竹原ピストル|まだまだこっから ブレイクを経て貪欲に突き進む歌うたいの道

ドンと啖呵切って終わるアルバムでもいいのかな

──「月光の仮面」や「のらりくらり」もライブ映えしそうな曲です。

その2曲なんて、ただただ楽しくなってほしいなあという気持ちで書いてますから。「月光の仮面」はちょっと甘酸っぱい、キュンとくるようなラブソングだし、「のらりくらり」はダメダメな旅芸人が路地裏をウロウロ歩いてるイメージ。伝えたいメッセージがそんなにないものでも楽しい気持ちになったり、聴いてくれた人が何か感じてくれたりしたらその解釈でいいですって丸投げしてる曲でもあるし。

──「ドライブトライブ ~初代機材車、二郎号に捧ぐ~」や「オーバー・ザ・オーバー」も、これから夏に向けて野外で聴きたいと思いました。ラストの「狼煙(朗読)」は昨年の「京都大作戦」でのライブ音源ですが、これはお客さんの声援も含めて1つの作品になっていますね。これをアルバムの最後に入れようと思ったのはなぜですか?

竹原ピストル

ライブの最後に「これからもがんばっていくんで、どうぞ応援よろしくお願いします」みたいなMCを入れて1曲歌ものを歌ったあと、続けざまに「狼煙」を朗読するのが去年のライブ活動の定番になっていたんです。平たく言ったら自分の野心を語っている詞ですから、最後にドンと啖呵切って終わるアルバムでもいいのかなって。あるいは過去にそういう啖呵を切っていた日々があった、みたいな感じ方でもいいと思うし。なので最後に入れるのがいいかなと思いました。

──竹原さんは新しい詞ができると曲を付ける前にライブで朗読されることも多いですが、「狼煙」は今後曲を付ける予定はあるんですか?

実は曲を付けていたんです。それも決して悪くないんですけど、なんか朗読のままで定着しちゃった珍しいパターンで。歌モノを披露したあとに、野心を決めた気持ち歌ってもコントラストに乏しいから、最後に「狼煙」で言い捨てて「ほんじゃさよなら」って感じにしてて。それをそのまま収録しようと。だからといって、この詞をスタジオのマイクの前でかしこまって朗読するのも違う気がして。面と向かってお客さんに朗読したもののほうがいいなと思ってライブ音源にしました。そういう意味でも最後「狼煙」で終わるのはライブの組み方と同じ流れだし、1曲目に戻ってまた旅をしていくっていういい循環ができていると思います。

俺はまだまだこっから

──6月から全国弾き語りツアーが始まりますが、今回はホールを回るということで昨年とはまた違ったライブが観られそうですね。ツアーファイナルは日本武道館ですね。

武道館、初めてやらせてもらいます。去年のライブと比べて今年のほうがすげくよくなってたと思ってもらえるようなライブをやりたいというのが第一ですけど、やっぱり会場の規模だったり、お客さんの数だったりを問わず、ただ今までやってきた通りにやろうとは思ってます。日本武道館となれば、紅白の出場が決まったときのように応援してくれてる人はみんな祝福してくださるだろうし、それが特別なプレッシャーとしてのしかかってくると思いますけどね。こんな晴れ舞台だからとんでもなくスペシャルなすごいことをやってやるって考えは一切ないです。

──これまでと変わらず。

竹原ピストル

うん。変わらずできるかの挑戦ですね。「キャパ20人のフォーク小屋だろうが、お客さん1000人が入るホールだろうが、俺は同じ緊張感、集中力でやる男だぜ」って口で言うのは簡単じゃないですか。だけど実際やったらどうなるのかはやってみなきゃわかんないところもあるし。そういう意味で「本当にお前、いつも通りできるんだろうな?」っていう挑戦ですね。特別な緊張はありつつも、「今までやってきたまんまやってやらあ」というモチベーションですね。俺はまだまだこっからだと思ってるし。それで何が完結するわけでもないしなっていう。武道館公演ってかけがえのない尊いものだとは思うけど、やっぱあくまで通過点だと思うんで。何か成し遂げた気にならなきゃいいなと思っています。

