the GazettEが6月13日にニューアルバム「NINTH」をリリースする。
2015年に発表された「DOGMA」以来約3年ぶりのリリースとなる今回のフルアルバム。「(リリースを)若干焦らしていた感じすらある」とメンバーが語る今作には、バンドの“今”を凝縮した12曲が収められた。
作品のリリースを記念し、音楽ナタリーではメンバー全員にインタビューを実施した。「NINTH」について思いの丈を語る彼らの話は白熱し、果ては「ヴィジュアル系バンド」であり続けることの矜持に関する話題も。5人の熱がにじんだ言葉の数々を受け取ってほしい。
取材・文 / 藤谷千明
若干焦らしていた感じすらあるね
──約3年ぶりとなるニューアルバム「NINTH」がリリースされます。
RUKI(Vo) 3年ぶりといっても休んでる気はしないよね。
麗(G) バラードベスト「TRACES VOL.2」もあったから、(リリース間隔が)空いた気がしない。
RUKI 若干焦らしていた感じすらあるね(笑)。「DOGMA」からシングルの「UGLY」「UNDYING」、そして「TRACES VOL.2」。間にライブDVD(「HALLOWEEN NIGHT 17 THE DARK HORROR SHOW SPOOKY BOX 2 アビス-ABYSS- LUCY-ルーシー- LIVE AT 10.30 AND 10.31 TOYOSU PIT TOKYO」)のリリースもあったし。
──ライブも、2017年の3月には本作のLIMITED EDITION BOXに収録されている「十五周年記念公演 大日本異端芸者『暴動区 愚鈍の桜』」がありましたし、その後8月には富士急ハイランド・コニファーフォレストでの野外ライブ「BURST INTO A BLAZE 3」、10月には東京と大阪でハロウィンライブも開催されて。また「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」や「COUNTDOWN JAPAN」に出演するなど、トピックとしてはいろいろありましたね。アルバムの制作はいつから?
戒(Dr) 去年の夏過ぎ、「BURST INTO A BLAZE 3」が終わったくらいから話し合いが始まって、ハロウィン前後に選曲会をやったのかな。今回はちょっと選曲が難しかったんですよね。テーマやキーワードみたいなものが出てこなくて。「DOGMA」のときはすんなり決まったんですけど。
──前作の「DOGMA」は「教義」というタイトルの通り、かなりコンセプチュアルな作品でしたよね。今回はかなりフレッシュな印象を受けました。
RUKI 夏っぽいですよね。
REITA(B) ん?
RUKI どんよりしてないな、と。
──風通しがいいと言うか、開かれていると言うか。いい意味でラフな感じが出ています。
RUKI 今回も「DOGMA」のようにテーマを掲げて作ろうかなと思ったときもあったんですけど。結局こうなりました。
麗 まあ「DOGMA」が特殊なだけであって、基本的にいつもthe GazettEのアルバムはそのときの旬をただただ詰めているようなところはありますね。2013年リリースの「BEAUTIFUL DEFORMITY」にも具体的なテーマはなかったし。「DOGMA」で一度振り切ったことをやった結果、今回は基本に戻ったのかも。
RUKI 「DOGMA」がちょっとコンセプチュアルすぎたところもあるので、今回はタイトルも含めて9枚目であることを意識しています。
──「9枚目を意識」とは?
RUKI 純粋に、これまでたどってきた道がわかるような。実験的な意味合いを持たせるわけではなくね。
──バンドの現在がハッキリ出ていると。
RUKI そうです、だから絶対「DOGMA」に入っているような曲をやらないってこともない。そういうのも全部含めてと言うか。だから、ラフといえばラフですね。
たどり着いた感がない!
──オープニングを飾るSEのタイトルも「99.999」と9の連続ですね。
麗 さっきRUKIが「これまでたどってきた道」と言っていましたが、この曲は今までのSEの集大成なんです。特に戒はこの曲にこだわってましたね。
RUKI 「たどり着いた感がない!」って何回も言う!
