、ライブをするのが楽しいんです。

◎屋 2人共ライブが好きでいいバランスの4人がそろいました。

ゆくえしれずつれづれ「3ヶ月連続ワンマンLIVE~剥き出し」ファイナル
2016年8月28日(日)愛知県 CLUB Zion
ゆくえしれずつれづれ

「だつりょく系げきじょう系」をコンセプトに活動するアイドルユニット。2015年12月に1st配信シングル「凶葬詩壱鳴り feat. ぜんぶ君のせいだ。」をリリースし、◎屋しだれ、まれ・A・小町、想九里倫の3人で活動をスタートさせる。2016年1月、初ライブを前にして想九里が体調不良のためユニットからの脱退が決定。新メンバーとして潮賽乃吉が加入するが、潮賽も体調不良のためユニットを脱退した。2016年5月に1stミニアルバム「Antino未deology」をリリース。またオーディションの結果、英艶奴と子子子の2名が新メンバーとしてユニットに加わった。同年8月、4人体制で初となるシングル「六落叫 / ニーチェとの戯曲」を発表した。