テミンが3月13日にライブBlu-ray / DVD「TAEMIN Japan 1st TOUR ~SIRIUS~」をリリースする。
この作品は、彼が2018年の秋、約3カ月にわたって実施した初の全国ソロツアー「TAEMIN Japan 1st TOUR ~SIRIUS~」より、追加公演として行われた東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナでのライブの模様を記録したもの。日本での初のソロアルバム「TAEMIN」の収録曲を中心に構成されたこのツアーは、「いつかホールツアーをしたい」というテミンの思いを実現するものだった。この特集ではツアーを振り返りつつ、「SIRIUS」のステージに凝縮されていたテミンのライブの魅力を掘り下げる。
文 / 三橋あずみ
“一番明るい星”シリウスのように
9月21日の神奈川・よこすか芸術劇場公演を皮切りに全18会場・計32公演が行われたテミンの1stジャパンツアー「SIRIUS」は、2016年に日本ソロデビューをしたときから「いつか僕もホールツアーをして皆さんに会いたい」という希望を胸に抱いていたテミンにとって2年越しの念願が叶うひとときでもあった。「SIRIUS」は「“一番明るい星”シリウスのように、このライブを一番明るい瞬間にしたい」という思いを込めてテミンが付けたライブタイトル。そんなツアーのステージで、彼はその一挙手一投足に目を見張るようなしなやかで美しい身体表現を、オープニングからエンディングまでの約2時間30分にわたって見せ続けてくれた。
ライブの幕開けを告げたのは、宇宙や生命の誕生を示唆するような壮大なオープニングVTR。誕生の瞬間を待ち、薄い膜の中でうごめく“生命体”を表現するテミンの姿に観客たちの静かで熱い眼差しが注がれると、次の瞬間、眼前の景色は空の上へと切り替わる。ステージの前に下ろされた紗幕に映し出される一面の雲の奥、真っ白な衣装をまとったテミンは「DOOR」を歌いながら、生まれたばかりの命が地上へと舞い落ちる様子を神秘的なダンスで描き出してみせた。コンセプチュアルな舞台演出とテミンの雄弁な身体パフォーマンスとの融合は「SIRIUS」の核を成すものとして随所でオーディエンスの目を奪ったが、ツアー中にライブ映像も公開された「ECLIPSE」はその中でも特筆すべきシーン。この曲でテミンは2つの可動式LEDビジョンに映される映像と自身の動きをシンクロさせた幻想的なパフォーマンスを展開し、彼がビジョンに“入り込む”と狼の姿になるギミックは観客を大いに驚かせた。
ツアーと同タイミングでリリースされた1stフルアルバム「TAEMIN」について、彼はインタビューで「これまでは僕のことをただただ見せるパフォーマンスが多かったと思いますが、新曲は皆さんと一緒に作るライブステージのイメージを頭に思い浮かべながら収録したんです」と話していた(参照:テミン「TAEMIN」インタビュー)。これまで披露してきたステージよりも、もっと観客を自身の思い描く世界に巻き込み、もっと大きな一体感を得られるライブを。アルバム収録曲を要所に散りばめた「SIRIUS」のステージでは、テミンのそういった意思が演出、ダンスや歌のパフォーマンス、観客とのコミュニケーションなどさまざまな角度から具現化されていた。
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ソロアーティスト・テミンにとっての“第一歩”