音楽ナタリー Power Push - the GazettE

「UGLY」が深化させた「DOGMA」の世界観

the GazettEがニューシングル「UGLY」をリリースした。

ダークでヘビーなサウンドを全面に押し出したアルバム「DOGMA」を8月にリリースし、9月から10月にかけて全国ツアー「DOGMATIC -UN-」を行ったthe GazettE。12月にツアー後半戦「DOGMATIC -DUE-」を控えるこのタイミングで、彼らがすべて新曲で構成されたシングルを発表した真意とは? メンバー全員に語ってもらった。

取材・文 / 藤谷千明

 
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「DOGMATIC -UN-」ツアーを振り返って

──全国ツアー第1弾「DOGMATIC -UN-」が終わりました。前回のインタビュー(参照:the GazettE「DOGMA」インタビュー)でRUKIさんは「DOGMA」について「ファンにとって絶対的なthe GazettEの音楽を提示したいっていう気持ちがあった」とおっしゃっていましたが、ツアーでアルバムの楽曲を披露した感触はいかがでしたか?

the GazettE「the GazettE LIVE TOUR 15 DOGMATIC -UN-」の模様。

(Dr) ツアーを始めた当初は、見せたいと思ってた「DOGMA」のライブのイメージが固まってたんですが、それが自分の中で揺らいでいったところがあって。それを最後の最後まで引きずりましたね。

(G) 考えてた通りにいかない部分や戸惑いがあって、そのギャップを埋めながら各会場を回っていった感じです。このツアーで僕たちのステージの在り方を明確にしたかったので。だから毎回ライブ後にみんなで話し合いながら、セットリストを変えたり、照明演出を再調整したり……そういった日々の連続でしたね。

REITA(B) 「DOGMA」の曲を自分たちのモノにできたかと言われたら完全にそうとは言い切れないかもしれませんが、できる限りのことはやったので、次のツアーではさらなる加速ができるかな。

(G) 「DOGMA」をレコーディングしたときのイメージと実際にツアーで感じたものとでギャップがあり、うまくいかなかった部分もあって。でもツアーを回る間にいろいろ発見して、ようやく最終日になって仕上がったかなと思ってます。

──レコーディング時はどんなライブの形を思い描いてたんでしょうか?

 「DOGMA」というアルバム自体がthe GazettEの激しい部分を強調した作品だったので、ライブはもっと極端に激しくなるものだと想定してました。ひさびさのホールツアーだったこともあり、ライブハウス公演が多かった昨年と比べるとギャップを感じましたね。

──ホールだとオールスタンディングの会場と違って、お客さんも激しく動き回るのが難しいですしね。

RUKI(Vo) でも最初から構想がガチッと決まってたこれまでのツアーと違って、今回はその場で感じた気持ちを重視したというか。毎日感じ方が違っていて、よりアグレッシブにやることができたツアーだったと思います。

 1つひとつ作り上げたことで初めて学べる部分もあったし、濃いツアーだったと思います。最初の思惑通りにはいかなかったけれど、得たものも予想外に多かったかな。

ツアー前後半の合間に放たれる新作

──ニューシングル「UGLY」の収録曲は3曲とも「DOGMA」に入っていない、かつツアー「-UN-」でも演奏されなかった新曲ですね。この作品をツアー前半と後半「-DUE-」の間にリリースする理由を聞かせてください。

 アルバムがリリースされてすぐシングルリリースって、普通はそのアルバムからのカットになることも多いんでしょうけど。そこはあえて茨の道を行ったというか(笑)。

──あらかじめアルバム、ツアー、シングル、ツアーのスケジュールを決めてすべて進めたんですか?

RUKI もちろんそうです。

 僕らとしては、アルバムを出す前にシングルを出す意義をあまり見出だせなくて。先行シングルをリリースしてアルバムの宣伝につなげるよりも、僕らのようなバンドとしては実のあるリリースの仕方かなって思ったんです。

 それに、ロングツアーの間にこうやってアルバムの続編的なシングルを出したほうが、「DOGMA」という作品が違ったふうに見えるきっかけになって長く楽しんでもらえるのかな。

──制作はアルバムと並行して行ったんですか?

 並行はしてません。アルバムを録り終えてからすぐシングル制作に移行したという感じです。

──ツアーやそのリハーサルとシングル制作が重なった形でしょうか。ハードですね。

RUKI このスケジュールをなんで自分たちで組んだのかなってあとあと思いました(笑)。何をどう計算したらできるって算段になったのか。

──気持ちの切り替えなどはうまくいきましたか。

RUKI(Vo)

RUKI もともと曲作りに気持ちの切り替えはあまり必要ないんですけど、今回はこれがバンドにとって一番よい流れだと思ったので、そのためにはどうしても無理をしなくちゃいけないところが出てきたんです。たとえ休みをなくしちゃっても(笑)。

──RUKIさんは以前「前作(2013年リリースの「BEAUTIFUL DEFORMITY」)のあとで曲が思い浮かばなくなった」とおっしゃっていましたが、「DOGMA」の制作後に同じような状態には陥らなかったのでしょうか。

RUKI 陥らなかったわけではないですけど……。

REITA やらざるを得ないスケジュールにした(笑)。

 そんな甘えは許されない!

RUKI ははは(笑)。まあ「BEAUTIFUL DEFORMITY」のときは、実験要素の強い作品だったこともあってライブでも実験を繰り返していった結果、だんだん自分の中で自分たちの本質が見えなくなっていったんですよ。それで一旦制作をやめて、2014年は過去にリリースしたアルバムの楽曲を時系列に沿って演奏していく“再定義”ツアーをして。そうやって過去のアルバムを振り返ったことで、「俺たちはこのアルバムでこの部分が足りなかったから次の作品でこうしたんだな」みたいにバンドが作ってきたものの背景を改めて理解できました。“再定義”ツアーを行ったことで「DOGMA」ができたし、今回もスランプに陥らなかったかな。

ニューシングル「UGLY」2015年11月18日発売 / Sony Music Records
「UGLY」
初回限定盤[CD+DVD] 1836円 / SRCL-8935~6
通常盤[CD] 1296円 / SRCL-8937
CD収録曲
  1. UGLY
  2. DEPRAVITY
  3. GODDESS(※通常盤のみ)
初回限定盤DVD収録内容
  • [UGLY] MUSIC VIDEO
  • MAKING OF [UGLY] MV
the GazettE(ガゼット)

2002年結成のヴィジュアル系バンド。インディーズ時代より激しいサウンドと妖艶なルックスで絶大な人気を博し、2005年12月にシングル「Cassis」でメジャーデビュー。2006年5月には初の東京・日本武道館ワンマンライブを実施した。2010年7月リリースのシングル「SHIVER」よりSony Music Recordsに移籍し、12月には初の東京・東京ドームにてワンマンライブを開催。そして2011年に「TOXIC」、2012年に「DIVISION」、2013年に「BEAUTIFUL DEFORMITY」と毎年アルバムをリリースした。2015年3月にバンド結成13周年を記念して日本武道館で単独公演「the GazettE 13TH ANNIVERSARY 13-T H I R T E E N-」を開催し、8月に1年10カ月ぶりとなるアルバム「DOGMA」をリリース。11月にはアルバムの続編的な内容のシングル「UGLY」を発表した。