WEAVER|すべてを肯定するベスト&新作が示す3人の“これから”

欲張らない制作

──小説をもとに音楽を作ることで、サウンド、アレンジ、演奏の幅も広がったのでは?

奥野翔太(B, Cho)

奥野 そうですね。今までは「この1曲にすべてを詰め込む」ということがけっこうあったんです。1曲の中にいろんな要素を入れようと欲張って、結果的に混雑しちゃったり。今回のアルバムはそうじゃなくて、サウンド的にも「この曲では、こういうテイストを押し出そう」という方向性がハッキリしていたんです。「この曲は生のピアノじゃないほうがいい」とか「ドラムはすべて打ち込みで、ストリングスを入れる」というアレンジもあって、確かに幅は広がったのかもしれないです。1曲ごとではなくて、アルバム全体で世界観を作ることで、いろんな要素をバランスよく詰め込めたというか。

──単に「打ち込みでやりたい」というだけではなくて、そういうアレンジにする明確な理由があった。

奥野 はい。ゲストボーカルを迎えた曲(「栞 feat.仲宗根泉(HY)」)もそうで、小説に登場する2人を表現するために、「女性ボーカルに参加してもらおう」ということになったので。HYは以前から大好きなバンドだし、杉本とひーでさん(新里英之 / HY)が弾き語りライブで一緒にやったこともあったし、去年リリースされたHYのトリビュートアルバム(「CHANPURU STORY ~HY tribute~」)にも参加させてもらって。そこからの物語があるんですよね。

──アルバムの最後に収録されている朗読(「流星コーリング ~Prologue~ feat. 花澤香菜」)については?

河邉 3月16日に朗読音楽会(花澤香菜を迎えた朗読劇と共に、WEAVERがアルバム「流星コーリング」の楽曲を演奏するイベント)もあったんですが、アルバムを聴いてくれた人が小説に戻ってきてくれるといいなと。小説の中の言葉を歌詞に使ったり、小説では描いてなかったシーンを歌詞に入れたり、いろんな仕掛けを隠してあるんですよ。繰り返し読むことで発見もあるだろうし、後々、「これは気付いた?」という答え合わせもファンの皆さんと一緒にやってみたくて。

杉本 形に捉われないで表現していきたいという話もしていて。今回は音楽と小説ですけど、映画やミュージカルとしても成立すると思うし、いろいろなメディアに広げていけたらなって。

河邉徹(Dr, Cho)

河邉 「流星コーリング」に出てくる「人工流星」は実際の話(人工衛星から金属球を打ち出して流れ星のように見せる技術を開発するベンチャー企業が、2020年に広島・瀬戸内地域で「人工流れ星」の実験を行う世界初のプロジェクト)なので、そのタイミングで何かできないかなとか……まだ何も決まってないんですけどね(笑)。

リスタートを切って答えを探す

──アルバムのツアーはどうなりそうですか?

杉本 これまでのツアーとはかなり雰囲気が違うと思います。キーになるのは“言葉”だと思うので、「流星コーリング」の中にある言葉を使った演出も考えていて。小説を読んでない、アルバムを聴いてない人にも楽しんでもらえる内容にしたいと思ってますが、できれば読んだり聴いたりしてから来てほしいですね。

──「流星コーリング」を作り上げたことで、この先、活動を続けていく手がかりもつかめたのでは?

杉本 そうですね。今回のアルバムは、まったく媚びることなく、すごくピュアに作れたんです。もちろん今の音楽シーンのことを意識はしているので、この先具体的に何をやるか話し合う段階ですね。

奥野 時代と共に音楽の在り方が変わってきて、バンドという枠も広がっていると思っていて。いろんなやり方があると思いますが、その答えの1つが「流星コーリング」じゃないかなと。同じようなやり方もいいし、別の形でもいいと思うんですが、この先のWEAVERにとってすごい財産になると思いますね。

河邉 まだリリースされたばかりなので、ドキドキしてるんですよ(笑)。小説も音楽もしっかり時間をかけて作ったし、自信を持っているからこそ、どう受け取ってもらえるかが気になって。その反応によってこれからの活動も変化してくるんじゃないかな。

杉本 まずはここで仕切り直せたというか、リスタートが切れた感じがあるのはよかったなって。10年続けてきて、この先、20年、30年やっていきたいという意志も強くなってるんです。簡単に「一生続けます」なんて言えないですけど、この3人で音楽をやっていきたいという気持ちはすごくあるし、その中で自分たちの答えを探していきたいですね。

