音楽ナタリー Power Push - 植田真梨恵
笑顔で寄り添う励ましの歌
ストレートに表現した上でにじみ出る違和感
──2曲目「クリア」はオルビスのスキンケア化粧品「CLEAR」イメージソングとして書き下ろした、夏らしいさわやかなナンバーですね。タイアップはこれまでにもありましたが、タイアップありきで曲を書き下ろしたのは今回が初では?
18歳のときに私も出演させていただいた舞台のために「100life」という曲を書いたことはありますけど、CMでは初めてですね。
──イメージソングということでいろいろ要望があったと思うんですがいかがでした?
すごく面白かったですね。オーダーとしていただいたのは、“周期ニキビに負けない”ということだったんです。突然現れてしまう周期ニキビに対して一度は落ち込むんだけど、それに負けない強さを持った女性像というのがテーマとしてあって。そうやって事前にイメージを伝えてもらって、私のほうでもイメージし直して、それをどのくらいストレートに表現するかを考えるのが楽しかったです。
──オーダーに応えつつやりたいことを盛り込むっていうバランスの取り方は難しくなかったですか?
難しいところではあるんですけど、逆に面白いなと思って。最初は私らしい言葉をどれだけ入れようかなって考えていたんですけど、なるべくそういうことを意識せずストレートに表現して、それでも感じる違和感みたいなところに植田真梨恵らしさが出るんじゃないかなと思って。なるべく耳当たりよく、さわやかなイメージで作りましたね。
──例えば「キラ キラ と零れ出す」「悲しみに光纏い」といった言い回しが植田さんらしいなと思いました。
私もそこは歌ってて気に入ってます。サビに関しては自然とできたんですよね。少しイメージをしただけでポポポポンって広がっていきました。
──声質も「わかんないのはいやだ」とは違いますよね。そのへんも意識しました?
そうですね。なるべく一生懸命がんばってる感じを出そうと思ったので、キーを高めに設定しました。特にキラキラ感とか爽快感を出したいときに私はキーを高めに作りがちなんです。逆に「わかんないのはいやだ」に関してはなるべくしゃべり声に聞こえるように意識していて、「歌うぞ!」っていう感じではないので、歌い方としては両極端だと思います。
──そして3曲目「夏の日」ですが、アコースティックの弾き語りでガラッと雰囲気が変わりますね。暑い夏の日の、気だるい感じが出ているというか。
シングル定番で、3曲目のオケはシンプルにしました。今回は完全に弾き語りですね。
──この曲は植田さんが家族旅行したときの思い出を歌っているそうですね。
そうです、小学生の頃に車で海に行ったことがあって。曲を作ったのは17、8歳のときなんですけど、日記的に作った曲なので私自身忘れてたんです。今回「そういえば『夏の日』って曲あったな」って思い出したものの、作った当時の心境を覚えてなくて。なのでセルフカバーするような気持ちで歌いました。
この夏は寝る間を惜しんで遊ぶ
──3曲とも夏をテーマにしつつも、それぞれ雰囲気が違う仕上がりになっていますね。
私がお客さんだったら、シングルを手に取ったときに何か1つテーマ性を感じられたほうがうれしいと思うんですよね。だからといって同じような曲が続く感じにはしたくなくて。今回は“夏”っていう漠然としたテーマなのでいかようにもできると思うんですけど、皆さんの思い出のどこかに引っ掛かったり、これを聴けば夏を思い出すっていうシングルになればいいなと思って。あとは、私は夏が好きなのでとにかく自分自身が楽しめるものにしようと思って作りました。
──先ほども「面白がるっていう気持ちを思い出した」とおっしゃっていましたよね。
はい。この夏は寝る間を惜しんで遊ぼうと思ってます(笑)。
──ちなみに植田さんがこの夏やりたいことは?
ライブしたいし、海に行ったりキャンプしたり、川でバーベキューしたり、楽しいことをたくさんやりたいなって。なるべくいろんなところにアクティブに出かけて、2015年の夏の思い出を私自身しっかりと焼き付けたいですね。
──初出演となる「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015」もありますよね(取材は7月下旬に実施)。
楽しみです。私、今回初めて参加するんですよ。アコギ1本で演奏するので、どれだけお客さんの心に響くものを届けられるのかなって。
──そしてそれが終わったら秋には東京のTSUTAYA O-EASTを皮切りに大阪、愛知、福岡を回るツアーがあります。
ツアーもめちゃめちゃ楽しみなんですよ。「はなしはそれからだ」のツアーと同じバンドメンバーで回るんですけど、それぞれの癖というか個性もわかってきたので、それを踏まえていろいろやろうと思っていて。ぜひ楽しみにしていてほしいですね。
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- ニューシングル「わかんないのはいやだ」2015年8月12日発売 / GIZA studio
- 初回限定盤 [CD+DVD] 2000円 / GZCA-4142
- 通常盤 [CD]1296円 / GZCA-4143
CD収録曲
- わかんないのはいやだ
- クリア
- 夏の日
- わかんないのはいやだ -off vo.-
- クリア -off vo.-
初回限定盤DVD収録内容
植田真梨恵LIVE TOUR 2015「はなしはそれからだ」
3.15 LIQUIDROOMよりLIVE映像 & TOUR DOCUMENT
- ハイリゲンシュタットの遺書
- センチメンタリズム
- FRIDAY
- hanamoge
- プリーズプリーズ
- ザクロの実
- 100life
- 彼に守ってほしい10のこと
- ハルシネーション
- S・O・S
- カルカテレパシー
通常盤封入特典:スペシャル映像が見られるパスワード封入
植田真梨恵LIVE TOUR UTAUTAU vol.2
- 2015年10月3日(土)東京都 TSUTAYA O-EAST
- 2015年10月10日(土)大阪府 梅田CLUB QUATTRO
- 2015年10月11日(日)愛知県 ElectricLadyLand
- 2015年10月25日(日)福岡県 DRUM Be-1
植田真梨恵(ウエダマリエ)
1990年生まれ、福岡県出身のシンガーソングライター。中学卒業を機に単身大阪へ移住し音楽活動をスタートさせる。2008年に1stミニアルバム「退屈なコッペリア」をリリースし、以降コンスタントに作品を発表しながらライブ活動を続ける。2012年に初のフルアルバム「センチメンタルなリズム」発売後、東京と大阪でワンマンライブを開催。2014年1月には東阪のCLUB QUATTROでワンマンライブを成功させ、同年8月にシングル「彼に守ってほしい10のこと」でメジャーデビューを果たす。2015年2月にメジャー1stアルバム「はなしはそれからだ」を発表し、東名阪と地元・福岡を回るツアーを実施した。同年8月にメジャー3枚目となるシングル「わかんないのはいやだ」をリリース。