米津玄師「Flamingo / TEENAGE RIOT」 PR

米津玄師|“終着点”のその先で見つめたもの

音楽ってもっと泥臭いものがあるはず

──「何度だって歌ってしまうよ どこにも行けないんだと」というフレーズも印象的です。

ここ最近、「米津玄師」というものがキャラクター化し始めてきたと思うんです。1人の人間というより、パブリックドメインみたいな観念的なものになってきている側面があって。「米津玄師ってあれでしょ? どこにも行けない人でしょ?」みたいな。

──その指摘はTwitterでかなりリツイートされていましたね。

そうそう。それはそれで俺はうれしいんですけどね。観念的なものになろうと思って生きてきたところもあるし、それはそれである種当然のことだなと思うんですけど、モヤモヤしたものも感じるわけであって。それに、今は初期衝動的なもの、周りを顧みずに自分の恥ずかしい部分をバッと外に出したようなものを「中二病」だとみんな思っているけれども、それも変わってきてるような感じがあって。

──と言うと?

今って、安易に人にツッコミを入れてマウントをとるような風潮がありますよね。「俺は冷静で、いろんなことを俯瞰で見れていて、自分の行動や目標に対して最善手を出すことができてます」という態度をとる。そういう態度こそが俺は中二病だと思うこともあって。

米津玄師(Photo by Jiro Konami)

──僕も、生きづらさとか過剰な衝動を「メンヘラ」とか「中二病」みたいな言葉で片付けようとする風潮はとても嫌いなんですよ。米津さんがその風潮に自己言及的な歌詞で返すというのは、とてもクリエイティブな反撃だと思います。

音楽って目標に向かって最短距離で、自分のみっともない部分を隠して、生産的に効率的に、スマートに生きていくようなやり方だけで成立するものじゃないんですよね。もっと泥臭いものがあるはずだと思うんです。自分の最近の扱われ方から考えたこととか、中学生だった頃の記憶とか、そういうものをごちゃまぜにして、ごった煮状態になった曲なのかなと思います。

──「Flamingo」がみっともなさの凝縮だとするならば、「TEENAGE RIOT」は青臭さの凝縮である、と。

そうですね。みんな自分のみっともない部分を出すのが怖いんだろうなって。それは俺も怖いです。でも、そういうぐずぐずした「馬鹿じゃねえ? こいつ」みたいなものが出てこないと人の心は動かない。ポップソングとして……もっと言えば音楽として成立しないと思うんですよ。みんなそういうものを隠そうとしすぎなんじゃないかと思う。そんな風潮に対して自分は否と言わなければならないという感覚はものすごく強くあります。

一寸先は闇だけど、だからこそできることがある

──カップリングの「ごめんね」も、やはり表題曲にしていいくらいのいい曲ですね。

この曲は自分も好きですね。作ってる途中から「これトリプルA面にしませんか?」って言ってスタッフを困らせたんですけど。これはゲームをきっかけにできたんです。「UNDERTALE」という、めちゃくちゃいいゲームで。ネタバレ厳禁みたいなところがあるんで詳しく話さないほうがいいんですけれど、すごくいいストーリーなんです。低予算で作られたドット絵のゲームで、だからこその没入感もあって。気がついた頃にはどっぷりハマってしまっていて、勝手にイメージソングを作るみたいなつもりで作りました。

──わかりました。では、最後に。このシングルをリリースした先のビジョンについてはどんなことを考えていますか?

今までずっと、普通にならなければならないっていうコンプレックスみたいなものがあったんですね。それは自分がポップソングを作るにあたって、すごく重要なものだったんです。でもそれが「Lemon」によってある種その思いが浄化したところがある。じゃあ次に何をやればいいのかってなったときに、何のロールモデルもないんですよ。人生の“第2部”をどうすればいいのかわからない。言わば、宮崎駿さんが絵コンテを書きながら作業を進めていて、制作スタッフの誰も映画がどこにたどり着くかわからないみたいなところに近いモードになってると思っていて。一寸先は闇だけど、だからこそできることがあるとも思っていますね。あえて今の自分に何か言えることがあるんだとすれば、何か未曾有なことがやりたい。今まで誰も見てこなかったようなところにたどり着きたいということは思います。そういう野望だけがぼんやり渦巻いてる状態です。

米津玄師(Photo by Jiro Konami)
ツアー情報
米津玄師 2019 TOUR / 脊椎がオパールになる頃
  • 2019年1月19日(土) 徳島県 アスティとくしま
  • 2019年1月20日(日) 徳島県 アスティとくしま
  • 2019年1月26日(土) 神奈川県 横浜アリーナ
  • 2019年1月27日(日) 神奈川県 横浜アリーナ
  • 2019年2月2日(土) 宮城県 セキスイハイムスーパーアリーナ
  • 2019年2月3日(日) 宮城県 セキスイハイムスーパーアリーナ
  • 2019年2月9日(土) 福岡県 マリンメッセ福岡
  • 2019年2月10日(日) 福岡県 マリンメッセ福岡
  • 2019年2月16日(土) 北海道 北海道立総合体育センター 北海きたえーる
  • 2019年2月17日(日) 北海道 北海道立総合体育センター 北海きたえーる
  • 2019年2月23日(土) 福井県 サンドーム福井
  • 2019年2月24日(日) 福井県 サンドーム福井
  • 2019年3月2日(土) 大阪府 大阪城ホール
  • 2019年3月3日(日) 大阪府 大阪城ホール
  • 2019年3月10日(日) 千葉県 幕張メッセ国際展示場4~6ホール
  • 2019年3月11日(月) 千葉県 幕張メッセ国際展示場4~6ホール
米津玄師(ヨネヅケンシ)
米津玄師
1991年3月10日生まれの男性シンガーソングライター。2009年より「ハチ」名義でニコニコ動画にVocaloid楽曲を投稿し、「マトリョシカ」をはじめ数々のヒット曲を連作。2012年5月に本名の米津玄師として初のアルバム「diorama」を発表した。楽曲のみならずアルバムジャケットやブックレット掲載のイラストなど、アートワーク面でも才能を発揮。マルチな才能を有するクリエイターとして注目を集めている。2013年5月、シングル「サンタマリア」でメジャーデビュー。2014年4月に米津玄師名義としては2枚目のアルバム「YANKEE」を発表し、6月には初ライブにあたるワンマン公演「Premium Live 帰りの会」を東京・UNITで開催した。2015年10月に3rdアルバム「Bremen」をリリース。2017年2月にはテレビアニメ「3月のライオン」のエンディングテーマ「orion」を、6月にはテレビアニメ「僕のヒーローアカデミア」のオープニングテーマ「ピースサイン」をそれぞれシングルとして発表。8月にはアニメ映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」主題歌「打上花火」の作詞・作曲・プロデュースを担当した。11月に菅田将暉や池田エライザなどが客演として参加した4thアルバム「BOOTLEG」をリリース。アルバム発売日から年をまたいで行われたワンマンツアー「米津玄師 2017 TOUR / Fogbound」の追加公演は東京・日本武道館で2DAYS開催され、いずれの日程のチケットもソールドアウトした。2018年3月にTBS系金曜ドラマ「アンナチュラル」の主題歌「Lemon」を表題曲とするシングルを発売し、今作はシングル出荷枚数とダウンロード数を合わせてダブルミリオンセールスを突破するヒットを記録する。10月にはニューシングル「Flamingo / TEENAGE RIOT」を発表。2019年1月からは、地元・徳島での公演を皮切りにアリーナツアー「脊椎がオパールになる頃」を実施する。