周りの意見も取り入れたほうが結果的にいいものができる

──今回のシングル、とても面白いですよね。ある種の原点回帰というか、デビュー盤を彷彿とさせるテンションの「Promise You!!」と、声優をやっていたからできた……むしろそれすら気付いていなかった「真夏ハプニング」。新旧のゆいかおり像を確認できる1枚になったと思うんですけど、それすらもご本人たち的には……。

小倉　自覚がない（笑）。自然とできあがちゃったもんね。

石原　そうだね。

小倉　いい意味で計算しないというか、お互いが今できることをやっていたら、結果的にいい感じになった。そのゆるさが、ゆいかおりらしいなって思います。

──話を聞いてるとお二人共、周りのスタッフの意見をすごく信用してますよね。キャリアも技術も十分だから、ある程度自分たちでなんでもできると思うんですが。

小倉　でも偏りますよね、自分だけの考えだけだと。こういう表現の世界は正解がないと思うので、自分だけで固めちゃうよりも、考えはちゃんと持ちつつ、一緒に作り上げてくれる周りの意見も取り入れたほうが結果的にいいものができる気がします。

──今の小倉さんの話だと、むしろ聞きたいんですね。周りの人たちの話を。

小倉　はい。そうすることで自分には見えてなかった可能性とかが見えて、それが後々思いがけない道につながる。そういう経験を今までにしているので。だから周りの方々の意見を一度はちゃんと素直に受け止めようって常に心がけています。

──石原さんはいかがですか？ レコーディング現場でいろんな人の意見を聞いてますよね。

石原　女の子の気持ちだったらわかるんですけど、男の人の気持ちってやっぱりわからないんですよね。男の人から見た私たちの姿が自分にはまったく想像つかない。きっと男性が求める女性像ってあるじゃないですか。だから男性スタッフの意見が欲しいと思っちゃうんですよね。

──なるほど。

石原　例えば私たちが自分の世界観を提示して、それでみんなを引っ張っていくタイプのアーティストだったら自分の感覚を信じて突き進んだほうが絶対にいいものができると思うんですよ。でも私たちは歌って踊って、みんなから応援されるタイプだと思っているので。

──すごく腑に落ちました。いわゆるアーティストと呼ばれる人たちの間口が狭いって話じゃないですけど、ゆいかおりはもうちょっと門戸が広く、ポップアイコンとして存在しているというか。それだったらいろんな人の意見を聞いたほうがいいですもんね。

石原　はい。万人受けしやすいのかなって思いますね。

アニメ文化をきっかけに海外進出したい

──2016年もそろそろ後半戦に入っていますが、このあとの予定は？

小倉　曲も増えたのでライブができればいいなと思いますね。でも、できるとしても冬とかになってしまうと思うので、本当はこの季節に夏の曲を歌いたいです。

石原　夏の曲いっぱいあるのに、ライブはいつも冬なんですよね。夏の曲を夏に歌いたいのに（笑）。

──でも大変ですよ。声優の仕事があって、ラジオ収録の仕事もあって、ゆいかおりとしてのレコーディングが夏にあって。さらに夏にライブまでするってなったら、お二人共あまりの忙しさにヤバいことになりますよ。

石原　死にますね（笑）。

小倉　確かにそうだね。

──ほかにゆいかおりとしてでもプライベートでも、今後やってみたいことはありますか？

小倉　私は、海外進出したいですね。海外からの日本のアニメ文化への関心って、私たちが思ってる以上にすごい気がしていて。アニメ文化をきっかけに私たちにも興味を持ってもらって海外の方からも支援されたら、すごいことになると思うんですよ。それって逆に日本でも注目されることにもなると思うし。だからもっと海外に向かっていったほうがいいんじゃないかなと思ってます。

──確かに、さっきおっしゃってた武道館の次っていうものを考えたときに、海外っていうのは1つの選択肢ですよね。石原さんはいかがですか？

石原　今、英語の勉強をやっていまして。

──海外ですか？

石原　私もそうなんですよ。もともと海外がすごい好きで、ずっと前から行きたいなって思っていて。とりあえずTOEICを受けていい点数取りたいです。

──偉いなあ。だってこの間ですよね、大学卒業したの。まだ勉強がしたいですか（笑）。

石原　なんかそうみたいで、自分でもよくやってるなって思います（笑）。今までの人生で一番勉強してるんじゃないかな。でも好きな科目だけやってるから、楽しいですよ。

小倉　やっぱ内発的な動機付けのほうがいいんだよね。

石原　周りから言われてやるよりもね。海外に行ってる友達が多いから、それですごい刺激を受けます。だから今年の個人的な目標はTOEICか英検ですね。

小倉　私、旅行したいな。

石原　ゆいかおりで海外行きたいよね。

小倉　超行きたい。行こうね！

石原　うん！