ツアー情報

WEAVER 14th TOUR 2019「I'm Calling You~流星前夜~」
  • 2019年3月23日(土)愛知県 DIAMOND HALL
  • 2019年3月24日(日)大阪府 BIGCAT(※SOLD OUT)
  • 2019年3月31日(日)東京都 マイナビBLITZ赤坂(※SOLD OUT)
WEAVER "ID 2" TOUR 2019「I'm Calling You~流星ループ~」
  • 2019年7月7日(日)千葉・KASHIWA PALOOZA
  • 2019年7月13日(土)三重県 CLUB ROOTS
  • 2019年7月14日(日)奈良県 奈良NEVER LAND
  • 2019年7月27日(土)神奈川県 F.A.D YOKOHAMA
  • 2019年8月3日(土)静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠
  • 2019年8月10日(土)香川県 DIME
  • 2019年8月12日(月・振休)広島県 広島CLUB QUATTRO
  • 2019年8月17日(土)長野県 NAGANO CLUB JUNK BOX
  • 2019年8月18日(日)新潟県 GOLDEN PIGS RED STAGE
  • 2019年9月1日(日)京都府 KYOTO MUSE
  • 2019年9月7日(土)北海道 札幌KRAPS HALL
  • 2019年9月14日(土)福岡県 DRUM Be-1
  • 2019年9月15日(日)熊本県 熊本B.9 V2
  • 2019年9月21日(土)宮城県 SENDAI CLUB JUNK BOX
  • 2019年9月22日(日)福島県 郡山CLUB #9

※チケット情報は後日発表

WEAVER
小説「流星コーリング」刊行記念特集 河邉徹×伊東歌詞太郎 対談公開中!
WEAVER「流星コーリング」
2019年3月6日発売 / A-Sketch
WEAVER「流星コーリング」

[CD] 3024円
AZCS-1076

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Apple Music

iTunes Store

収録曲
  1. Overture ~I'm Calling You~
  2. 流れ星の声
  3. 最後の夜と流星
  4. Interlude I
  5. 栞 feat.仲宗根泉(HY)
  6. Interlude II
  7. Loop the night
  8. Nighty Night
  9. 透明少女
  10. I would die for you
  11. 流星コーリング ~Prologue~ feat. 花澤香菜
WEAVER「ID 2」
2019年3月6日発売 / A-Sketch
WEAVER「ID 2」初回限定盤

初回限定盤 [CD+DVD]
3996円 / AZZS-82

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WEAVER「ID 2」通常盤

通常盤 [CD]
3024円 / AZCS-1075

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iTunes Store

CD収録曲
  1. くちづけDiamond
  2. Beloved
  3. Boys & Girls
  4. KOKO
  5. S.O.S.
  6. Shake! Shake!
  7. 海のある街
  8. Another World
  9. だから僕は僕を手放す
  10. Photographs
  11. 僕のすべて
  12. Hello Future
  13. Tonight
  14. カーテンコール
初回限定盤DVD収録内容
  • くちづけDiamond
  • KOKO
  • Beloved
  • Boys & Girls
  • S.O.S.
  • Shake! Shake!
  • Another World
  • カーテンコール
河邉徹「流星コーリング」
2019年3月6日発売 / KADOKAWA
河邉徹「流星コーリング」

単行本 1620円

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Kindle版 1500円

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WEAVER(ウィーバー)
WEAVER
杉本雄治(Vo, Piano)、奥野翔太(B, Cho)、河邉徹(Dr, Cho)の3人からなる兵庫・神戸出身のスリーピースバンド。2004年に高校の同級生同士で結成され、2007年に現在の編成に。2009年10月に配信限定シングル「白朝夢」でメジャーデビュー。2010年2月にメジャー1stミニアルバム「Tapestry」を発売したのち、同年8月と9月には亀田誠治をプロデューサーに迎えたアルバム「新世界創造記」を前編と後編に分けて発表した。2014年1月末からは半年間のロンドン留学を経験。メジャー10年目に突入する2019年3月6日にはベストアルバム「ID 2」、ニューアルバム「流星コーリング」、河邉の書き下ろし小説「流星コーリング」が発表された。3月から東名阪ツアー「WEAVER 14th TOUR 2019『I'm Calling You~流星前夜~』」を実施する。