──もちろん通過点だと思いますし、変わらず自然体でできたら何よりも素晴らしいですね。

ずっとそんな気持ちでやっていけたらいいですね。今年のツアーが終わって、来年がまたちっちゃいフォーク小屋に戻りました、会場ちっちゃくなりましたでも僕は別にいいんです。とにかくちゃんと志を高く持ち続けていられるんだったら活動環境がどうなっていこうと、きっと自分の理想にたどり着ける日が来るだろうと思っているんで。全然力んでないし、浮かれてもない。ただ、絶対あきらめずに続けてやろうと思うだけであって。だから自分が上がるステージのデカさにはまったく執着がないんです。

──全国津々浦々のステージに立ってきたことが誰にも負けねえぞという自信につながっていると思いますので、ぜひとも歌い続けていただければ。

がんばります! とにかく楽しくやっていくつもりなので。

──ツアーを控える一方で、役者としても5月スタートのWOWOWの連続ドラマ「60 誤判対策室」に出演されますね。舘ひろしさん主演、そして監督は竹原さんと縁の深い熊切和嘉さんということで、こちらも楽しみにしております。

舘さん、カッコいい人でした。大杉漣さんがお亡くなりになったという知らせを聞いたのが、そのドラマの撮影現場に行く途中だったんです。移動中にマネージャーに電話がかかってきて、2人して何をどうしていいのかわからないショックに襲われて唖然としてしまって……うまく言えないんですけど、そういうときに信頼してやまない熊切監督の現場に行ったことで救われた部分があるんです。大杉さんとほぼ同い年の舘ひろしさんが元気にされている姿を見るとこっちも元気になるし。いろんなことを考えさせられたタイミングだったなと思います。

竹原ピストル
竹原ピストル「GOOD LUCK TRACK」
2018年4月4日発売 / SPEEDSTAR RECORDS
竹原ピストル「GOOD LUCK TRACK」初回限定盤

初回限定盤 [CD+DVD]
3564円 / VIZL-1352

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竹原ピストル「GOOD LUCK TRACK」通常盤

通常盤 [CD]
3132円 / VICL-64979

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CD収録曲
  1. ぼくは限りない~One for the show~
  2. Here we go!!
  3. ゴミ箱から、ブルース
  4. どーん!とやってこい、ダイスケ!
  5. 月光の仮面
  6. のらりくらり
  7. 本庄のド根性
  8. いくぜ!いくか!いこうよ!
  9. I miss you...
  10. 名も無き花
  11. ドライブトライブ ~初代機材車、二郎号に捧ぐ~
  12. オーバー・ザ・オーバー
  13. Amazing Grace
  14. 狼煙(朗読) ~Live at京都大作戦 2017~
初回限定盤DVD収録内容
  • よー、そこの若いの
  • リョウジ
  • Amazing Grace
  • カウント10
  • 俺たちはまた旅に出た
  • Forever Young
  • オーバー・ザ・オーバー
  • ぐるぐる

