竹原ピストル|まだまだこっから ブレイクを経て貪欲に突き進む歌うたいの道

大杉漣さんにいいところを見せられるようにやるしかないな

──2曲目に収録されている「Here we go!!」は昨年末の中野サンプラザホールで披露した新曲ですね。今回はバンドアレンジでの収録です。

ときどきゲーム感覚でスタッフ陣に「曲書くからお題くれ」って出してもらうんですけど、ある日「じゃあ、卒業をテーマに」ってお題をいただいて書いた曲です。春に出すアルバムとしてはバッチリな曲に仕上がってるかなと思って。この曲はアレンジの骨組みも自分が考えたから、そういうのもひっくるめて楽しかったですね。

──これは弾き語りでやろう、これはバンドでやろう、とある程度決めてから作るんですか?

いや、全然決めてないです。それこそデモをごくごく近しいスタッフ陣に送るときって、なんでもありじゃないですか。弾き語りのまま渡すときもあれば、遊び心でアレンジ加えて提出することもあって。家にあるタンバリンを叩いて録音したものに、ギターを重ねたり。それはもう演奏のクオリティがひどいんですけど(笑)、このメンツに送る分にはいいだろうみたいな。それでときどきディレクターさんが「アレンジそのままでいいじゃん」って言ってくるときがあって。「ぼくは限りない~One for the show~」も「Here we go!!」もそうだったから、すごくうれしいです。みんなで「せーの」でバーンと録って、「ああ、バッチリ。終わり」みたいな。潔いワイルドな録り方になったので、楽曲も生き生きしてんじゃないかなと思います。

──「ゴミ箱から、ブルース」はテレビ東京系ドラマ「バイプレイヤーズ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら~」のエンディングテーマでした。最終回はご覧になられましたか?

竹原ピストル

観ました。大杉漣さんへの追悼の気持ちが伝わって来る場面と、物語として完結する完成度の絶妙なバランスが本当に素晴らしくて。松居大悟監督はすごい人だと思いましたし、自分の歌を使ってもらったことを誇りに思いました。大杉漣さんの死は、あまりに唐突なことで気持ちの整理がつかない部分が今でもあるんですけど、自分がやるべきこと、やれること、やっていきたいことに全力で挑戦していくしかないよなと思って。大杉漣さんにいいところを見せられるようにやるしかないなってことで、今は心が落ち着いているんです。役者のお仕事もいただけるんだったら、もっともっとやってみたいと思ったし。やりたいと思ったことは全部やろう。そういうスイッチを押してもらえたような気がします。

──大杉さんはこの曲に対して「竹原ピストルが、再び銃弾をぶち込んでくれた。標的は永遠の悪童バイプレ五人。真剣勝負のPEACE&BLUES。さてと、いっちょ戦いますか!!」とコメントされていました。

「ゴミ箱から、ブルース」は溜めていた曲の1つで、お話をいただいたときに「バイプレイヤーズ」だったらこれしかねえだろって自信を持って出したものだったんです。エンディングシーンの撮影で、先輩方の前でこの歌を歌わせていただいているわけですけど、やっぱ恐れ多い気持ちでしたね。要するに、「堂々巡りの思いを形にもしないで勝手にあきらめんなよ」っていう歌なんですけど、それをずっと形にして戦い続けてきた先輩の前で歌わなきゃいけないわけですから。おこがましいと言うか、なんと言うか……というドキドキはありました。歌ってるときに緊張でヒザが震えたのはひさしぶりでした。「バイプレイヤーズ」は伝説の名作としてずっと残るでしょうね。

ラップはやっぱプロに聞くのが一番早い

──冒頭3曲だけでいろんな感情が伝わってきますが、そのあとに続く「どーん!とやってこい、ダイスケ!」や「本庄のド根性」のような振り切った楽曲も楽しいです。「本庄のド根性」は大学のボクシング部時代の本庄先輩への応援歌なんですね。

自分ではすごい気に入ってるんですけど、変なの作っちゃったなあという思いもあります。ただ、後輩が先輩の試合の応援してるだけですから(笑)。でも、レコーディングもひっくるめて楽しかったです。

