「ウマ娘 プリティーダービー 5th EVENT ARENA TOUR GO BEYOND -WISH- 」特集|徳井青空、上坂すみれ、矢野妃菜喜が語る「ウマ娘」ライブの魅力

2021年1月からのテレビアニメ第2期放送開始と、2月のゲームのリリースをきっかけに、一躍大人気コンテンツとなった「ウマ娘 プリティーダービー」。実在する競走馬の名前と魂を受け継ぎ、超人的な走力を持ったウマ娘たちが、“トレーナー”と呼ばれるプレイヤーとの二人三脚でその才能を磨いていくというストーリーだ。彼女たちは国民的エンタテインメントの「トウィンクル・シリーズ」で速さと強さを競うと、レース後の「ウイニングライブ」で華麗な歌とダンスを披露し、ファンと喜びを分かち合う。

作中の「ウイニングライブ」などで披露されるオリジナル楽曲も大人気で、ウマ娘を演じるキャストが数多く“出走”(出演)する大規模ライブも定期的に開催されている。7月15日と16に神奈川・ぴあアリーナMMで開催される「ウマ娘 プリティーダービー 5th EVENT ARENA TOUR GO BEYOND -WISH- 」を皮切りに、初めてのアリーナツアーもスタートする。

音楽ナタリーではアリーナツアーの開催を記念し、横浜で行われる第1公演に出走する徳井青空(テイエムオペラオー役)、上坂すみれ(アグネスタキオン役)、矢野妃菜喜(キタサンブラック役)へのインタビューを実施。「ウマ娘」の魅力や、第1公演に向けてのそれぞれの思いなどを語ってもらった。

取材・文 / 丸本大輔撮影 / 入江達也

「ウマ娘」をきっかけに、競馬の歴史にも興味を持った

──最初に、皆さんそれぞれが演じられているウマ娘の魅力や、演じるときに特に意識していることなどを教えてください。

徳井青空 テイエムオペラオーは「世紀末覇王」という二つ名にふさわしく、とにかくいつも明るく前向きで、高らかに歌うような話し方をしていて。周りにいる人の気持ちも前向きにしてしまうくらい力強いパワーを持った子です。なので、オペラオーを演じるときは、まずは自分自身が楽しく演じることを心がけています。

矢野妃菜喜 キタサンブラックは、周りの子から「お助け大将キタさん」って言われるくらい、困っている人がいたら放っておけない性格のすごく優しい子です。あと、ある意味少し子供っぽいというか、すぐ感情が表に出る子なので、よく笑うしよく泣きます。そういったまっすぐなところも素敵だと思っているので、私もキタちゃんの感情にはそのままストレートに乗っかろうと思っていて。いつもすべての感情をありのままに演じさせていただいています。

上坂すみれ アグネスタキオンはマッドサイエンティストなキャラクターで、思考速度がとても速く、いつも周りがついていけないようなことを言っているから、変人のように見えるんです。でも実はすごく合理的な考えの持ち主で、自分のルールに乗っ取って行動しているだけ。少しズレている子ではあるんですけど、周りが見えていないわけでもないし、レースに対してはすごく真剣に取り組んでいます。いつも実験をしていて、トレーナーのことを「モルモット」って呼んでいますが、あれは愛称(笑)。自分の好きなことに一点集中している姿が楽しい子なので、演じるときは、自分も楽しくノリノリでやることを心がけています。

左から上坂すみれ、矢野妃菜喜、徳井青空。

左から上坂すみれ、矢野妃菜喜、徳井青空。

──2016年のプロジェクト始動以来、「ウマ娘」は、アニメ、ゲーム、音楽など、さまざまなジャンルで人気を集めており、キャストの皆さんの活動の幅も多岐にわたっていると思います。「ウマ娘」に参加しているからこそ経験できたことや、特に印象深い出来事などを教えてください。

徳井 テレビの音楽番組(2021年放送の「FNS歌謡祭」)に「ウマ娘」として“出走”したとき、大井競馬場で歌唱パートを撮影させていただいたんです。競馬場で歌える機会なんてなかなかないし、「ウマ娘」ならではのことだったので、すごく貴重な経験ができたなって思いました。誘導馬(パドックなどで競走馬を先導する馬)と触れあえたのも楽しかったです。それに、「ウマ娘」が始まってからは、あまりアニメなどを観ない方からも「(競走馬の)テイエムオペラオー、好きだったんだよね」と声をかけていただく機会もあって。いろいろな方に知ってもらえるのはうれしいです。

矢野 そもそもキタサンブラックという競走馬がすごく有名なので、ウマ娘のキタちゃんを演じさせていただけていることが光栄だし、(2023年放送予定のテレビアニメ第3期で)メインキャラクターになることも自分のこと以上にうれしいです。あと、自分の活動を通してというお話ではないんですけど。今、実際の競馬ではキタサンブラックの産駒(子供)たちがすごく活躍しているんですね。

──デビューしているのはまだ2世代だけですが、すでにGI馬も2頭輩出しています。

矢野 種牡馬になったキタサンブラックの子供たちが実際のレースで活躍していることもすごくうれしくて。

──「我が子よ」みたいな気持ちですか(笑)。

矢野 そうです、そうです(笑)。いつも「がんばれー!」って思いながらレースを見ているんですけど、すごく不思議な感覚で。これは「ウマ娘」じゃないと経験できない気持ちかなって思います。

