吉田凜音|同世代のティーンに届け!SKY-HIプロデュースのキュートなラブソング

吉田凜音がニューシングル「Find Me!」を8月29日に配信リリースした。

デジタルシングルの表題曲は、ラッパーとして活躍するSKY-HIの全面プロデュース作品。ティーンエイジャーらしいストレートな感情を表現しながらも、新しい一歩を踏み出し切れない心模様を描く恋愛ソングだ。恋愛への期待と不安がない交ぜになった感情をラップに込めた楽曲は、彼女と同世代のリスナーを中心に共感を呼ぶだろう。

カップリングに収録される「SUMMER MAGIC」では、打って変わって大人っぽい夏の恋愛が描かれ、センチメンタルな風景が印象に残る。その意味でも、大人と子供の間にいる17歳の吉田が歌うのにふさわしい1曲だ。

「Find Me!」のリリースにあわせて展開する今回の特集では、吉田のインタビューのほかに、宇多丸(RHYMESTER)、おかもとえみ(フレンズ、科楽特奏隊)、工藤大輝(Da-iCE)、ケンモチヒデフミ(水曜日のカンパネラ)、SKY-HI、の子(神聖かまってちゃん)という吉田と交流のあるアーティストたちのコメントを掲載。さまざまな角度から「Find Me!」の魅力を掘り下げる。

取材・文 / 高木"JET"晋一郎 撮影 / tAiki

同世代に共感してもらえる曲が作りたかった

──今回の新曲「Find Me!」は、SKY-HIさんが全面プロデュースする形で制作されました。まず、SKY-HIさんとのつながりについて教えていただけますか?

吉田凜音

私が中学校3年生のときに、初めてラップ曲の「りんねラップ」を作って、ネットにアップしたときにTwitterでリプライをいただいて、そこからのつながりですね。もうあのときはとにかくびっくりしたし、「あのSKY-HIさんからリプきた!? マジか!」みたいな(笑)。そのときから「一緒に曲を作ってみたいね」って話をしていて、それが今回、実現したという感じですね。

──少し前にSKY-HIさんを取材したときに、「今、吉田凜音ちゃんに作ってる曲の仮歌なんだけど聴いてくれる?」って、「Find Me!」のSKY-HIバージョンを少し聴かせてくれて。

あはは!(笑) SKY-HIさん、いろんな方に仮歌を聴かせてたみたいですね(笑)。

──不安だったのかな(笑)。ただ、そのときからすでにSKY-HIとしての新基軸が感じられる楽曲になっているなと思ったし、今回の完成版でさらにブラッシュアップされていて。凜音さんが歌うのにふさわしい、クールさとキュートさが同時に感じられる作品になったと思いました。

ありがとうございます。SKY-HIさんと曲を作ることが決まったときから、SKY-HIさんに「凜音ちゃんの今までの楽曲とは違うテイストのモノを作りたい」っていうお話をいただいて。私もそういう新しいアプローチに挑戦してみたかったんですよね。

──それは具体的には?

とにかく共感できるラブソングですね。遠回りしないで、ストレートに気持ちを歌うラブソングを作ってみたかったんです。「SEVENTEEN」までの作品では作ってこなかったし、もっと同世代に共感してもらえる曲が作りたかった。

──それが今回、凜音さんがアプローチしてみたかったことだと。

そうですね。そういうふうに自分で意見を言って実現させてもらえるのはすごくうれしいことだし、今回はSKY-HIさんにもそのイメージを伝えて、作っていただきました。加えて、私が出演していた恋愛リアリティ番組「真冬のオオカミくんには騙されない」の主題歌が、SKY-HIさんが作詞されたAAAの「drama」だったんですが、その曲に共感する部分が本当に多くて。SKY-HIさんの恋愛の歌詞ってすごいなって。それで、私の楽曲でも恋愛の世界観を書いてほしいなと思ったんです。

