上坂すみれ「地獄でホットケーキ」「祈りの星空」 PR

上坂すみれ|地獄と星空、春アニメED2曲のコントラスト

上坂すみれが歌う今春放送のテレビアニメ2作品のエンディングテーマが、配信シングルとして同時にリリースされた。1つは上坂がシリーズ全作品通して関わる「鬼灯の冷徹」の“第弐期 その弐”エンディングテーマ「地獄でホットケーキ」。もう一方の「祈りの星空」は、上坂にとって初参加となる「蒼天の拳」シリーズの最新作「蒼天の拳 REGENESIS」のために作られた楽曲だ。今回のインタビューではこの2曲にまつわるエピソードと共に、夏に発売を予定している3rdアルバム(タイトル未定)の話題や近況について語ってもらった。またページ後半には撮り下ろし写真のフォトギャラリーを掲載している。

取材・文 / 臼杵成晃 撮影 / 塚原孝顕

地獄なら実績があるので

──上坂さんは「鬼灯の冷徹」に声優として参加しながら、全シリーズでエンディングテーマを担当しています。

キャラクターソングじゃなく4曲も歌っているアニメはほかにないので、同じ作品の歌を何年にも渡って担当するのは意味のあることだと思いますし、すごくありがたいですね。

──ほかの作品とも違った愛着がある?

上坂すみれ

そうですね。それに「鬼灯」はどんな曲調でも合うおおらかな世界観で、地獄がテーマであればあとは自由なので、やりやすさもあります。

──確かに、上坂さんが歌うエンディングテーマはどれも同じ作品、同じ人にもかかわらず、曲調はバラバラで。これは少し珍しいかもしれません。アニメ製作サイドから曲調に関する具体的な指示はないんですか?

毎回曲を作ってくださる方も違いますし、その方の特性によるところが大きいです。でも地獄ってすごく強いテーマなので、曲調が違ってもそこでつながるんですよね。

──普通ならポップスをやるうえで地獄というテーマはアクが強すぎて扱いにくいものだと思うんですけど……。

確かに。でもこれが“青春”とかならもっと広くぼやけますけど、地獄だとかわいかろうが激しかろうが地獄になるので、意外とまとまりやすいテーマなんです。

──上坂さんにとってはむしろ得意なテーマだと。

はい。青春は苦手ですけど、地獄ならけっこう実績があるので。

野猿テイストを

──現在放送中の“第弐期”は4月に2クール目の“その弐”が始まりました。“その壱”のエンディングテーマ「リバーサイド・ラヴァーズ(奈落の恋)」はどんより曇ったテクノポップでしたが、“その弐”のエンディングテーマ「地獄でホットケーキ」はイナたい歌謡ディスコのような趣で。今回はどうしてこの曲調に?

年末年始に突発的に野猿にハマったんです。野猿の曲をたくさん集めていて、ちょうどその頃に曲作りを進めていたので、なんとなく「野猿のテイストを入れてほしい」という話をした覚えがあります。

──ちょうど先日、「とんねるずのみなさんのおかげでした」の終了に合わせてひさびさに野猿が集結していましたけど(参照:野猿が今夜「とんねるずのみなさんのおかげでした」出演)、年末年始にはそんな話もありませんでしたよね。なぜそのタイミングで野猿を?

一応リアルタイムで観ていたはずなんですけど、全然覚えていなくて。ある日なんとなく聴いてみたら、いい曲ぞろいだったんですよ。

──野猿の音楽やキャラクターは、上坂さんの普段の趣味趣向とけっこう離れているイメージですけど。

秋元康さん作詞のほろ苦ソングだったり、非常に親しみやすい音楽なんです。どんな活動をしていたのかは存じ上げないんですけど、曲がよかったので。特に「Fish Fight!」(2001年2月発売のラストシングル。作詞は秋元康、作・編曲は後藤次利)という曲が大好きで。歌手が本業ではない人の歌声がマッチしていていいんです。「ハイスクールララバイ」(フジテレビ系バラエティ番組「欽ドン!良い子悪い子普通の子」から派生した、山口良一、西山浩司、長江健次によるユニット・イモ欽トリオによる1981年のヒット曲。Yellow Magic Orchestra全盛期の細野晴臣が作・編曲を手がけたことも話題となった)的な、おおらかテクノポップと言うか。

──ああ、なるほど。そう言われると確かに野猿テイストは盛り込まれているかもしれないですね。

私もああいう属性の歌い手なので、どこか近しいものを感じるんです。

コンペのテーマは“地獄”と“野猿”

──単に野猿テイストの曲を歌いたかったんですか? それとも「鬼灯」で歌う次の曲ということも考えて?