──日本語でのラップはもともとお好きということで、今作でも要所要所で披露されていますね。そう言えば、今年1月のMOROHAの企画ライブに出演された際、韻の踏み方はMOROHAのアフロさんに習ったとおっしゃってました。

竹原ピストル

共演したことのあるいろんなラッパーさんに、韻の踏み方とかずっと質問してきたんですけど、MOROHAのアフロに関しては直接メールで「この言葉で韻踏むとしたら何がある?」くらい具体的なところまで習ってるんです。「1回単語を全部韻にしてみるのも1つの手かもしんないっすねー」って言われて、「なるほど! そうやっていくのか」って納得したり。お題を出し合ってリリック書き合う言葉遊びもときどきしたり。あいつはそういうのを喜んで、真面目に教えてくれるタイプなので、すごく頼りにしてる先生なんです。だからメールでやりとりして、「じゃあ、次のテーマは犬で」って。「マイクチェック、ワン!」とかアホみたいな遊びをしたり(笑)。そういうことができる大事な存在なんです。あいつと共作のリリックが2、3曲分あるんですけど、まあ世に出ることはないでしょう。

──竹原さんは音楽仲間にも恵まれてますよね。

いや、ありがたいです。僕、これまでいろんな方に韻の踏み方を聞いてきましたけど、どんないかつい人もめっちゃ親切に教えてくれました。「まず、文章をビートに乗っけて言ってみる。それに慣れてくると、なんとなく韻が踏めそうなところが見えてくるから」とか。ある人は「流れ作業のバイトやってるときリズムに合わせて頭の中でずっと同じ韻で踏み続ける鍛錬をした」とか丁寧に教えてくれて。なるほど!って。やっぱプロに聞くのが一番早いですから。

竹原ピストル「GOOD LUCK TRACK」
2018年4月4日発売 / SPEEDSTAR RECORDS
竹原ピストル「GOOD LUCK TRACK」初回限定盤

初回限定盤 [CD+DVD]
3564円 / VIZL-1352

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竹原ピストル「GOOD LUCK TRACK」通常盤

通常盤 [CD]
3132円 / VICL-64979

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CD収録曲
  1. ぼくは限りない~One for the show~
  2. Here we go!!
  3. ゴミ箱から、ブルース
  4. どーん!とやってこい、ダイスケ!
  5. 月光の仮面
  6. のらりくらり
  7. 本庄のド根性
  8. いくぜ!いくか!いこうよ!
  9. I miss you...
  10. 名も無き花
  11. ドライブトライブ ~初代機材車、二郎号に捧ぐ~
  12. オーバー・ザ・オーバー
  13. Amazing Grace
  14. 狼煙(朗読) ~Live at京都大作戦 2017~
初回限定盤DVD収録内容
  • よー、そこの若いの
  • リョウジ
  • Amazing Grace
  • カウント10
  • 俺たちはまた旅に出た
  • Forever Young
  • オーバー・ザ・オーバー
  • ぐるぐる

