吉田凜音|同世代のティーンに届け!SKY-HIプロデュースのキュートなラブソング

歌の中だけでは夏を楽しもう

──一方で「SUMMER MAGIC」は、エロティックな感じもある、大人っぽいラブソングなので、その差がすごく興味深かったですね。この曲はkiki vivi lilyさんがリリックを手がけられて、彼女らしい、心のひだを描くような繊細な描写からも「Find Me!」との対称性を感じました。

吉田凜音

真逆な感じですよね。主人公の女の子のタイプが全然違うし、歌詞がすごく切ない。だから自分としても初々しさや切なさを大事にしながら歌いました。でも、ケンモチヒデフミさんが作ったトラックには前向きな感じもあって、 そのバランスも面白いですよね。

──センチメンタルな感触も「Find Me!」とは大きく違いますね。

夏の終わりの感じがすごくしますね。夏って恋愛系の曲が聴きたくなるんですけど、それもあって2曲とも今回はラブソングでお願いしたんです。

──夏は恋の季節ですか?

恋と言えば夏な感じがして。友達のJKのInstagramのストーリーズを観たりすると、みんな楽しそうなんですよね。ライブでいつもバックで踊ってくれているNATT!も、はしゃいだストーリーを上げたりしてて、うらやましいなーって。だから私も、歌の中だけでは夏を楽しもうと思って(笑)。

──せめて歌の中だけでも……ですか(笑)。

青春できてるかな(笑)。友達と遊びに行ったりいろいろ楽しんでますけどね。でも「SUMMER MAGIC」のような夏の恋はしたことがないです。

同世代の子たちにもっと身近に聴いてほしい

吉田凜音

──また、今回はカップリングとして「Find Me! -DÉ DÉ MOUSE Remix-」と「SUMMER MAGIC -grooveman Spot Remix-」というリミックス音源も配信されました。

DÉ DÉ MOUSEさんは、リズムの入れ方がすごく独特と言うか、DÉ DÉさんにしか出せないアプローチになっていて、新しい形の「Find Me!」が聴けるリミックスになっていますね。

──キーフレーズをループさせたり、リミックスらしいリミックスになっていますね。一方の「SUMMER MAGIC」のリミックスは、grooveman Spotによるアーバンファンクなサウンドです。

ケンモチさんのオリジナルバージョンを聴いてからだと、「こうきたか!」って思ってもらえる、面白いリミックスになったと思います。

──KASHIFさんのギターも冴え渡っています。

中2のときに西寺郷太さん、KASHIFさん、私でライブしたことがあって。よく考えたらすごい中2ですよね(笑)。

──今回の4曲は配信によるデジタルリリースという形ですが、配信リリースについてはどう思いますか?

やっぱり私たちの世代は、CDよりもデジタル配信で音楽を聴くことが多いですね。iPhoneとかスマホで音楽を聴くことがすごく増えてるので、この曲も配信でリリースすることで、同世代の子たちにもっと身近に聴いてほしいと思ってます。

──ご自身もストリーミングサービスなどで音楽を聴くことが多いですか?

多いですね。でも、すごく好きなアーティストさんのアルバムやシングルが出ると、それはCDで買います。ブックレットとかも楽しみなので。そういうふうに場合によって違いますね。

──今回の2曲はラブソングでしたが、もし自分でラブソングを書くとしたらどんな形になりそうですか?

まだ発表はしてないんですが、今いくつか自分で歌詞を書いていて。でも、それはラブソングじゃなくて、女の子同士の関係性を書いた歌詞が多くなっているんですよね。そういった曲は私のディスコグラフィにあまりなかったので、それが形になれば私のオリジナリティにできるのかなって。それを今挑戦中です。

17歳らしいライブができたら

──話は少し変わって、夏の思い出を伺いたいのですが。

……全然ないな、どうしよう(笑)。でも、夏はやっぱりライブが増えるので、夏と言えばライブという感じですね。

──ライブと言えば、8月9日よりツアー「SEVENTEEN TOUR」が始まっていますね(※取材は8月初旬に実施)。

吉田凜音

ただ、毎回ワンマンライブが雨か雪か台風なんですよ(笑)。

──嵐を呼ぶ女ですね(笑)。

だから今回のツアーは晴れてほしい(笑)。今回のツアーでは「Find Me!」と「SUMMER MAGIC」を披露しているんですが、「Find Me!」ではラップパートでもかなり踊るんですよね。それは新しいアプローチで見せられるんじゃないかなって。

──この曲でガッツリ踊るのはけっこう大変ですね。

でも、ラップとダンスを両立させたいって言ったのは自分なんで、言ったからにはがんばろうと。それがライブでのこの曲の見どころだと思うし、その部分を全面的に出したいんですよね。

──やはり、その2つが凜音さんの武器と言うか。

ラップの歌詞でリズムを作りながら、トラックのビート感はダンスで表現するところが自分のパフォーマンスにはあるんですよね。だから、ダンスは演奏するっていう感じだし、それを意識しながらパフォーマンスして、しっかりハマったときは、すごく楽しいんです。一方の「SUMMER MAGIC」では基本的には踊らないで、NATT!に踊ってもらって、私は曲に入り込んで歌おうと思ってるんですね。そういうふうに、いろんな表現でアプローチできたらなって。17歳最後の夏なんで、17歳らしいライブができたらと思ってます。

──そして今年秋に公開の「ヌヌ子の聖☆戦」では、映画に初主演をされますね。

2人組の女の子の話で、私と「Seventeen」で専属モデルをやってる久間田琳加の二人で主演してます。もともと仲のいい2人なんで、一緒に主演できたのは、すごくうれしかったですね。

──映画に主演してみていかがでしたか?

すごく楽しかったですね。順撮りではなかったんで、シーンごとの気持ちの切り替えが大変ではあったんですけど、それも勉強になりました。原宿とファッションがテーマになってて、十代のJKの内面的な部分が強く出た、深い映画になってると思いますね。殴り合ったり、ビンタし合ったりもしてるんでその部分も注目してください(笑)。

──音楽、モデル、女優業と、非常にマルチな活動を展開していますね。

映画に主演させてもらって、表現することは音楽と変わらないと思ったし、音楽での経験がいろんなことにつながっているんだと思いました。だからこそ、音楽を表現の中心にしていたいなって。

ずっと一生17歳でいたい

──では、今年の後半戦はどんな感じになりそうでしょうか?

吉田凜音

映画の公開もあるし、ツアーは終わるけれども、ほかにもいろんな場所でライブをしたり対バンしたり、幅広い動きを展開したりしながら18歳を迎えられたらと思います。

──気が早いかも知れないけど、18歳はどんな年にしたいですか?

18歳になりたくないんですよね。

──それはなぜ?

17歳ってすごく特別な感じがするんですよね。だからずっと一生17歳でいたい(笑)。

──でも、そう思えるのは今が充実してるってことですね。

そうかもしれない。お仕事もプライベートもとにかく楽しいですね。こないだプライベートで札幌に帰ったときは、地元の友達と公園で鬼ごっこしたんですよ。

──それは17歳としては問題がある気もしますが(笑)。

しかも全員17歳、18歳ですからね(笑)。でも、これからもずっと地元の小さい公園に、みんなで遊びに来るんだろうなと思いました(笑)。そういうふうにずっと変わらずに、18、19、20って音楽ができたらいいなと思います。