戒 俺がそこまで強く意見したってわけじゃないんですけど……(笑)。
麗 いいや! それに、作業が明け方まで続いていてRUKIとかは寝てる中で、戒だけすげえ元気なんですよ。
──とにかく、それだけ納得行くまで話し合った楽曲制作だったんですね。
REITA SEができあがったのがマスタリングの1時間前とかですから、よく間に合ったなって感じでしたよ。
RUKI 十何年もやっていてこんなに余裕ないことがあるんだなと。
──それは「UGLY」のインタビュー(参照:the GazettE「UGLY」インタビュー)でもおっしゃっていたような気がします。
REITA 次は本当にやめよう!(笑)
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なんともいえない絶妙な、微妙な曲
- The GazettE「NINTH」
- 2018年6月13日発売 / Sony Music Records
-
LIMITED EDITION BOX A [CD+Blu-ray]
13000円 / SRCL-9791~2 -
LIMITED EDITION BOX B [CD+2DVD]
12000円 / SRCL-9793~5 -
初回限定盤 [CD+DVD]
4500円 / SRCL-9796~7 -
通常盤 [CD]
3300円 / SRCL-9798
- CD収録曲
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- 99.999
- Falling -NINTH MIX-
- NINTH ODD SMELL
- GUSH
- THE MORTAL
- 虚 蜩
- その声は脆く
- BABYLON'S TABOO
- 裏切る舌
- TWO OF A KIND
- ABHOR GOD
- UNFINISHED
- LIMITED EDITION BOX A付属Blu-ray / LIMITED EDITION BOX B付属DVD 収録内容
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- “Falling” MUSIC VIDEO
- MAKING OF “Falling” MUSIC VIDEO
- 「十五周年記念公演 大日本異端芸者『暴動区 愚鈍の桜』LIVE AT 2017.03.10 国立代々木競技場第一体育館」ライブ映像
- 初回限定盤DVD収録内容
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- “Falling” MUSIC VIDEO
- MAKING OF “Falling” MUSIC VIDEO
The GazettE Live Tour 18 THE NINTH / PHASE #01-PHENOMENON-
- 2018年7月19日(木)埼玉県 三郷市文化会館 大ホール
- 2018年7月20日(金)埼玉県 三郷市文化会館 大ホール
- 2018年7月25日(水)千葉県 市川市文化会館
- 2018年7月27日(金)群馬県 昌賢学園まえばしホール(前橋市民文化会館)
- 2018年7月30日(月)神奈川県 相模女子大学グリーンホール
- 2018年8月2日(木)愛知県 一宮市市民会館
- 2018年8月3日(金)愛知県 一宮市市民会館
- 2018年8月7日(火)大阪府 オリックス劇場
- 2018年8月8日(水)大阪府 オリックス劇場
- 2018年8月10日(金)兵庫県 神戸国際会館
- 2018年8月15日(水)広島県 JMSアステールプラザ 大ホール
- 2018年8月19日(日)福岡県 福岡市民会館
- 2018年8月22日(水)長野県 ホクト文化ホール 中ホール
- 2018年8月26日(日)宮城県 東京エレクトロンホール宮城
- 2018年8月27日(月)山形県 山形市民会館
- 2018年8月29日(水)北海道 わくわくホリデーホール
- 2018年9月4日(火)神奈川県 神奈川県民ホール
- The GazettE(ガゼット)
- 2002年結成のヴィジュアル系バンド。インディーズ時代より激しいサウンドと妖艶なルックスで絶大な人気を博し、2005年12月にシングル「Cassis」でメジャーデビュー。2006年5月には初の東京・日本武道館ワンマンライブを実施した。2010年7月リリースのシングル「SHIVER」よりSony Music Recordsに移籍し、12月には初めて東京・東京ドームにてワンマンライブを開催。2015年3月にバンド結成13周年を記念して日本武道館で単独公演「the GazettE 13TH ANNIVERSARY 13-T H I R T E E N-」を実施し、8月に1年10カ月ぶりとなるアルバム「DOGMA」をリリース。11月にはアルバムの続編的な内容のシングル「UGLY」を発表する。また2016年には4月にシングル「UNDYING」をリリース。自身2度目のワールドツアー「the GazettE WORLD TOUR 16 DOGMATIC -TROIS-」も成功させた。2017年3月に、バラードベストアルバム「TRACES VOL.2」を発表。2018年2月にハロウィンライブの初映像化作品「HALLOWEEN NIGHT 17 THE DARK HORROR SHOW SPOOKY BOX 2 アビス-ABYSS- LUCY-ルーシー- LIVE AT 10.30 AND 10.31 TOYOSU PIT TOKYO」をリリースした。6月には9枚目のアルバム「NINTH」を発表する。