ツアー情報

竹原ピストル 全国弾き語りツアー “GOOD LUCK TRACK”
  • 2018年6月14日(木)東京都 NHKホール
  • 2018年6月22日(金)大分県 別府国際コンベンションセンター ビーコンプラザ
  • 2018年6月23日(土)宮崎県 都城市総合文化ホールMJ
  • 2018年6月25日(月)熊本県 くまもと森都心プラザ
  • 2018年6月26日(火)鹿児島 かごしま県民交流センター 県民ホール
  • 2018年6月30日(土)山梨県 東京エレクトロン韮崎文化ホール
  • 2018年7月2日(月)香川県 レクザムホール 小ホール
  • 2018年7月3日(火)愛媛県 松山市民会館 中ホール
  • 2018年7月5日(木)徳島県 あわぎんホール
  • 2018年7月6日(金)高知県 高知県立県民文化ホール グリーンホール
  • 2018年7月7日(土)佐賀県 佐賀市文化会館 中ホール
  • 2018年7月25日(水)石川県 北國新聞赤羽ホール
  • 2018年7月26日(木)富山県 富山県教育文化会館
  • 2018年7月29日(日)神奈川県 横浜ランドマークホール
  • 2018年8月15日(水)千葉県 市川市文化会館 小ホール
  • 2018年8月16日(木)群馬県 昌賢学園まえばしホール(前橋市民文化会館)
  • 2018年8月19日(日)滋賀県 滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール
  • 2018年8月21日(火)京都府 ロームシアター京都 サウスホール
  • 2018年8月23日(木)和歌山県 和歌山市民会館 大ホール
  • 2018年8月25日(土)三重県 NTNシティホール(桑名市民会館)
  • 2018年8月26日(日)岐阜県 岐阜市民会館 大ホール
  • 2018年8月28日(火)静岡県 静岡市民文化会館 中ホール
  • 2018年9月7日(金)栃木県 宇都宮市文化会館 小ホール
  • 2018年9月11日(火)愛知県 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
  • 2018年9月17日(月・祝)宮城県 電力ホール
  • 2018年9月25日(水)鹿児島県 ROADHOUSE ASIVI
  • 2018年9月26日(木)鹿児島県 ROADHOUSE ASIVI
  • 2018年9月29日(土)島根県 島根県民会館
  • 2018年9月30日(日)山口県 宇部市渡辺翁記念会館
  • 2018年10月2日(火)新潟県 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館
  • 2018年10月5日(金)北海道 小平町文化交流センター
  • 2018年10月6日(土)北海道 道新ホール
  • 2018年10月8日(月・祝)北海道 たかすメロディーホール
  • 2018年10月11日(木)秋田県 秋田市文化会館 小ホール
  • 2018年10月12日(金)山形県 山形テルサ アプローズ
  • 2018年10月14日(日)福島県 郡山市民文化センター 中ホール
  • 2018年10月18日(木)福井県 福井県県民ホール
  • 2018年10月19日(金)長野県 長野市若里市民文化ホール
  • 2018年10月24日(水)奈良県 やまと郡山城ホール 小ホール
  • 2018年10月25日(木)大阪府 オリックス劇場
  • 2018年10月27日(土)兵庫県 新神戸オリエンタル劇場
  • 2018年10月28日(日)鳥取県 鳥取市民会館
  • 2018年11月1日(木)茨城県 ひたちなか市文化会館 小ホール
  • 2018年11月8日(木)青森県 八戸市民会館
  • 2018年11月9日(金)岩手県 岩手県民会館 中ホール
  • 2018年11月14日(水)長崎県 チトセピアホール
  • 2018年11月15日(木)福岡県 福岡国際会議場 メインホール
  • 2018年11月17日(土)沖縄県 ナムラホール
  • 2018年11月24日(土)広島県 JMSアステールプラザ 大ホール
  • 2018年11月25日(日)岡山県 倉敷市芸文館
  • 2018年12月22日(土)東京都 日本武道館
竹原ピストル(タケハラピストル)
竹原ピストル
1976年生まれ、千葉県出身。大学時代の1995年にボクシング部主将として全日本選手権に出場した経歴を持つ。1999年に野狐禅を結成。2003年にデビューし、6枚のシングルと4枚のアルバムをリリースした。2009年に野狐禅を解散後、ソロ活動を開始。年間250~300本のライブ活動をしながらリリースを重ねる。2014年、野狐禅デビュー時に所属していたオフィスオーガスタに復帰し、10月にスピードスターレコーズよりニューアルバム「BEST BOUT」をリリースする。2015年11月にメジャー2作目となるアルバム「youth」を発表。2017年4月にアルバム「PEACE OUT」をリリースし、同年末に「第68回紅白歌合戦」に初出場を果たす。2018年4月にアルバム「GOOD LUCK TRACK」を発表。歌手のほかに俳優としての顔も持ち、映画「永い言い訳」の演技が評価され「第40回日本アカデミー賞」優秀助演男優賞を受賞した。