ツアー情報

竹原ピストル 全国弾き語りツアー “GOOD LUCK TRACK”
  • 2018年6月14日(木)東京都 NHKホール
  • 2018年6月22日(金)大分県 別府国際コンベンションセンター ビーコンプラザ
  • 2018年6月23日(土)宮崎県 都城市総合文化ホールMJ
  • 2018年6月25日(月)熊本県 くまもと森都心プラザ
  • 2018年6月26日(火)鹿児島 かごしま県民交流センター 県民ホール
  • 2018年6月30日(土)山梨県 東京エレクトロン韮崎文化ホール
  • 2018年7月2日(月)香川県 レクザムホール 小ホール
  • 2018年7月3日(火)愛媛県 松山市民会館 中ホール
  • 2018年7月5日(木)徳島県 あわぎんホール
  • 2018年7月6日(金)高知県 高知県立県民文化ホール グリーンホール
  • 2018年7月7日(土)佐賀県 佐賀市文化会館 中ホール
  • 2018年7月25日(水)石川県 北國新聞赤羽ホール
  • 2018年7月26日(木)富山県 富山県教育文化会館
  • 2018年7月29日(日)神奈川県 横浜ランドマークホール
  • 2018年8月15日(水)千葉県 市川市文化会館 小ホール
  • 2018年8月16日(木)群馬県 昌賢学園まえばしホール(前橋市民文化会館)
  • 2018年8月19日(日)滋賀県 滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール
  • 2018年8月21日(火)京都府 ロームシアター京都 サウスホール
  • 2018年8月23日(木)和歌山県 和歌山市民会館 大ホール
  • 2018年8月25日(土)三重県 NTNシティホール(桑名市民会館)
  • 2018年8月26日(日)岐阜県 岐阜市民会館 大ホール
  • 2018年8月28日(火)静岡県 静岡市民文化会館 中ホール
  • 2018年9月7日(金)栃木県 宇都宮市文化会館 小ホール
  • 2018年9月11日(火)愛知県 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
  • 2018年9月17日(月・祝)宮城県 電力ホール
  • 2018年9月25日(水)鹿児島県 ROADHOUSE ASIVI
  • 2018年9月26日(木)鹿児島県 ROADHOUSE ASIVI
  • 2018年9月29日(土)島根県 島根県民会館
  • 2018年9月30日(日)山口県 宇部市渡辺翁記念会館
  • 2018年10月2日(火)新潟県 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館
  • 2018年10月5日(金)北海道 小平町文化交流センター
  • 2018年10月6日(土)北海道 道新ホール
  • 2018年10月8日(月・祝)北海道 たかすメロディーホール
  • 2018年10月11日(木)秋田県 秋田市文化会館 小ホール
  • 2018年10月12日(金)山形県 山形テルサ アプローズ
  • 2018年10月14日(日)福島県 郡山市民文化センター 中ホール
  • 2018年10月18日(木)福井県 福井県県民ホール
  • 2018年10月19日(金)長野県 長野市若里市民文化ホール
  • 2018年10月24日(水)奈良県 やまと郡山城ホール 小ホール
  • 2018年10月25日(木)大阪府 オリックス劇場
  • 2018年10月27日(土)兵庫県 新神戸オリエンタル劇場
  • 2018年10月28日(日)鳥取県 鳥取市民会館
  • 2018年11月1日(木)茨城県 ひたちなか市文化会館 小ホール
  • 2018年11月8日(木)青森県 八戸市民会館
  • 2018年11月9日(金)岩手県 岩手県民会館 中ホール
  • 2018年11月14日(水)長崎県 チトセピアホール
  • 2018年11月15日(木)福岡県 福岡国際会議場 メインホール
  • 2018年11月17日(土)沖縄県 ナムラホール
  • 2018年11月24日(土)広島県 JMSアステールプラザ 大ホール
  • 2018年11月25日(日)岡山県 倉敷市芸文館
  • 2018年12月22日(土)東京都 日本武道館
竹原ピストル(タケハラピストル)
竹原ピストル
1976年生まれ、千葉県出身。大学時代の1995年にボクシング部主将として全日本選手権に出場した経歴を持つ。1999年に野狐禅を結成。2003年にデビューし、6枚のシングルと4枚のアルバムをリリースした。2009年に野狐禅を解散後、ソロ活動を開始。年間250~300本のライブ活動をしながらリリースを重ねる。2014年、野狐禅デビュー時に所属していたオフィスオーガスタに復帰し、10月にスピードスターレコーズよりニューアルバム「BEST BOUT」をリリースする。2015年11月にメジャー2作目となるアルバム「youth」を発表。2017年4月にアルバム「PEACE OUT」をリリースし、同年末に「第68回紅白歌合戦」に初出場を果たす。2018年4月にアルバム「GOOD LUCK TRACK」を発表。歌手のほかに俳優としての顔も持ち、映画「永い言い訳」の演技が評価され「第40回日本アカデミー賞」優秀助演男優賞を受賞した。