矢野妃菜喜

矢野妃菜喜

矢野妃菜喜

矢野妃菜喜

上坂 私はまだリアルイベントなどに出走したことはないんですけど、「ウマ娘」をきっかけに競馬の歴史にすごく興味を持って、いろいろと調べたりしました。ウマ娘たちのストーリーはそれぞれの史実の運命を乗り越えていく物語になっているので、「なぜ、こういうセリフがあるのかな」とか、気になってくるんです。アグネスタキオンの史実の物語を知ったときには、すごく込み上げるものがありました。

──競走馬のアグネスタキオンは、素晴らしい能力を持ちながら、故障によりわずか4戦で引退しました。

上坂 だから、「ウマ娘」世界のタキオンはもっと勝たせてあげたいというか、ウマ娘としての生命をさらに素敵なものにしてあげたいと思いました。あと、競馬の実況ってすごくカッコいいですよね。ゲームでもカッコいい実況を聞けるのですが、私は競馬の名実況にも興味が出て、いろいろ聴いていて。タキオンが皐月賞を勝ったときとか、トウカイテイオーの有馬記念とか、すごく素敵なドラマがあるんだと知ることができました。

「うまぴょい伝説」は、後先を気にせず弾けられる曲

──上坂さんは今回の「5th EVENT」の横浜公演2日目で「ウマ娘」のイベントに初出走されるわけですが、過去の「ウマ娘」のイベントの映像などを見たことはありますか?

上坂 前回(「ウマ娘 プリティーダービー 4th EVENT SPECIAL DREAMERS!!」)の「EXTRA STAGE」の映像を少し拝見しました。1曲目から「うまぴょい伝説」だったんですけど、ウマ娘のみんなの紹介やセリフもある変則的な「うまぴょい伝説」で、しかも、明坂(聡美)さんの実況もあって、最初からすごく盛り上がってたんですよね。まだトレーナーさんの声出しができない公演だったんですけれど、その条件の中でも楽しめる素晴らしい演出になっていたのが、とても興味深かったです。7色に光るトラック型のステージもめちゃくちゃきれいで、ステージの上の皆さんがウマ娘そのものに見えてくる演出がちりばめられていたのも印象的でした。会場のトレーナーさんたちの顔もとっても輝いていて。ここでしか味わえない楽しさがあるんだってすごく伝わってきたし、今度は私もそこに参加できることが本当に楽しみです。

上坂すみれ

上坂すみれ

上坂すみれ

上坂すみれ

──初めて出走するにあたって、「ウマ娘」のイベントへの出走経験が豊富な徳井さんと矢野さんに質問などはありませんか?

上坂 「うまぴょい伝説」って、いつも2回歌うんですか?(笑)

矢野 あはは。

徳井 2回のときと、1回のときがあるよね(笑)。

矢野 そうですね。

徳井 でも、1回は絶対に歌うよ。

上坂 やっぱり課題曲なんですね。

徳井 うん、課題曲。

──「うまぴょい伝説」は「ウマ娘」を代表する曲で、アグネスタキオンの歌うバージョンもゲームやCDには収録されていますが、イベントで2回も歌うのは大変そうだと感じますか?

上坂 私はよく1人カラオケに行くので「うまぴょい伝説」を歌ってみるんですけど、いつも息が切れるんです(笑)。だから、踊りながら歌っているキャストのみんなは本当にすごいなと思いながら映像を観ていました。それに「うまぴょい伝説」に限らず、皆さんの振付は、足の運びがすごくきれいな印象があって。足が速いウマ娘たちをイメージしているんですかね? キレがあって、指の運びとかもシャープな印象があるので、私もついていけるようにがんばりたいです。

──徳井さんと矢野さんは「うまぴょい伝説」にどのような思い入れがありますか?

矢野 いつもライブの締めくくりに歌う曲なので、最後までトレーナーさんに楽しんでいってほしいなという気持ちで歌ってます。最後だから、もう後先を気にせず弾けられる曲、みたいな(笑)。

徳井 プロジェクトが始動したときのPVでも流れた、「ウマ娘」の始まりの曲でもあるので、その曲で最後にみんなで盛り上がれるのはいいですよね。みんなでひとつになって終わる感じがあって、すごく好きです。

徳井青空

徳井青空

徳井青空

徳井青空

──「ウマ娘」のライブ経験者の徳井さんと矢野さんに伺いたいのですが、「ウマ娘」のライブならではの魅力、アピールポイントはどこでしょうか?

矢野 やっぱり歌だけではなく、明坂さんの実況もあるのが「ウマ娘」のライブならではなのかな、と一番に思います。

徳井 うんうん。

矢野 競馬中継に実況があるように、「ウマ娘」の世界では明坂さんが実況をしてくださっているのですが、ライブにも毎回出演してくださっていて。いつも実況の尺もぴったりなんです! 毎回「本当にありがとうございます」って思いながら歌っています。

徳井 すごい技術だよね。

──曲と曲の間だけではなく、間奏にも実況が入ってきますよね。

矢野 ここまでずっと実況役をやってくださっている明坂さんだからできることだと思うので、本当にすごいです。

──徳井さんはいかがですか?

徳井 ウマ娘のキャストは全員ウマ耳やワンポイントの装飾を付けていたりするので、トレーナーさんには声だけではなく見た目でもウマ娘のキャラクターを感じてもらえるんじゃないかなと思っています。あと、最近の「ウマ娘」のイベントは、配信で見ると会場では見えてないARなどの演出を楽しめたりもするんです。

──現地のチケットが入手できなくても、配信ならではの楽しさがあると思えばうれしいですね。

徳井 自分の好きなアングルに切り替えて配信を観ることができるマルチアングルチケットもあるんですが(※マルチアングル機能はABEMA配信のみ)、それも現地だけのイベントではあり得ないことで。新しい楽しみ方だと思います。