ゲスの極み乙女。「uP!!!NEXT SPECIAL EDITION 2020」|オンラインで大集会! ゲス乙女と“忘年会”しましょう

ゲスの極み乙女。が2020年12月6日(日)、初のオンラインライブ「uP!!!NEXT SPECIAL EDITION 2020 ゲス乙女大集会 -大忘年会アリーナ編-」を開催する。「uP!!!NEXT」はぴあとKDDIが手がけるエンタメサービス「uP!!!」によるショーケースライブ。ゲスの極み乙女。は2014年10月に行われた「ゲスの極み乙女。ワンマンライブ uP!!!NEXT VOL.9~ゲスはすごいよ~」以来6年2カ月ぶりの登場となる。音楽ナタリーでは本企画の開催を記念し、川谷絵音(Vo, G, Syn)と休日課長(B)にインタビュー。「ゲスにしかできない配信ライブになるはず」という今回のライブについて語ってもらった。

取材・文 / 森朋之

「35年後に一番売れる」と言われて絶望

──2020年12月6日(日)にオンラインライブ「uP!!!NEXT SPECIAL EDITION 2020 ゲス乙女大集会 -大忘年会アリーナ編-」が開催されます。ゲスの極み乙女。が「uP!!!NEXT」のイベントに出演するのは約6年ぶりですね(参照:ゲスの極み乙女。新曲満載“すごい”ライブ実施)。

川谷絵音(Vo, G, Syn) 前回のライブ、すごく覚えてますね。今もメインで使っている赤いセミアコを初めてステージで鳴らした日なので。

休日課長(B) あ、そうなんだ。

川谷 ドキドキしながら弾いたので、たぶん一生忘れないです(笑)。

休日課長 僕はけっこう、いっぱいいっぱいでしたね。豊洲PITでライブをやるのも初めてだったし。

川谷 まだオープンしたばっかりだったよね、確か。

ゲスの極み乙女。「uP!!!NEXT VOL.9~ゲスはすごいよ~」の様子。(撮影:岩佐篤樹)

──しかも1stフルアルバム「魅力がすごいよ」リリース前日のライブだったんですよ。

川谷 ちょうどメジャーデビューした時期ですね。課長が会社員を辞めたばかりで。

休日課長 状況がめまぐるしく変わりすぎて、なんとかついていってる状態でした。

川谷 あと、メジャーデビューに合わせて急に知り合いが増えた頃だったね(笑)。

──2014年のライブは無料招待だったんですが、3000人の定員に対して、応募が2万5000通あったとのことで。急激に注目度が上がった時期ですね。

川谷 でも20代半ばだったし、バンドを取り巻く状況は全然把握してなかったです。僕も2013年までアルバイトしてましたからね。「楽しければいい」という感じだったんじゃないかな、たぶん。バンドの目指すビジョンも特になかったし、まだフワフワしていたというか。もちろん「こういう曲を作りたい」というものはあったんだけど、「10年後どうなっていたいか?」みたいなことはまったく考えてなかったし、メンバーと話したりもしてなくて……ゲッターズ飯田さんに「35年後に一番売れる」って言われて絶望しそうになったのは覚えてるけど(笑)。

今はいろいろ試す“通過点”っぽい感じ

──その後ゲスの極み乙女。はヒット作を出し続け、アリーナクラスのバンドとなって。今年も6月にニューアルバム「ストリーミング、CD、レコード」をリリースしましたが、レコ発ツアーは中止や延期を余儀なくされました。

川谷 そうですね。その後、新曲作りは何回かやったんですけど、顔を合わせる時間が少なすぎて。

休日課長 ほとんど会ってないよね。

川谷 今はそういう時間も大事だったなと思いますけどね。「1年中ライブをやって、曲を作って」という生活をずっと続けていたし、ゆっくり考える時間もなかったですから。制作に関しては……今年はindigo la Endのアルバムをずっと作ってたんですよ。10周年だったし、indigoの活動に力を入れた年だったのかなと。休んでたわけではないけど、ライブやフェスがなかった分、テレビやアニメを観たりもできたし。あと、いろんなお店でごはんをテイクアウトするのに忙しかったです(笑)。

川谷絵音(Vo, G, Syn)

──(笑)。川谷さんは新プロジェクト「美的計画」を立ち上げたり、Kizuna AIと花譜のコラボ曲「ラブしい」を手がけたり、制作はずっと続いてますよね。新しい音楽もチェックしてました?

川谷 連載(※NIKKEI STYLEの音楽批評記事「ヒットの理由がありあまる」)をやってるので、聴かざるを得ないんですよ。でも先輩ミュージシャンと話していても、キャリアが長い人ほど「最近新しい音楽をあまり聴いてない」という人が多いので、無理にでも新しい音楽を聴けるのはいいことなのかなと。評論家みたいに見えちゃうのはイヤなんですけど、もともとJ-POPのヒットランキングを調べて音楽を聴いてきたので、面白いですよ。

──休日課長はどうですか? 先日、レシピ本(「ホメられるとまた作りたくなる!妄想ごはん」)を出版しましたが……。

川谷 イジられてますよ(笑)。

休日課長(B)

休日課長 音楽のインタビューでレシピ本に触れるということは、軽くディスられてるかも(笑)。

──いやいや(笑)。

休日課長 まあレシピも考えつつ(笑)、ベースをじっくり弾く時間はけっこうありました。コントラバスの練習もかなりできたし、弦に対して指をどう当てるか?みたいなことも自分なりに研究して。今後のレコーディングやライブで生かしたいですね。

──なるほど。メンバー同士、連絡は取り合ってたんですか?

川谷 いや、そんなには。自粛期間中はひと言も交わしてないですね。ファンクラブ限定ブログでちゃんMARI(Key)がベランダで植物を育ててることを知ったり(笑)。

休日課長 ほな・いこか(Dr)の役者仕事もWebニュースで知ったりね。

──この先のビジョンについてはどうですか? 9月にリリースされた新曲「YDY」も素晴らしかったし、音楽的な充実度はさらに増していると思うのですが。

川谷 今後の方向性はそんなに考えてないです。「ポップな存在でいないと」という感じもないし、とりあえずいろんなことをやってみて、何か見えてくるといいなって。今は通過点っぽい感じかもしれないですね。「YDY」を作ったことで、ちょっとわかったこともあったし。

──「わかったこと」とは?

川谷 言葉にはしづらいんですけど、「ああでもない、こうでもない」って続けることが大事なのかなと。とは言いつつ「YDY」はそこまで制作に時間が取れなかったんですけどね。1日で作って、次の週に1日で録ったし。じっくり向き合ったというより、その場で出てきたものを形にした感じなので。なんというか、新しい方向性を示すだけなら簡単なんですよ。とにかくやってないことをやればいいだけだから。でも、それだけじゃダメなんですよね。特に僕の場合、とりあえず出してから考えるタイプなので、20回失敗して21回目にやっと成功する、みたいな感じで。もちろんいい曲だから発表しているんですけど、リスナーがどう受け止めるかは別の話ですからね。