音楽ナタリー Power Push - THE BACK HORN
核を見直し、新境地を開いた「運命開花」
「母ちゃんに言いたくないような歌詞を書いたほうがいいよ」
──岡峰さんは今作では「胡散」という曲を作詞作曲してますね。
岡峰 そうですね。ロックな感じなんだけどどこか胡散臭いリフができて(笑)。
──ちょっとヘヴィメタルっぽい感じも。
岡峰 自分ではすごくロックっぽいつもりなんですけど、そのあたりは自分の好みが出てるんでしょうね。
──歌詞も今作の中ではかなり攻撃的な印象です。
岡峰 そうですね。これ作ったときはほとんど部屋に閉じこもってた時期なんですよ。外に出るのはコンビニに行くときぐらい。それでこういう曲ができたんです。選挙のポスターを見ても胡散臭い笑顔だなーと、なにもかもが胡散臭く思えて、そうしたら最終的に自分が一番胡散臭いっていう結論になって。だから半分は自問自答ですね。
──山田さんは3曲書いて、うち2曲は曲も作ってます。
山田 「ダストデビル」も「tonight」も、メロディと一緒にできた歌詞なんですよ。「ダストデビル」は書き直した2度目の歌詞を栄純に見せて感想を聞いたんですけど、最初のやつのほうがいいと。「母ちゃんに言いたくないような歌詞を書いたほうがいいよ」って言われて(笑)。この曲の衝動的な部分を、前向きに書こうとしてたんですよね。「もっと情けねえところとか出していったほうが、この曲のキャラが立っていいと思うよ」って栄純にアドバイスをもらって、こうなりました。
──「tonight」はすごくきれいな曲ですね。
山田 自分が上京する頃の、大事な奴と誓った約束を携えて、これからもしっかり生きていく、っていう曲ですね。なんか……フレッシュな曲にしたかったんですよ。
──ラストの岡峰さん作曲の「カナリア」も山田さんの作詞ですね。
山田 アルバムのケツに相応しい、すごい力強い、光舟の血がだいぶ出た楽曲になってますね。これが最後の曲になることは大体決まっていて、その上で歌詞を書きました。このアルバム全体の後味として、眩しすぎるような印象で終わりたくないなと思っていて。強い光を照らして、ここに来いよって引っ張り上げる形じゃなく、そっと力強く押してあげたい。それで「鳴けよカナリア達 声が千切れるほどに / 生きて良かったと思えるはずさ いつの日か」ってフレーズが出てきたときに、ライブでこの曲を歌うイメージが湧いてきたんです。うまく生きていけないのはお前もオレもそうだ、でも涙がなくなるまで泣き続ければ、いつかきっと生きててよかったと思えるんじゃないか、だからあきらめずにいこうっていうまっすぐな気持ちですね。
シンプルでガツッとくるタイトルがいい
──アルバムタイトル「運命開花」は誰が付けたんですか?
菅波 マツが付けました。
松田 全部曲が出そろってから、みんなで話し合って。自分たちらしさを突き止めて、結果としてロックで力強くて深みもあって、でもスッと聴けるという絶妙なバランスのアルバムになった。そこで、漢字で表すのが相応しいんじゃないかって思ったんです。シンプルでガツッとくる感じがいい。それでこのタイトルが浮かんできました。意味もアルバムを象徴してる気がしたんです。運命の花を開かせる。運命ってあきらめて受け入れてしまったらネガティブなものとしても捉えられる可能性もあるけど、そこであきらめずに自分なりの花を開かせるためにがんばろうぜという気持ちと、それが悩んだり苦しんでる人たちに寄り添ったり響いてくれたらいいなという願いが込められてます。
──アルバムの曲ごとにいろんな人の物語があって、そのドラマがアルバムタイトルと符合してますね。
松田 はい。それは意識しました。THE BACK HORNが歌ってきたテーマともリンクしますし。
──ツアータイトルは「運命開歌」と、“花”が“歌”になってますね。
松田 はい。光舟がアレンジして。
岡峰 「これから始まる感じ」がするかなと。会場で響くことで歌が開いていく。このアルバムっていろんな歌があるじゃないですか。ツアーをやっていく中で、THE BACK HORNの歌がみんなの歌になってくれればいい。そういうライブにしていきたいなと。
──アルバムが出てからツアーが始まるまで少し時間がありますけど、それまでに曲を覚えてこい!ということですね。
一同 そうです!
ツアー情報
THE BACK HORN「KYO-MEIワンマンツアー」~運命開歌~
- 2016年2月21日(日)東京都 TSUTAYA O-EAST
- 2016年2月23日(火)千葉県 千葉LOOK
- 2016年2月25日(木)埼玉県 HEAVEN'S ROCK Kumagaya VJ-1
- 2016年3月2日(水)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
- 2016年3月3日(木)茨城県 mito LIGHT HOUSE
- 2016年3月11日(金)京都府 磔磔
- 2016年3月13日(日)鳥取県 米子 AZTiC laughs
- 2016年3月18日(金)兵庫県 神戸VARIT.
