これは私が「絶対に外せない」と主張した曲です（笑）。

──2曲目もやっぱりディープですね（笑）。伝説の子供向け番組のオープニング曲ですが、30代以下の方はわからないかもしれません。

これは相当マニアックなんですけど、本っ当に面白い番組だったんです！ 私が小学1年生のときに観ていたので、30代以下の方は知らないかもしれないんですが、この曲をきっかけに観てもらいたい！（笑） 一見バカバカしく見えるけど実は深い世界観を堪能してほしいですね。宍戸錠さんや藤村俊二さんや常田富士男さんや吉田日出子さんが出ていて、そのほかにも芸能人の方たちがみんな出たがった、とてもクリエイティブな作品だったんです。

──番組の音楽を手がけていたのは宮川泰先生。本当に独特なスキャットですよね。

演奏者に聞いたら、アレンジもテンポもものすごく難しい曲だったらしいんですけど、この本当に意味があるのか？と思えるような歌詞をそれこそ命懸けで真剣に歌ってみました（笑）。でも、この曲を聴いたら、絶対にこの番組だとわかる。そういう象徴的な曲だから、私と同世代の方たちなら、皆さん知っていると思いますよ。今となってはこの曲を聴く機会もなかなかないと思いますので、これを機にぜひ思い出してほしいですね。

──「カリキュラマシーン」からユーミン。振れ幅が非常に大きい曲順です（笑）。

この曲は大月さんのアイデアです。アニメの主題歌でもあり、とても王道のポップスでもある曲ですよね。私は由実さんのコーラスを5年間務めていたんですが、実は小学生の頃に由実さんの曲の楽譜を買って弾き語りをしていたぐらいで。長い長い間抱いていた、いつか歌わせていただきたい大先輩の曲を歌うという夢が叶いました。

──聴いていて感じたのですが、ユーミンさんの歌い方を意識されましたか？

していないんだけど、似ちゃうんです！ どこか似ているんですよ。由実さんのコンサートのときも、リハーサルで由実さんがいらっしゃらないときに仮歌を歌わせていただいたこともありましたし、今でも気付くと、「あれ？ 似てきてる？」と思うようなこともあったり。由実さんにも「私のモノマネしてるんだって？ やってみてよ」と言われたことがあります（笑）。あれは怖かった……。

──今のモノマネもかなり似てました（笑）。

モノマネをしてるんじゃなくて、なっちゃうんです。それだけ由実さんの歌は個性的だということでもあるんですけど。あと、由実さんほど音程のいい人はいないと思います。どんなときでもピッチがブレない。少しもフラットしたりシャープしたりせずにジャスト真ん中を歌えるんです。歌もうまいし、曲もいいし、世界観もいいし、おしゃれ。今回、改めて由実さんのすごさを知りました。本当に天才ですね。とても敵わない存在ですが、尊敬の意を込めて歌わせていただきました。

──ユーミンさんに今回のカバーのことは？

かなりご無沙汰してしまっていて連絡できていないんですが、このあとCDを送らせていただく予定です。カバーの場合、作詞作曲をされた方には印税のお支払いという形でお知らせが行くのですが、歌い手さんにはお知らせがないんですよ。実際、私がそうですし。でも、やっぱり歌い手さんがあってこそ、その歌が多くの人に親しまれているわけですから、敬意をもって接したいんですね。だから、私は前作からアルバムを皆さんに送るようにしているんです。で、今回のカバーをきっかけに由実さんのラジオのゲストに呼んでいただけるようナタリーさんからもぜひお伝えください（笑）。

──これはアニメソングの定番中の定番ですね。

これも大月さんのアイデアです。というか、大月さんのカラオケの十八番（笑）。この曲を現代の女性が歌ったらどうなるか、というのはある種のチャレンジでした。「こういうふうにきたか」という仕上がりになったと思います。

──熱く歌い上げることもできたかもしれませんが、あえて涼やかなボサノバのアレンジで。

カフェでかかっていても、誰も「ヤマト」の曲とは気付かないかもしれません（笑）。

──前回のインタビュー（参照：高橋洋子「真実の黙示録」インタビュー）で高橋さんはアニメのエンディングテーマフェチだというお話をしていましたけど、今回もその趣味が出ていますね。

存分に（笑）。ただ、私は女子なので、この曲をカラオケで歌うようなことはなかったんですね。アニソンを愛する人たちにものすごく愛されている曲なので、いつか歌わせていただきたいと思っていたんです。