THE SUPER FRUIT「サクラフレフレ」2本立てインタビュー|「チグハグ」ヒット後の“勝負曲”は春の応援歌 (3/4)

ダンサーインタビュー(阿部隼大、堀内結流、星野晴海、鈴木志音)

左から阿部隼大、堀内結流、星野晴海、鈴木志音。

左から阿部隼大、堀内結流、星野晴海、鈴木志音。

歌とダンス含めて1つのパフォーマンス

──今回の取材ではボーカル陣とダンサー陣に分かれて、THE SUPER FRUITの構造的な部分について掘り下げようと思います。3ボーカル+4ダンサーというスタイルについて、ダンサーの皆さんはどう捉えていますか?

堀内結流 今だから言えますが、最初はちょっと心配だったんですよ。ボーカルとダンサーに分かれたら、ボーカルが目立ってダンサーは目立たないんじゃないかって。でも実際にやってみたらそんなこと全然なくて、歌とダンス含めて1つのパフォーマンスとして完成させるんだ、という意識が芽生えました。

星野晴海 曲をリリースするたびにファンのみんなが「今回のボーカルは誰なんだろう」って楽しみにしてくれているもうれしいし、ちゃんと曲ごとに合ったメンバーがボーカルを担当して、曲の個性が引き立つのもすごくいいと思う。

星野晴海

星野晴海

鈴木志音 僕らは両手を使ってボーカルにはできないダンスを踊れるのが一番の利点かな。観に来てくれた人と一緒に楽しめるように呼びかけるのも僕らの役割だし、会場内の一体感を作り上げたり、ファンと一緒に盛り上がれたりするのはダンサーのほうなのかな。

阿部隼大 何曲かボーカルをやってみて感じたのは、歌いながら踊ることがめちゃくちゃ大変だったんですよね。踊りに集中できるメンバーがいるからこそ、曲の表現がより豊かになる部分もあると思います。

3人の歌声が混ざり合ってスパフルが完成する

──ボーカルのインタビューでは小田さんと田倉さんが「5人の誰かが軸になっている曲が多い」と話していました。2人が“3人目のボーカル”に寄り添うことで、スパフルの楽曲が成立している、と。

鈴木 そんなこと話してたんだ。

阿部 僕らからすると、3人で1つの曲ができあがるイメージですね。5人のうちの1人が軸になるのはわかるけど、スパフルとしては惟真と暉の2人がいないと成り立たない。3人の声が混ざり合うことによってスパフルの曲が完成するので、結局は3人が主人公なんじゃないかな。

堀内 でも2人が主役の曲もあるよね。「Someday」とか惟真っぽいじゃん。

小田 (撮影を終え、ダンサー陣の取材を覗き見しながら)僕、“子供のふり”してないもーん(笑)(「Someday」の歌詞「子供のふりと大人の真似が 妙に上手くなってきているよ」を受けて)。

堀内 うわ、聞かれてた!(笑)

──先ほど惟真さんは「サクラフレフレ」に出てくる「こうやって大人になるんだ」という歌詞も腑に落ちると話していました。

堀内 惟真、最近多いんだよなー。「自分が大人になってきた」って言うことが(笑)。

堀内結流

堀内結流

阿部 それが一番子供なのにね(笑)。

鈴木 でも僕らが高校1年のときどんなだったかと思うと、惟真って本当にすごいよね。

星野 うん。

阿部 ずっと同じ空間にいると、惟真が16歳ってことを忘れるよね(笑)。

堀内 惟真は本当に成長しているから、確かに大人になったとは思うけど、みんなで褒めてたら最近「大人になった」とか言うようになって(笑)。まあ、そこがかわいいんですよね。

「チグハグ」に通じる普遍的なテーマ

──皆さんが感じる「サクラフレフレ」の聴きどころを教えてください。

堀内 たぶん勇輝と同じことを言っちゃうけど、「人様の『いいね』ばかり 気にしてたってキリがないよ」のところですね。こういうお仕事をさせてもらっているから、SNSを活用する中で「こうやったら喜んでもらえるな」とか「これは投稿しないほうがいいかな」とか、いろんなことを考えすぎちゃってキリがなくなることがある。そうすると自分を追い込んじゃうし、新しいことにも挑戦できない。自分らしさをちゃんと出しながら、それを含めて好きでいてくれる人をちゃんと見つけないといけないなと思いました。

阿部 悩める人に向けての応援歌なのに、歌詞が途中からすごくスケールが大きくなるところが好きです。目の前の人に向けて歌っていると思ったら「僕らは同じ地球(ほし)に生まれ落ちたファミリーじゃん」って、すごく広い視点になる。これは「チグハグ」にも通じるところがあって、普遍的な深いテーマも含まれているなと感じています。

阿部隼大

阿部隼大

鈴木 僕は「焦って無理してつまずいても 自分を追い詰めないで」というところかな。僕にすごく刺さった。

堀内 なるほどね。わかるよ。

──外から見ると前向きにスターダムを駆け上がっているように見える皆さんでも、自分を追い詰めてしまうようなときがあるんですね。

鈴木 ありますよ。夜中にふと考え始めて、眠れなくなっちゃうようなときもありますから。この歌詞の言葉を見て、「ああ、もっと前向きにがんばろう」と心が軽くなりました。

星野 僕は「時が経っても変わらないもの 僕らが紡いだこの日々は ここにあるから 忘れないでいて」のところかな。がんばっているときこそ、何か大事なものを忘れてしまうというか、視野が狭まってしまうから。そういうときに、昔の友達にひさしぶりに会ってちょっと振り返ってみることなんかがすごく大事だと感じて。僕ら自身、忙しくてつい前ばかり見てしまう瞬間があるから、この気持ちを忘れちゃいけないなと思いました。

──ダンサーの皆さんには振付の魅力も伺えれば。どのような振付になっていますか?

堀内 「チグハグ」と同じ振付師さんということもあり、めちゃめちゃキャッチーで真似しやすいので、一緒に盛り上がれる振付になっています。

鈴木 それこそ振付師さんが「チグハグ」と同じで……。

堀内 え?

鈴木 キャッチーなスパフルらしいダンスになっています。

堀内 まんま同じこと言ってるじゃん(笑)。

鈴木 ごめん、自分がしゃべることで精一杯になってた。

一同 (笑)。

鈴木 じゃあサビの“サクラポーズ”! サクラポーズをとって、「フレフレ」の歌詞に合わせて手を振るんですよ。ダンス未経験者でもすぐ踊れる、みんなで盛り上がれるところなのでぜひ真似してほしいです。

鈴木志音

鈴木志音

星野 みんなで踊るとより一層楽しさが増すダンスだよね。今回は7人で1つの振りを作るようなダンスが多くて、これはみんなでやったら絶対楽しいから! ぜひ7人集めてやってみてもらいたいな。

堀内 1つのものを7人で作るところもあるし、7人が一斉に同じ振付をしてダイナミックさを見せる部分もあるのが面白いよね。

阿部 歌詞と振付がリンクしてるから覚えやすいんじゃないかな。1人で練習しているときは想像も付かなかったけど、7人の振りで見たときに「なるほどな」と感じた箇所がいくつもあって踊っていても楽しいし、外から見ても楽しい振付になっています。

2023年3月24日更新