- 2016年3月20日(日・祝)和歌山県 和歌山CLUB GATE
- 2016年3月21日(月・祝)奈良県 奈良NEVER LAND
- 2016年3月26日(土)長野県 Sound Hall a.C
- 2016年3月27日(日)山梨県 甲府Conviction
- 2016年3月31日(木)福島県 郡山HIP SHOT JAPAN
- 2016年4月2日(土)宮城県 石巻BLUE RESISTANCE
- 2016年4月3日(日)岩手県 Club Change WAVE
- 2016年4月7日(木)静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠
- 2016年4月9日(土)愛知県 DIAMOND HALL
- 2016年4月10日(日)石川県 金沢EIGHT HALL
- 2016年4月14日(木)大分県 DRUM Be-0
- 2016年4月16日(土)宮崎県 SR BOX
- 2016年4月17日(日)鹿児島県 CAPARVO HALL
- 2016年4月21日(木)岡山県 YEBISU YA PRO
- 2016年4月23日(土)高知県 X-pt.
- 2016年4月24日(日)愛媛県 松山サロンキティ
- 2016年5月7日(土)広島県 広島CLUB QUATTRO
- 2016年5月8日(日)福岡県 DRUM LOGOS
- 2016年5月10日(火)熊本県 熊本B.9 V1
- 2016年5月14日(土)島根県 松江 AZTiC canova
- 2016年5月15日(日)香川県 高松MONSTER
- 2016年5月21日(土)新潟県 新潟LOTS
- 2016年5月22日(日)宮城県 Rensa
- 2016年5月28日(土)北海道 CASINO DRIVE
- 2016年5月29日(日)北海道 札幌PENNY LANE24
- 2016年6月10日(金)大阪府 なんばHatch
- 2016年6月12日(日)東京都 新木場STUDIO COAST
- ニューアルバム「運命開花」/ 2015年11月25日発売 / SPEEDSTAR RECORDS
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 3564円 / VIZL-903
- 通常盤 [CD] / 2916円 / VICL-64440
CD収録曲
- 暗闇でダンスを
[作詞・作曲:菅波栄純 / 編曲:THE BACK HORN] - ダストデビル
[作詞・作曲:山田将司 / 編曲:THE BACK HORN] - その先へ
[作詞・作曲:菅波栄純 / 編曲:THE BACK HORN] - tonight
[作詞・作曲:山田将司 / 編曲:THE BACK HORN] - コンクリートに咲いた花
[作詞:松田晋二 / 作曲:菅波栄純 / 編曲:THE BACK HORN] - 記憶列車
[作詞:松田晋二 / 作曲:岡峰光舟 / 編曲:THE BACK HORN] - 胡散
[作詞・作曲:岡峰光舟 / 編曲:THE BACK HORN] - 魂のアリバイ
[作詞・作曲:菅波栄純 / 編曲:THE BACK HORN] - 悪人
[作詞・作曲:菅波栄純 / 編曲:THE BACK HORN] - シュプレヒコールの片隅で
[作詞・作曲:菅波栄純 / 編曲:THE BACK HORN] - 君を守る
[作詞・作曲:菅波栄純 / 編曲:THE BACK HORN] - カナリア
[作詞:山田将司 / 作曲:岡峰光舟 / 編曲:THE BACK HORN]
初回限定盤DVD収録内容
- 「運命開花」レコーディングドキュメンタリー
- 「悪人」「その先へ」ミュージックビデオ
THE BACK HORN(バックホーン)
1998年に結成された4人組バンド。2001年にメジャー1stシングル「サニー」をリリース。国内外でライブを精力的に行い、日本以外でも10数カ国で作品を発表している。またオリジナリティあふれる楽曲の世界観が評価され、映画「アカルイミライ」の主題歌「未来」をはじめ、映画「CASSHERN」の挿入歌「レクイエム」、MBS・TBS 系「機動戦士ガンダム 00」の主題歌「罠」、映画「劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-」の主題歌「閉ざされた世界」を手がけるなど映像作品とのコラボレーションも多数展開している。2012年3月に20枚目となるシングル「シリウス」を、同年6月に9作目のオリジナルアルバム「リヴスコール」を発表。9月より2度目の東京・日本武道館単独公演を含む全国ツアー「THE BACK HORN『KYO-MEIツアー』~リヴスコール~」を開催し、成功を収める。2013年9月にB面集「B-SIDE THE BACK HORN」、2014年4月に通算10枚目のアルバム「暁のファンファーレ」をリリース。11月には熊切和嘉監督とタッグを組み制作した映画「光の音色 ?THE BACK HORN Film-」が全国公開される。2015年9月にシングル「悪人 / その先へ」を、11月に11作目となるアルバム「運命開花」を発表した。