マーベル・スタジオの最新作「キャプテン・マーベル」が、3月15日に公開された。シリーズで初めて女性キャラクターを単独主人公に据えた本作は、記憶喪失の戦士ヴァースが、アベンジャーズ誕生の鍵を握るヒーロー“キャプテン・マーベル”として目覚めるまでを描くサスペンスフル・アクションだ。
ナタリーでは本作の公開を記念した特集を展開する。音楽ナタリーではマーベル好きを公言する夜の本気ダンスのマイケル(B)にインタビューを行い、映画をいち早く鑑賞した感想と、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の魅力をたっぷり語ってもらった。なお映画ナタリーではキャプテン・マーベルというキャラクターの魅力を徹底的に紹介している。
取材・文 / 中野明子 撮影 / 吉場正和
5秒で鳥肌
──まずは「キャプテン・マーベル」をご覧になった感想からお聞きできれば。
いやあ、よかったですね! マーベル作品はオープニングで「MARVEL」のロゴが出てくるじゃないですか。今回は特別な仕掛けがあって、始まって5秒で鳥肌が立ちました。毎回オープニングもめちゃめちゃ期待しているんですけど、今回のは特によかったです。映画自体もキャプテン・マーベルがどういうキャラクターなのかというのがわかりつつ、アクションも序盤からたくさんあって、ガンガン攻めてるなと。観ててワクワクしましたし、これからのMCU作品にどうやって絡んでいくのか期待してしまう内容でした。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」に出てくるキャラクターも登場すると聞いていたので、世界観が近いのかなと思って観てたらギャグ的な要素や音楽の使い方を含めて似てるなと。
──音楽もこだわりがあって、時代設定が1990年代なので当時アメリカで流行っていた楽曲が使われています。
そうそう。Nirvanaの「Come as You Are」がいいシーンで流れてたり。マーベル作品って音楽が鍵になることが多くて、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」だったら「オーサムミックス」というカセットが劇中で重要な役割を果たしたり、「キャプテン・アメリカ」では冬眠から目覚めた主人公のキャプテン・アメリカにファルコンが「時代に追い付くには、マーヴィン・ゲイの『Trouble Man』を聴きな」とアドバイスしたり。「ブラックパンサー」はケンドリック・ラマーが劇伴を手がけてるし。今作で言えば、キャプテン・マーベルが宇宙から落ちてきたあとに着替えた服が「NIN」って書かれたNine Inch NailsのTシャツだったり。
──あ、そこ気付きましたか。
はい。思わずニヤッとしました。そういう仕掛けも含めて音楽ファンも楽しめるんじゃないかな。
──キャプテン・マーベルというキャラクターについてはどうですか?
アクションが派手ですし、とにかくめちゃめちゃ強い! それと男前ですよね。フォトンブラストという技で腕からビームを出すとか、わかりやすくカッコいいのがいい。MCUには強いキャラクターがいっぱい出てきますが、キャプテン・マーベルはズバ抜けて強いと思います。最強じゃないかな。
──MCU作品を網羅しているマイケルさんの目から見ても?
はい。最強やからこそ、次の「アベンジャーズ/エンドゲーム」でどう登場するんだろうと思うところがあって。MCUは「アベンジャーズ/エンドゲーム」で一区切りというか、主要のキャストが卒業することが噂されてますけど、そのタイミングで新しい魅力的なヒーローが出てきたなと思いました。
ヒーロー映画のお手本のよう
──劇中で印象に残るキャラクターはいましたか?
猫のグースですね!
──グースはチラシでも主要キャラクターとして紹介されています。
パッと見、どこが重要かわかんないですよね(笑)。
──そこは映画を観てのお楽しみということで。
あとは若い頃のフィル・コールソンが出てきたのがよかったです。しかもコールソンがコールソンらしい行動をしているのがカッコいいなって。これまでの「アベンジャーズ」を観ている人は彼が戻ってきてうれしいでしょうね。
──印象に残ったシーンはありますか?
キャプテン・マーベルとして覚醒するところはすごかった。ずっと感情を抑えてパワーを出し切れていなかった彼女が、感情を解放して覚醒していく姿とかはヒーロー映画の手本みたいな流れやなってテンションが上がりました。
──「キャプテン・マーベル」とこれまでのマーベル作品の違いは感じましたか?
