WANIMA|まだまだこれから!!さまざまな出会いが生んだ2ndアルバム

WANIMAが2ndアルバム「COMINATCHA!!」(カミナッチャ)を完成させた。本作にはアサヒ飲料「三ツ矢サイダー」のテレビCMソング「夏のどこかへ」や映画「ONE PIECE STAMPEDE」の主題歌「GONG」といった映画やCMとのコラボレーション曲と言える楽曲や関ジャニ∞に提供した「ここに」のセルフカバー、すでにライブで披露されて、ファンがシンガロングすることが恒例となっている「りんどう」などが収録されている。もちろん、今作で初めて披露される新曲も、ただただ楽しく聴ける曲から挑戦を感じる新機軸まで幅広く、子供にも大人にも愛されている彼らならではのラインナップだ。3人の生き様や地元・熊本といったルーツは大切に生かしつつ、ぐんぐんつながりを広げている彼らの今を誠実に映し出した1枚が完成するまでについて、メンバー3人にじっくり話を聞いた。

取材・文 / 高橋美穂 撮影 / 伊藤元気

人として成長していけば、曲も成長していくはず

──前作「Everybody!!」から約1年9カ月ぶりのアルバムです。この期間をどう過ごしていましたか?

KENTA(Vo, B) 変わらずライブしたり、曲を創ったり、バンドばっかりやっていました。

──KO-SHINさんはどうでしたか? 実感している変化はありますか?

KO-SHIN(G, Cho)

KO-SHIN(G, Cho) 自分では、全然変われていないと思っています。

KENTA それはかなり問題やな!!

KO-SHIN なので、より一層変わらないといけないなという気持ちが強いです。

KENTA KO-SHINだけに、“更新していきたい”ということが言いたいんだと思います。

KO-SHIN やっぱり、アップデートしていかないと。

──(笑)。KO-SHINさんはどういうところで“変わらないといけない”と思うのでしょうか?

KO-SHIN 変わらないといけないというのは、曲に関してではなく、人間的にってことだと思います。曲にはやっぱり創る人、演奏する人の人間性が出ると思います。だから人として成長していけば、曲も成長していくはず。そして毎回ですけど、誰が聴いても、その曲に入り込めるようなものにしたいと思っています。聴いてくれる人がその曲をいいなと思ってくれることが曲を創るうえでの大前提なので、個人的なこだわりとかは、音を聴いて判断してほしい。

──FUJIさんはいかがでしたか?

FUJI(Dr, Cho) 自分の愚かさに気付く毎日です。

──え!?

FUJI それをアップデートしていかないと。

KENTA 今FUJIが言ったことは、まだまだやれるんだよっていうことだと思います。

いろんなWANIMAがいると感じられる

──リスナーからすると、CMソングや映画の主題歌、さらには歌番組への出演など、ライブ以外でもWANIMAの音楽を耳にする機会がより増えた期間だったと思います。そんな中で制作された「COMINATCHA!!」ですが、どんなアルバムに仕上がったと思いますか?

KENTA 今言っていただいたように、いろんな入り口が多い分、僕たちが本当に伝えたいことが間違って届いたら嫌だなと思っていたので、それを踏まえてアルバムには今一番伝えたいことを込めた15曲をそろえました。今一番伝えたいことを作品に込めるというのはずっと僕たちがやってきたことではあるんですけど、いろんなWANIMAがいると感じられるアルバムです。

KO-SHIN 僕は「これぞWANIMA!!」という1枚になったと思います。新しい音色を取り入れた変化球みたいな曲もあるんですけど、でも結局それもWANIMAになっている。幅広く聴いていただきたいと思っているので、サブスクで聴き始めて、気に入ってCDを買っていただけたらうれしい。歌詞カードも見てほしい。その人のタイミングで、環境で聴いていただけたらなと思います。

FUJI 毎作毎作ですけど、今回は15曲、いろんな曲が入れられたので、その分多くチャレンジできましたし、それがWANIMAの表現したい形になったと思います。あとはどの曲も、聴いてくれる人のことを想いながら、その想いを絶やすことなくできあがりました。もちろん、その手前で自分たちがグッとくるということは大事にしていますけど。

温度が伝わるように何度も入れ替えた曲順

──15曲という収録曲数にも驚きました。ライブなどでお忙しかったと思うのですが、よくこれだけたくさんの楽曲を作りましたね。

KENTA 練習場所に入ったら自然と曲を創ります。僕たちの活動のスタイルとしては、SNSで小まめに写真をあげたり、ツイートしたりとか、そういうことじゃなくって、まずお客さんと音楽で出会ったなら音楽で応えたい。新曲を創りライブをする。それがWANIMAがやるべきこと、そしてあるべき姿やと思います。

──とはいえ、ライブや制作以外の活動も多いですよね。

WANIMA

KENTA テレビやラジオに出ることも、音楽を届けるため、自分たちに気付いてもらうためにやっています。たくさんの人に音楽を届けたくてずっと制作やライブ以外の活動もしていて、曲の聴き方や選び方は、お客さんの自由だと思っています。その中で、自分たちがどう届けるか。

──シングルもコンスタントにリリースしていた中で、アルバムを見据えたのは、いつ頃だったんでしょうか?

KENTA シングルも1つの作品だと思ってやっているので、「シングルを創る」という意識ではないんです。アルバムなのかシングルなのかはあまり関係ないですね。

FUJI 「Everybody!!」を発売して、「Drive」を配信で出した(2018年5月)あたりには、「アルバムも出したかね!!」という話がチームの中にありました。

KENTA 「Everybody!!」ツアーの中盤から、このアルバムに入っている「りんどう」はやっていました。

──「COMINATCHA!!」というタイトルに関しては、どんな意味を込めましたか?

KENTA 響きがいいなあというのと、「COMINATCHA!!」って“襲い掛かる”とか“カッコいい”という意味もあって。それがすごくWANIMAっぽいなと思って名付けました。

──「Everybody!!」もですけど、響きを大事にしていますよね。

KENTA そうですね。SNSとかで“#カミナッチャ”って見たら、カミナッチャって何だろう?って僕も思います。

──また、15曲も入っていますけど、アルバムの流れがいいから、するっと聴けますね。この曲順でやるライブを観てみたいくらいです。

KENTA 曲に込めた温度が冷めずに伝わるように、アルバムの流れも考えました。メンバーとスタッフさんとで、ああでもない、こうでもないって、何度も曲順を入れ替えたりしました。