後者です。「鬼灯」もキャラはカッコよかったり美しかったりするけど、すごくまっとうなコメディで。格の高いコメディと言いますか、お下品に笑わせるのではなく、ご時世のジョークで笑わせるような作品なので、ウイットに富んだコメディソングが合うと思ったんです。私が演じているマキちゃん(ピーチ・マキ)として歌った「キャラメル桃ジャム120%」(参照:地獄の沙汰&ピーチ・マキ、1stアルバム発表)もちょっとそういうテイストがあったし、もしかしたら合うんじゃないかなって。

──「野猿のテイストを入れてほしい」とオーダーしたときのディレクターや作家さんの反応は?

上坂すみれ

どうだったかわからないですけど、ちゃんと「野猿」でコンペを行ったそうです。きっと大変だったでしょう(笑)。

──「上坂がそう言ってるから」と。

たぶん(笑)。クリエイターさんがどのように受け止めてくれたかは謎です。

──「“地獄”と“野猿”で曲を作ってください」とだけ言われても普通は困りますよね(笑)。作詞は桑原永江さん、作曲は渡部チェルさんですけど、お二人はいったいどう受け止めたのか。ただ、今の話を聞いたあとだと意外にちゃんと“地獄”と“野猿”が入っているような気がします。

そうですよね。ちゃんと野猿の皆さんが歌っても成立しそうな。それでいて「鬼灯」っぽさもあって、かわいさもあって。1クール目とはまた違った雰囲気でよいのではないかと思います。まだエンディングの映像を観ていないので(取材は3月上旬に実施)、どんな絵が付くのか楽しみですね。

──今おっしゃった「鬼灯っぽさ」とは、上坂さんはどんなものだと考えていますか?

ちょっと前時代的、かつシュールで元気な感じと言うか……「君に、胸キュン。」(Yellow Magic Orchestraが1983年3月に発表したヒット曲。それまでの無機質なイメージから一転、さわやかに歌い踊るメンバーの姿が大きな衝撃を与えた)的な、空元気で顔が死んでるみないな(笑)。

──なるほど(笑)。「地獄でホットケーキ」を聴いていて、歌い回し、しゃくり具合がすごく印象に残ったんですけど、これはご自身でも意識してそうしたんですか?

「喉に力を入れて、がんばって歌ってください」というディレクションがあったので、いっぱいしゃくって、がんばって歌ってる感じにしてみました。

上坂すみれ「地獄でホットケーキ / 祈りの星空」
2018年4月9日配信 / KING RECORDS
上坂すみれ「地獄でホットケーキ」
上坂すみれ(ウエサカスミレ)
上坂すみれ
ソビエト社会主義共和国連邦が崩壊した1991年生まれの声優、アーティスト。小学生時代よりジュニアモデルとして活動し、2012年テレビアニメ「パパのいうことを聞きなさい!」の小鳥遊空役で本格的に声優デビューを果たす。以来、注目作に出演する一方でメディアやイベントなどを通じて、無類のロリータファッションマニア、ソ連・ロシアマニア、ミリタリーマニア、音楽マニアであることがファンの知るところに。そして2013年4月、その趣味の世界をダイレクトに反映したシングル「七つの海よりキミの海」でアーティストデビュー。その後も桃井はるこ作詞作曲の「げんし、女子は、たいようだった。」や、大槻ケンヂ作詞、NARASAKI作曲の「パララックス・ビュー」など話題作を立て続けにリリースし、2014年1月には1stアルバム「革命的ブロードウェイ主義者同盟」、2016年1月には2ndアルバム「20世紀の逆襲」を発表した。2016年2月には東京・中野サンプラザホールで初のバンド編成による2DAYSライブ「超中野大陸の逆襲」、12月には初のアリーナ会場となる東京・両国国技館でワンマンライブ「上坂すみれのひとり相撲2016~サイケデリック巡業」を行う。2017年4~6月にはTOKYO MXとBS11で初の冠テレビ番組「上坂すみれのヤバい○○」が放送され、9月には放送された全12話に未公開映像を加えたBlu-rayボックス「上坂すみれのヤバい○○ Blu-rayBOX」が発売された。2018年1月にテレビアニメ「ポプテピピック」のオープニングテーマ「POP TEAM EPIC」をシングルとしてリリース。4月にはテレビアニメ「鬼灯の冷徹」のエンディングテーマ「地獄でホットケーキ」、同じくテレビアニメ「蒼天の拳 REGENESIS」のエンディングテーマ「祈りの星空」を配信シングルとして2曲同時に発表した。