the GazettE|麗と戒が語る、周年記念ライブへの思いと流されないスタンス

the GazettEが3月10日に東京・武蔵野の森総合スポーツプラザでバンド結成18周年を記念したライブ「18TH ANNIVERSARY『DAY/6576』」を開催する。彼らが周年ライブを行うのは、2017年の「十五周年記念公演 大日本異端芸者『暴動区 愚鈍の桜』」以来3年ぶりのこと。音楽ナタリーでは、準備を進める麗(G)と戒(Dr)にインタビューを実施。周年記念ライブについての思いや、ステージへのこだわり、近況、そしてバンドに対する自身のスタンスを改めて聞いた。

取材・文 / 藤谷千明

※本公演は新型コロナウイルス感染症の被害拡大に対する対策と方針に従い、2月26日に開催中止が決定

特別な日になることは間違いない

──バンド結成18周年の記念ライブとなる「18TH ANNIVERSARY『DAY/6576』」が控えています。周年を記念するライブは、2017年の「十五周年記念公演 大日本異端芸者『暴動区 愚鈍の桜』」以来となりますが、the GazettEにとって周年記念ライブというのはどのような位置付けにある公演なのでしょうか?

(Dr) ファンが捉えてくれている感覚と同じく、みんなで祝える機会というか。でも、昔はそこまで意識してやってなかったよね?

(G) 10周年(「10TH ANNIVERSARY -THE DECADE-」)あたりからかな? それまではあまり好きじゃなかったかもしれない。なんだか、自分たちで「誕生日を祝って!」って言ってるみたいで(笑)。

──ある種の照れがあったと。

 でも、自分たちとファンにとって大切な日であることは間違いないわけで。照れや変な考え方を捨ててしまえば、素敵なライブを作り出せる場所です。そんなふうに思えるようになれたのかな。

──現在の段階で、ライブの構想は固まっているのでしょうか?(取材は1月下旬に実施)

 特別な日になることは間違いないですね。まだ全体像は決まっていませんが、それぞれライブに向けて準備をしている状況です。

──1年以上の期間をかけ、海外公演も含めて61本ものライブを行った「NINTH」ツアーが終わった状態なので、どんなものになるのか予想がつきませんね。

 僕らもです(笑)。何やろう?

 全然想像できないですね!

 ちょっと油断してましたね。まだ何も決まってない。曲作りと並行してやっているので……もうこれはお家芸です(笑)。

何をやっても自由とも言える

──前回の周年記念ライブ「暴動区 愚鈍の桜」は大日本異端芸者時代の曲中心のセットリストで、衣装や演出も当時を意識したコンセプチュアルな内容でしたが……。

 今回は(2019年9月の横浜アリーナ公演以来の)ひさしぶりのライブってだけですからね(笑)。

──いやいや(笑)。

 これまでの周年記念ライブでは、過去を振り返ったりしているので、そこがまた難しいんですよね。

 逆に何をやっても自由とも言える。

 そうなると、意見が割れそうな匂いがしますね(笑)。

──ちなみに、意見が割れた場合はどうなるのでしょう。

 話し合いですね。

 けど、そもそも意見が割れることがあまりないかも。RUKI(Vo)が提案することが多いんですけど、割れそうになっても「何か考えがあるのかな」と、まとまることもある。どうしても理由を聞いておきたいというときは、話し合いますけど。

 「愚鈍の桜」のときもそうでしたね。RUKIがセットリストを3パターンくらい作ってきて、それにメンバーの意見を混ぜて決まっていったよね。

──そこには信頼関係があるんですね。

 でも、メンバー全員が各々考えた「18周年のセットリスト」を同時に出しても面白いかもしれない(笑)。

 絶対まとまらない(笑)。

麗(G)

結果がみんなのためになっていればいい

──この機会に伺っておきたいことがあるのですが、戒さんと麗さんがステージに立つうえで1番大切にしていることはなんでしょう?

 ちょっと語弊のある表現になるかもしれませんが、“予定通りに行うこと”ですね。そうすることでストレスがなくなるので。例えばメンバーでもスタッフでも、1つのことを誰かは知っているけど誰かは知らない。そういう齟齬によるストレスをライブに持ち込みたくないんですよ。だから、必要以上にコミュニケーションを取りますし、いかに予定通りにいけるかを真っ先に考えています。

──それはリーダーとしての責任感から来るものなのでしょうか?

 そう言うと奇麗事になってしまうので(笑)、自分の中の不安を取り除きたいだけというか。その結果がみんなのためになっていればいいですね。

 俺はテンションを維持させることを1番大事にしています。そこがすべてですね。自分自身のパフォーマンスしかり、ファンに対しての振る舞いしかり、いかにライブができる状態に持っていくかという部分に気を使っています。そのくらい(自分のテンションが)不安定なので。いいテンションに持っていけていない状態でステージに立ってしまうと、自分でもわかっちゃうんですよね。そうなると、空回ったりするので。

──テンションを保つために気を付けていることは?

 まずはしっかりと睡眠を取らないとダメですね。それに自分は体がすごく硬いんで、体を温めたりストレッチをしたりして。特にライブでは足を使うことが多いので、そこは入念にやります。細かいことですけど、その日食べるものにも気を付けています。不安なんで。

 体は基本ですからね。

 でも、そういう考えになったのも最近だよね。昔はそういうの全然気にしていなかったです。昔はライブ前日に夜ふかししたりして、今考えるとダメなライブをやってしまったこともあったし。

 その経験が生きている(笑)。


2020年2月27日更新