一番わかりやすいところでは「キャプテン・マーベル」がMCUの中では初の女性単独ヒーローであることですね。あとは偶然に力を手に入れてしまって、記憶もない状態で、混乱しながらヒーローになっていくというストーリーが深い。悪役とかだったらわかるんです。例えば、「スパイダーマン」のサンドマンやエレクトロとかは事故に巻き込まれて偶発的に力を入れてしまう。でもヒーローでは偶発的に力を手に入れるキャラクターはあまり多くなかった気がして。キャプテン・アメリカやアイアンマンは自ら力を欲して、手に入れていたから。そういうキャラクターが自分の運命を受け入れて、ちゃんと弱きを助け、敵に挑んでいく姿が魅力的でしたし、同時に人間味があるところもよかった。
──逆にこれまでのMCUとの共通点を挙げるとすると?
ヒーローがちゃんとヒーローたる動きをしてくれるところですね。あと、MCUの作品は全体的にシリアスになりすぎず、キャッチーさやポップさがあるのが魅力かなと思っていて。そこは一貫して通じるものが感じられました。
──「ヒーローがちゃんとヒーローたる動きをする」というのは具体的には?
映画「スパイダーマン」からの引用になりますけど、「大いなる力には、大いなる責任が伴う」ことをわかってるところ。自分の力の使い方を間違えない。それと人の痛みもわかってあげられること。
──それは完全無欠じゃないからこそ、の部分がありますよね。
そうなんです。キャプテン・マーベルは強いんだけど、複雑で悲しい過去を抱えていたり、そういうところも含めてヒーローっぽいなと観ながら感じました。
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僕はグルートに似てる
- 「キャプテン・マーベル」
- 大ヒット公開中
- ストーリー
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記憶を失ったヒーロー、キャプテン・マーベル。彼女の過去に隠された“秘密”が、恐るべき戦いの引き金となってしまう。自在に姿を変える正体不明の敵に狙われ、孤独や不安に打ちのめされても、彼女は不屈の精神で何度も立ち上がる。果たして彼女は記憶を取り戻し、この戦いを終わらせることができるのか? そして、最後につかむ“衝撃の真実”とは……? 禁断の記憶の謎を追う、サスペンスフル・アクションが幕を開ける。
- スタッフ / キャスト
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監督・脚本:アンナ・ボーデン、ライアン・フレック
製作:ケヴィン・ファイギ
出演:ブリー・ラーソン、ジュード・ロウ、サミュエル・L・ジャクソン、クラーク・グレッグほか
©Marvel Studios 2019
- 「S.H.Figuarts キャプテン・マーベル」
- 2019年3月30日発売 / S.H.Figuarts
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6480円
発売元:BANDAI SPIRITS コレクターズ事業部
対象年齢:15歳以上 - <S.H.Figuartsとは?>
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「可動によるキャラクター表現の追求」をテーマに、「造形」「可動」「彩色」とあらゆるフィギュアの技術を凝縮した手の平サイズのBANDAI SPIRITSが展開するスタンダードフィギュアシリーズ。
商品特徴:頭部は「魂のデジタル彩色」で再現する圧倒的なクオリティ。交換用頭部パーツや、エフェクトパーツが付属。
- 夜の本気ダンス(ヨルノホンキダンス)
- 米田貴紀(Vo, G)、鈴鹿秋斗(Dr)、マイケル(B)、西田一紀(G)からなる4人組ロックバンド。2008年に京都府で結成された。2014年2月にタワーレコード限定シングル「Bitch」を発表したのち、3月に初の全国流通ミニアルバム「DANCE STEP」をリリース。同年11月にアルバム「DANCE TIME」を、2015年にシングル「By My Side」を発売する。2016年2月から3月にかけてスペースシャワーTV主催のライブツアー「スペースシャワー列伝15周年記念公演 JAPAN TOUR 2016」に出演。同年3月にアルバム「DANCEABLE」でビクターエンタテインメントからメジャーデビューを果たす。9月に前ギタリストの町田建人がバンドを脱退し、10月に西田が加入する。12月に新体制後初の作品となるメジャー1stシングル「Without You / LIBERTY」を、2017年10月にメジャー2ndアルバム「INTELLIGENCE」を発表。2018年に結成10周年を迎えた。2019年6月5日には3rdアルバム「Fetish」をリリース予定。