「高速ラップはできません」って伝えたのに……

──「Find Me!」ではストレートな気持ちを歌ってるけど、相手との関係性では少しモヤモヤする感じで、恋愛関係になるちょっと前の複雑な気持ちや状況が上手に描かれていますね。それもティーンエイジャーらしい感触があって。

自分自身も「これ、わかる!」っていう部分が本当に多かったし、歌ってて気持ちよかったですね。

吉田凜音

──仮歌を聴かせてもらったときも「SKY-HIのJK感出てる?」って聞かれたんだけど。

めっちゃ出てますよね(笑)。

──そういうティーンらしい世界観が欲しかったと。

そうですね。SKY-HIさんから「主人公はどういうタイプの女の子がいい?」って聞かれて、私は「強気な女の子がいい」って。そうしたらキャラクター的にもそういう感じになっていたし、2バース目では高速ラップになって、ラップの部分でもちょっと強気な部分を感じる構成にしていただいて。

──強気な女の子がよかったというのは?

私自身にそういう部分があるし、高校の友達も強気な女の子が多いんですよね、男の子に対して。だから、そういうキャラクター設定にしたほうが、みんな共感できるかなと思ったんです。

──凜音さん的に共感できたのはどんな部分ですか?

フックの、好きなのに「もうだいっきらいだバーカ」って言っちゃうツンデレっぽい部分は「なんかわかるな……」って(笑)。サビ前ではモヤモヤしてるけど、サビで自分の気持ちを解放する部分とか、歌っててスッキリしたし、すごくかわいいですよね。2バース目の「でも君から『今度は二人でどっか行こう』『えっそれ本当?』…って返したラインが今のとこは最後」のパートの展開もすごいですよね。なんてヒドい男の人なんだって(笑)。女の子も強いけど、この男の子もなかなか手強いですよね。

──強いと言うか、デリカシーがなさすぎると言うか(笑)。

でも、今話に出た、2バース目のラップは丸ごと共感しましたね。特に「なんだよプレイボーイ」っていうSKY-HIさんのワードの使い方がすごいなって。こういう世界観をラップで表現して、さらに日常のこともリズムに乗せて歌えることが本当にすごい。ラップは難しかったですけど(笑)。

──2バース目は高速ラップで畳みかけますね。

先に「SKY-HIさんみたいな高速ラップはできません」って伝えてたんですよ。だけど、その2日後ぐらいにはガッツガツの高速ラップが入ったデモ音源が届いて(笑)。でも、難しいんだけど、私のスキルでできる範囲のラップを書いてくれたと思うし、レコーディング当日も付きっきりでいろんなラップのアプローチを教えてくれて。

SKY-HIとのレコーディングは修行

──SNSにも写真がアップされていましたが、レコーディングにはSKY-HIさんが立ち会ったそうですね。

吉田凜音

6時間ぐらい付きっきりでした。今回は1曲を録るのに、今までで一番時間をかけたレコーディングになったんですけど、その長丁場の中で、音のはめ方だったりリズムの取り方だったり、本当にいろんなことを教えてくださって。ラッパーの方からひたすらラップを教えてもらう経験ができたのは、すごく新鮮だったし、改めてラップの面白さを感じました。だから、できたときにすごく手応えがありました。修行という感じですね。

──SKY-HIさん自身、ラップの曲を提供、プロデュースするのは初めてだと思うので、作詞家的な部分も垣間見えて、彼のソロとのアプローチの違いも面白かったですね。この中で「大体恋も愛もわかんない」という歌詞がありますが、ちょっと子供っぽいかな、とも思ったし、そこには「ティーンエイジャーはこう思っててほしい」という、大人の願望のような部分を感じたりもして。その部分はどう感じましたか?

「恋も愛もわかんない」って、まだそう信じたい女の子なのかなって。わかんなくありたい、みたいな。

──まだハッキリさせたくないし、心の動きに戸惑っている自分を隠していると言うか。

でも「少しくらい近くにいたい」っていうシンプルな気持ちはあったり。その揺れ動く感じが、すごくかわいいですよね。