音楽ナタリー Power Push - 夜の本気ダンス
ダンスミュージックへの見解
音楽の世界に長く居続けたい
──夜の本気ダンスは2008年結成ということですが、もともと今のような音楽性だったんですか?
鈴鹿 2008年に結成っていうのは、米田が加入してからのカウントなんです。実際はもうちょっと前、2005、6年頃には始まってて。当時町田(建人 / G)と僕が同じ高校で一緒にバンドを組んだんですよ。最初は銀杏BOYZのコピーをしていたんですけど、高校を卒業すると同時にオリジナルをやろうってなって。その頃はサイケデリックなサウンドを目指してましたね。ゆらゆら帝国とか嘘つきバービーみたいな。
──そうだったんですね。
鈴鹿 怪しくてうねって踊らせる感じをイメージしていたから、名前もそれに合いそうな「夜の本気ダンス」にしたんです。そこからボーカルが抜けて、米田が入ったっていう。こいつが加入する前は「大阪のFANDANGOとかでワンマンできればいいな」ぐらいの気持ちでやってたんですけど、今はなんばHatchとかZepp Osakaとかでやりたいなってイメージしながら活動しているので、すごくメジャー指向になりましたね。
──1月の渋谷CLUB QUATTROワンマン(参照:夜の本気ダンス、満員の渋谷クアトロワンマンで「全員を家に持って帰りたい!」)も超満員でしたし、すぐにでもできてしまうのではないでしょうか?
鈴鹿 でも今の音楽シーンは流行の波が早いと思いますし、できたとしてもやっぱりそこで実力が伴ってないと長生きしないというか。僕らは音楽の世界に長く居続けたいっていう気持ちがあるんですよ。だから「とにかく早くZeppでライブしたい」っていうよりかは、実力がちゃんと付いてきたときに自然な流れでできるようになれば。
米田 2005、6年からやってて、バンド歴は10年ぐらいになりますからね。やっぱそれだけやってきてる分、そんなにポンポン上に行ったらすぐ落ちてしまうんじゃないかっていう不安もあって。今までもお客さんを1人ずつ増やしていった感じやったんですよね。やからライブハウスも段階を踏んで1歩ずつ大きいところにいきたいというか。
夜の本気ダンスならやりたいことができる
──今の夜の本気ダンスのサウンドにはガレージロックだったり、ポストパンクだったり、あとからバンドに加入した米田さんのルーツのサウンドが反映されていますよね。
鈴鹿 そうですね。僕はもともと米田がほかのバンドで歌っているのを観に行ってて、彼のセンスをいいなと思ってたし、一緒にバンドをやりたかったんですよ。むしろ米田がやりたい音楽をやらせてほしいぐらいの気持ちでいたんです。
──米田さんは前のバンドではどのようなパフォーマンスをしていたんですか?
米田 ずっと下向いて静かに淡々と演奏してましたよ(笑)。前のバンドではメンバーの技術的な問題で、やれる範囲が限られてたんですよ。自分ではもっとやりたいこともあったけどやれなかったっていう、そういう時期でした。
──わりと悶々としてたような。
米田 そうですね。夜の本気ダンスに入ることでもっと自分のイメージを表現できると感じたので、加入しました。
──町田さんはバンドのオリジナルメンバーですけど、米田さんが加入することが決まったとき、どう思いましたか?
