音楽ナタリー Power Push - ゆくえしれずつれづれ

“6人”で殻を破る 新体制初のシングル完成

“6人と群青さん”が一緒に共鳴する曲

──新たに両A面シングル「六落叫(シックスホールロアー) / ニーチェとの戯曲」がリリースされます。

7月7日に東京・下北沢 LIVEHOLICにて行われた「ぜんぶ君のせいだ。× ゆくえしれずつれづれ 2マンLIVE~ZKSYSTZ~」の様子。

◎屋 「六落叫」の「六」は、今まで抜けたメンバー2人と今のメンバー4人を合わせた6人のことを意味しているんです。「想久里倫と潮賽乃吉も一緒にいる、2人共一緒に連れていく」と群青さん(ゆくえしれずつれづれのファンの総称)に言っているんですけど、この曲には「右手に 想乃」「右手に 賽倫」と2人の名前の一部が歌詞の中に入っています。この曲を歌うと2人に「ここにいるよ」って言われてる気がするんです。

小町 「六落叫」はつれづれの決意や思いが形になった曲なんです。ライブで披露すると群青さんの中にも涙を流してくれる方もいらっしゃって、6人と群青さんが一緒に共鳴する曲なんだと思います。ずっと大切にしていきたい曲ですね。

◎屋 「辞めた2人も一緒に」という考え方は、私たちのエゴかもしれないんです。2人は2人で違う人生を歩んでるわけですから。でも群青さんも「2人を忘れない」って言ってくださるので、「一緒に連れて行っていいよね」と思いながら歌っています。

──新メンバー2人にとって「六落叫」はどういう曲ですか?

 すでに抜けてしまった2人を直接的に知っているわけではありませんが、2人がいたからこそ今のつれづれがあると思うので、私たちにとっても大事な存在なんだなって思います。

◎屋 正直不安だったんです。新メンバーからしてみたら「いなくなった2人の名前が入った曲をなんで歌わなきゃいけないんだ」と思わないかって。どうだった?

子子子 そんなこと思わなかったよ。

 艶奴も。

◎屋 うれしい。2人ともこういういいところがあるから好きなんです。

つれづれはシャウトができてなんぼ

──もう1つの表題曲「ニーチェとの戯曲」は“4人らしさ”みたいなものを凝縮しているのかなと思いました。

◎屋 今までで一番シャウトが多い曲で、新しいつれづれを感じていただきたいですね。

子子子 最初にレコーディングをしたのが「ニーチェとの戯曲」なんですけど、思ってたよりもシャウトが多くてビックリしたんです。自分がシャウトするところもいっぱいあって、いきなり苦戦しました。

 最初はシャウトがうまくできなくて戸惑ったよね。

子子子 間違ったシャウトと正しいシャウトの音声を送ってもらったりして、家でも練習してみるんですけど、なかなかできるようにならなくて。レコーディングに入ったときはただひたすら勢いで歌ってた気がします。

小町 つらくなかった?

子子子 つらいというより、必死に追いつこうみたいな気持ちでいっぱいだった。ここで食らいつかないといけないと思って。

 艶奴もカラオケに行って練習してました。女子高生みたいな人たちに「何アレ?」って感じで見られていたんですけど、なりふりかまわずに練習して。結局自己流というか、自分で勢いを付けて声を出せばシャウトが出るんだって結論にたどり着いてから、いろいろ楽になった気がします。

──つれづれのメンバーになったからには、当然のごとくシャウトができることが求められるわけですからね。

まれ・A・小町

小町 「つれづれはシャウトができてなんぼ」みたいなところがありますから。シャウトができるようになるのかが最初の壁だと思います。それができて仲間意識が芽生えてくる感じがあります(笑)。

◎屋 2人に関しては群青さんからの期待も大きかったと思うんです。新メンバーとしてTwitterで先にビジュアルだけ公開されたときに「こんなかわいい子たちがどうやってシャウトするのか」って言われてましたから。

子子子 確かに。プレッシャーはすごい感じてました。

──ここまでシャウトが多いとライブでも盛り上がりそうですね。

子子子 群青さんも一緒にシャウトしてくれるのがすごくうれしいんです。歌詞の中で「今晩破」って言うところがあるんですけど、ライブではすごい剣幕で「こんばんは」って言い合ってます(笑)。

 シャウトしながら群青さんとぶつかり合ってる感じがします。

──カップリングに収録されている「契りひらり」は、逆にシャウトが一切入っていない楽曲になっていて驚きました。

7月7日に東京・下北沢 LIVEHOLICにて行われた「ぜんぶ君のせいだ。× ゆくえしれずつれづれ 2マンLIVE~ZKSYSTZ~」の様子。

◎屋 シャウトが苦手な人にもわかりやすく入っていただける曲かなと思っております。こちらはEDM調の曲なので、身体を使って楽しんでいただきたいですね。

子子子 ポップな感じで聴きやすい曲だと思います。ただキーが高くてちょっと難しかった曲でもあります。艶奴は歌いやすそうでしたけど。

 艶奴の声が高くて、子子子の声は低めなんです。子子子のシャウトは迫力がある。

子子子 「シャウトがいかつい」ってよく言われます(笑)。

ぶつかり合いがだいご味

──7月7日には東京・下北沢 LIVEHOLICで同じ事務所に所属するぜんぶ君のせいだ。とのツーマンライブがありました。皆さんにとっても感慨深い競演だったのかなと思いましたが、いかがでしたか?

小町 あの日は群青さんと患いさん(ぜんぶ君のせいだ。のファンの総称)の熱気がすごかったです。

 モッシュがすごくて楽しかった。フロアを見るのが面白くて、ニコニコしてたかも。

◎屋しだれ

◎屋 私はただ自分の全力を出すだけ、死ぬ気でやるだけだと思っていたので、いい意味でほかのライブと同じ気持ちで臨んでいました。

子子子 ツーマンだからもっと気合いを入れるぞみたいな気持ちとかは子子子もまったくなくて。今見せられる最大限をやるだけだと思ってやってましたね。

◎屋 ただお客様の熱量がすさまじかったので、それには絶対負けたくないと思っていました。フロアよりステージ上の熱量のほうが上回らないといけないっていう気持ちがあって。いつもそうですけど、つれづれのライブは皆さんとのぶつかり合いこそがだいご味だと思ってやっているので、そのぶつかり合いが激しい一夜だったことは確かだと思います。

ゆくえしれずつれづれ「3ヶ月連続ワンマンLIVE~剥き出し」ファイナル
2016年8月28日(日)愛知県 CLUB Zion
ゆくえしれずつれづれ

「だつりょく系げきじょう系」をコンセプトに活動するアイドルユニット。2015年12月に1st配信シングル「凶葬詩壱鳴り feat. ぜんぶ君のせいだ。」をリリースし、◎屋しだれ、まれ・A・小町、想九里倫の3人で活動をスタートさせる。2016年1月、初ライブを前にして想九里が体調不良のためユニットからの脱退が決定。新メンバーとして潮賽乃吉が加入するが、潮賽も体調不良のためユニットを脱退した。2016年5月に1stミニアルバム「Antino未deology」をリリース。またオーディションの結果、英艶奴と子子子の2名が新メンバーとしてユニットに加わった。同年8月、4人体制で初となるシングル「六落叫 / ニーチェとの戯曲」を発表した。