山根万理奈「愛のme」 PR

山根万理奈|ファンのリクエストを形に 健やかに生まれた新作「愛のme」

山根万理奈が8枚目となるオリジナルアルバム「愛のme」を3月6日にリリースした。

アルバムには、ファンからリクエストされたテーマや、地元・島根の企業とのタイアップなどをきっかけに生まれた全14曲を収録。年間100本を超えるライブで蓄えた地力が注ぎ込まれた本作は、デビューから8年を経てもなお新たな可能性を提示し続ける彼女のポテンシャルを感じさせる仕上がりとなっている。

アルバムのリリース後は70本ものライブを行い、9月1日には今年で3度目となる島根県・松江プラバホール大ホールでのワンマンを控える山根にじっくりと話を聞いた。

取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 関口佳代

健やかで“歌ってhappy!”

──デビュー以来、コンスタントに毎年1枚のペースでアルバムをリリースされている山根さんですが、今年も新作「愛のme」がリリースされました。

山根万理奈

ここ最近、ファンの方からいただいたテーマをもとに曲を書いていくということをしているんですよ。

──アルバム制作費や活動資金を募っているクラウドファンディングの特典として、ですよね。

そうです、そうです。で、そういう曲作りのスタイルを取り入れるようになってからアルバムとしてはもう3枚目になるんですけど、それによって自分の中にある新しい引き出しをどんどん開けてもらっているし、シンガーソングライターとしてものすごく鍛えられてきたと思うんです。さらに曲のアレンジに関しては前作(2018年4月リリースの「海とダイヤ」)から引き続き、同郷の別府(克彦)さんにお願いしたことで、制作におけるチームワークがまた一段上がった実感もあって。なので大きなベクトルとしてはこれまでのアルバムと同じ感じではありつつも、今まで以上に洗練された作品に仕上がったんじゃないかなと思っています。

──「山根万理奈史上最もハートウォーミング」というご自身でのつぶやきもありましたが、まさに本作には温かな空気が満ちていると思います。日常に寄り添って、そっと元気を与えてくれるというか。今、どうしてそういうアルバムができたのだと思いますか?

そこは今までの積み重ねだと思うんですよね。もともと、そういうコンセプトで作ろうと思っていたわけではないけど、結果としてそういう曲が出そろいました。活動の環境だったり、人との関わり方だったり、曲との向き合い方だったり、それらの積み重ねで今そういうタイミングが来たということだと思うんです。

──山根さんの心は今、すこぶる健やかなんでしょうね。

あははは(笑)。健やかっていいですね。だって活動を続けられてることがまずホントにありがたいことですから。日々楽しんで、“歌ってhappy!”な状態でずっと続けてこれているので、それはその通り。健やかだと思います(笑)。

山根万理奈の気持ちを書いてほしい

──収録曲に関してはテーマを与えられたものではなく、ご自身の中でゼロから生まれたものもあるんですか?

ちょこちょこ書き溜めてはいるんですけど、まだ発表できる形には持っていけていないんですよ。なおかつ、ファンの方からのリクエストに応えた曲を早くお返ししたい気持ちもありますからね。なので、今回はテーマありきで作った曲ばかりになりました。「島根県産きぬむすめの唄」のような地元島根の企業とのCMソングなんかも含めて。

──なるほど。ただ、アルバムの中には山根さんご自身の気持ちが強く出ている曲もありますよね。そういった曲もいただいたテーマから導かれたものなんですか?

そうそう。ファンの方から「山根万理奈の気持ちを書いてほしい」みたいなリクエストもあるんです。なので、テーマがあるとはいえ、結局は自分が強く投影される曲になってきたりもするんですよね。今回で言えば、最後の「また逢える日まで」なんかがそうですけど。

──テーマによっては曲に落とし込むのが大変なものもありそうですよね。

テーマごとにいろんな主人公になって曲が書けることは面白いんですけど、確かに難しいものもあります。2曲目の「今が永遠」という曲はちょっと苦戦しましたね。リクエストとしていただいたテーマは「永遠を肯定してほしい」というものだったんですよ。

山根万理奈

──それは確かに難易度が高そう。人生は有限であるがゆえに「永遠はない」という認識を持つ人が多いですからね。

そうなんですよね。私自身が永遠に対して思っていることも当然あるし、でもリクエストされた方の希望にはちゃんと添いたいわけで。そこで私の中の嘘偽りのない思いを曲に落とし込むにはどうしたらいいんだろうという部分でものすごく悩みました。

──結果として、着地点はタイトルに込められている感じですよね。

はい。そのまんまですけど、「今が永遠なんだよ」って私は思うんですよ。だから、いろんな永遠の捉え方があると思うけど、「私はこう思うよ」ということを書きました。死んでしまったら終わりなので、今の永遠を一緒に過ごそうよという思いを込めて。

──僕はこの歌詞がアルバムの中で一番好きでした。すごく素敵だと思います。

あ、ホントですか? この歌詞はどう受け取られるかなってすごく気になっていたので、その感想はうれしいです。

──この曲は途中でサウンドがガラッと変わるパートもあったりして。そういう面白さもありました。

急にちょっとピコピコした電子サウンドが入ってきますからね。私が作ったデモはアコギの弾き語りなんですけど、この曲のアレンジに関しては自分の中にあるイメージをあえて別府さんにお伝えはしなかったんですよ。でも、別府さんから上がってきたものは自分のイメージにすごく近いもので。ちゃんと伝わっててよかったなと思いました。

──前作があったからこそ言葉にせずともイメージの共有ができたんでしょうね。

そうだと思います。ただ、2番の頭で声にオートチューンをかけるっていうアイデアは自分にはないものでしたけど(笑)。現場でアイデアを出し合い、いろいろ試しながら一緒に作り上げていく作業はすごく面白いですね。