町田建人(G) 僕はあんまり好き嫌いがないし、いろいろなことに抵抗がない人間なので、普通に「あっ入るんや」みたいなそんな感じで。それまで率先して曲を作ってくれる人がいない中でやってたんで、米田が加入したことで1つのバンドとしての形がしっかりしたと思いますね。彼が加入する前のサウンドは、完全に迷走してましたからね(笑)。
鈴鹿 よく言えば幅広い、オールマイティな感じで。どこにも属さへん感じね(笑)。
米田 だからバンド自体のサウンドにはよさをまったく感じていなかったですけど、曲は僕が入ったら作ればいいって思ってました。彼らの演奏を観ていて、音のノリのよさを確実に感じたので、それだけで十分かなと。あとは僕が全部やるしみたいな。
町田 めっちゃ頼もしかったですね。
米田 逆に僕もやりたいことを広げてくれるような、そういうメンバーを求めてたので。
ハチャメチャなライブ
──そのあとマイケルさんが加入されるんですよね。
鈴鹿 そうですね、マイケルとは対バンで出会ったんですけど、「いいベーシストやな」って思って。僕らのベーシストが就活とかでいろいろ忙しくなって抜けてしまうときに、マイケルが活動してたバンドも就活とかでなくなるということで。
マイケル そのタイミングで鈴鹿から連絡が来まして。そのときの夜の本気ダンスはけっこうハチャメチャなライブをしていたんですよ。曲の最後とかに、フロアの上で4人が重なり合ってたよな(笑)。
米田 うん。ぶつかり合ったり、ドロップキックしたり。そういうアグレッシブなバンドが一番カッコいいと思ってた時期やったんで。僕はもともと洋楽が好きなんですけど、加入してからメンバーに銀杏BOYZのCDを借りてすごいハマって。「こういうのやりたいなあ」って思って、そのときはもうホントにギターをわーって投げたりとか(笑)。
マイケル でも観ててすごい楽しいライブやったんで、そのときに「また観たいな」って思ったんですよね。僕が「こういうバンドになりたい」と思ってたのがPOLYSICSだったので、ライブが楽しいっていうのはいいなって。その頃夜の本気ダンスは京都MOJOっていうライブハウスでよく活動をしていて、ライブハウスのコンピレーションアルバムとかにも参加していたので、界隈ではけっこう有名だったんです。夜の本気ダンスみたいなバンドはいなかったし。
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- メジャー1stアルバム「DANCEABLE」/ 2016年3月9日発売 / Victor Entertainment
- 「DANCEABLE」
- 初回限定盤[CD+DVD] / 3456円 / VIZL-939
- 通常盤[CD] / 2700円 / VICL-64524
収録曲
- Oh Yeah
- Crazy Dancer
- By My Side
- LOVE CONNECTION
- Love is always new
- escape with you
- Feel so good
- Logical heart
- Dance in the rain
- Show down
収録曲
- Afro
- This is pop
- fuckin' so tired
- Candy tune
- for young
- ロシアのビッグマフ
- 夜の本気ダンス「レコ発記念ワンマン『WONDERFUL! DANCEABLE! ENSEMBLE!』 ツアー」
- 2016年6月10日(金)大阪府 BIGCAT
- 2016年6月12日(日)香川県 高松MONSTER
- 2016年6月18日(土)愛知県 THE BOTTOM LINE
- 2016年6月25日(土)北海道 cube garden
- 2016年7月2日(土)広島県 広島CLUB QUATTRO
- 2016年7月3日(日)福岡県 BEAT STATION
- 2016年7月9日(土)新潟県 CLUB RIVERST
- 2016年7月10日(日)宮城県 SENDAI CLUB JUNK BOX
- 2016年7月15日(金)東京都 LIQUIDROOM
夜の本気ダンス(ヨルノホンキダンス)
米田貴紀(Vo, G)、町田建人(G)、鈴鹿秋斗(Dr)、マイケル(B)からなる4人組ロックバンド。2008年に京都府で結成された。2014年2月にタワーレコード限定シングル「Bitch」を発表したのち、3月に初の全国流通ミニアルバム「DANCE STEP」をリリース。同年11月にアルバム「DANCE TIME」を、2015年にシングル「By My Side」を発売する。2016年2月から3月にかけてスペースシャワーTV主催のライブツアー「スペースシャワー列伝15周年記念公演 JAPAN TOUR 2016」に出演。同年3月にアルバム「DANCEABLE」でビクターエンタテインメントからメジャーデビューを果たした。