テミン|一番明るい瞬間を目指して 初ソロツアーに見た“表現者・テミン”の意思と情熱

ソロアーティスト・テミンにとっての“第一歩”

「TAEMIN Japan 1st TOUR ~SIRIUS~」の様子。
テミン

オープニングで“命”そのものを表現したテミンは、2曲目の「MOVE」で一転、サイバーシティの映像を背景にデコラティブな衣装の仲間たちとパワフルに身体を弾ませる“都市の住人”へと姿を変える。楽曲の世界観に応じてダンスジャンル、ダンサーとのフォーメーションを臨機応変に切り替えていくパフォーマンスは、彼の大きな持ち味と言える高いダンススキルがあればこそ。ダンサーたちと楽しげな群舞を見せた「Into The Rhythm」、白いピアノの上で柔らかなソロを踊る「Better Man」、松明の炎に囲まれただけのシンプルなセンターステージで激情を爆発させた「Flame of Love」と、テミンは曲を重ねるごとに新しいシーンを次々と展開していった。本編の最後にハードなダンスナンバー「TIGER」を置いてもなお“加速”するような、エネルギーに満ちた彼のパフォーマンスには圧倒されるばかりだった。

テミン

またボーカルの面でも、ダンスと同様常に進化する姿を見せてくれたテミン。「Press Your Number」では言葉の端々に切なさをにじませる歌声で曲の主人公の心情をリアルに描き出しつつ、随所に心地よいフェイクを入れてパフォーマンスを楽しむ姿が印象的だった。「皆さんと一緒に歌いたい」と願いながら制作したという「MARS」ではハンドマイクで観客に呼びかけ、ファンの声を受け止めながら楽しげに歌声を響かせた。Blu-ray / DVDにはSHINee「Keeping love again」を歌う姿が収められているが、各地でその日限りの楽曲をアカペラで披露していたMC中のひとコマからも、彼の柔らかくも芯の通った歌声の魅力を感じることができる。そして、テミンの歌へのこだわりが最もよく表れていたのは、アンコールで披露された「Under My Skin」だろう。「TAEMIN」のリード曲をアンコールのハイライトとして、ダンスを踊らずスタンドマイクで豊かに歌う姿からは、ダンスパフォーマンスを真っ先に評価されがちな彼が「この曲では僕の姿だけでなく、声の表現や歌詞の世界観、全部を含めて見せたいんです」と語っていた、歌への強い情熱が見て取れた。

ライブのラストナンバーとして届けられた「HOLY WATER」は、テミンがステージに立つ自分を想像しながらアルバム「TAEMIN」の収録曲に選んだという楽曲。ファンのペンライトが力強く掲げられ大きな一体感が生まれるこの曲で、彼は「時は満ちた」「立ち上がれよ」と歌う。曲前のMCで、テミンは「シリウスのように一番明るい瞬間を作れましたか?」と人懐っこい笑顔を見せると同時に、「このツアー『SIRIUS』は、僕にとっての“第1歩”です」とも宣言していた。1人で全国を巡り、ファンとの絆を強めたこのツアーの先に期待と希望をにじませるようにして幕を閉じた「SIRIUS」。実際に、2月末に行われた先行上映会で流されたテミンからのメッセージには「暑くなる前に会いたいですね」というひと言が添えられていた。パワフルに前進し、ソロアーティストとしても一層の輝きを放つ彼が次にどんな姿を見せてくれるのか期待を抱きつつ、次の知らせを待とう。

テミン
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またツアー「SIRIUS」本編とは離れるが、SHINeeのInstagram公式アカウントにはテミンが全国各地をツアーで回った際の楽しい記録が「#テミンの想い出帳」というハッシュタグでまとめられている。パフォーマンス中に見せる凛とした表情とは違う、穏やかな素顔もテミンの魅力の1つ。ひと味違った角度からテミンの初めての全国ツアーを振り返ることができるので、気になる人はこちらもチェックしてみては。なお3月27日には、ツアーの合間に沖縄で撮影が行われたテミンの1stソロ写真集「PORTRAIT」も発売となる。