Swimy|新体制で自由に作り上げた初の魚ソング

「みんなのうた」に書き下ろした「僕と魚の物語」

──約1年ぶりのリリースとなる新曲「僕と魚の物語」はNHK「みんなのうた」との縁で生まれたんですよね(参照:Swimyが描く“僕と魚の物語”「みんなのうた」でOA)。

Takumi はい。お話をいただいたあと、3曲くらい書いて提出させていただきました。そのうち2曲は、「NHK『みんなのうた』だし」ってことでいいことを歌った、涙を誘うような感じの曲を書いたんですよ(笑)。

タイキロイド(G, Cho)

タイキロイド ドウトクシンヲハグクムヨウナキョクヲ。

Takumi そうそう。でも、僕の中にはSwimyだからこそ描ける、ちょっとぶっ飛んだ曲でも受け入れてもらえるんじゃないかなっていう思いもあって。それで書いたのが「僕と魚の物語」だったんです。3曲の中で一番気に入っていたので、それを選んでいただけたことがすごくうれしかったですね。

──どこか懐かしい歌謡曲的なメロディですよね。

Takumi 僕が親が聴いていた昔の歌謡曲がけっこう好きなので、この曲ではそういう雰囲気を出したいなと思ったんですよね。子供にもわかりやすいキャッチーな響きもあるし、親世代には懐かしく響く部分もあるから幅広い層に届く曲になるんじゃないかなって。で、そういう軸は押さえつつ、サウンドに関しては遊び心満載で作っていった感じですね。

──いい意味でバンドという枠にとらわれないサウンドメイキングはSwimyとして斬新な感じがあります。それも3人になったことで手に入れた自由度が影響しているんでしょうね。

Takumi そうかもしれないですね。バンドバンドしすぎると言うよりは、小学校のときの合唱曲のようなイメージがありました。ピアノを弾ける子がガッツリ伴奏してる中で、カスタネット役や木琴役の子が楽しく演奏していくみたいな。誰もが慣れ親しんだ音でアレンジを構成することはけっこう意識しましたね。歌に関しても僕らは合唱的なイメージを常に大事にしてるところがあるので、それを今回は全面に出した感じ。1人では歌いづらいかもしれないけど、みんなで歌うとすごく気持ちいいっていう。

平成のまお この曲、ずっと高音なんですよ。しかもサビよりAメロのほうが高いんで、最初からがんばらないといけないっていう。初めはけっこう大変でしたけど、気合いを入れて歌えば歌うほどどんどんその高音が楽しくなっていったんで、人前で歌うのが楽しみになってくる感覚もありました。この曲は音源とライブでは聴こえ方の印象が変わるような気がしているので、どんな反応が返ってくるかワクワクしてますね。

──コーラスでタイキロイドさんの声も聞こえてきますね。

タイキロイド ハイ。イママデハ“ウー”トカ“ハー”トカバッカリダッタンデスケド、コンカイノサビデハ、ハジメテカシノアルコーラスヲヤッタノデ、スゴクオモイイレノアルキョクニナリマシタ。

人間社会の現実にも当てはまる初の“魚ソング”

──魚の世界を体験した曲の主人公である“僕”が、最終的に魚をお寿司としておいしくいただいてしまうという歌詞の世界観は最高ですよね。

平成のまお 衝撃的なオチですよね。「結局、食べるんかい!」っていう(笑)。

Takumi 昔の歌謡曲って実はけっこうめちゃくちゃなこと歌ってたりするじゃないですか。何でもアリな感じが今の楽曲よりも強いような気がしたので、この曲ではそういう要素も入れたかったんです。突っ込みどころのある歌詞をまじめに歌っていくっていう。これを聴いた子供たちにとって、いい意味でトラウマになってくれたらなと(笑)。

タイキロイド アルイミ、バッドエンドデスカラネ。

平成のまお そうやな(笑)。優雅に泳ぐ魚に憧れて“サカナ体験機”に入ったのに、実際は疲れても眠くても泳ぎ続けなきゃいけないという魚のしんどい現実も叩きつけられてしまうわけやし。子供にとっては厳しい曲ですよね(笑)。

Takumi でもそれくらいの内容だからこそ記憶に深く刻み付けられる部分もあるじゃないですか。この曲を聴いて育った子供は魚には憧れない子になるかもしれない、でもお寿司はおいしくいただく子になるみたいな(笑)。で、この曲を大人になったときに改めて聴いてもらえれば、「実はこんなことを歌ってたんだな」って気付いてもらえたりもするだろうし。

──この曲で描かれている魚の世界の厳しさは、そのまま人間にとっての現実に当てはまるものでもありますからね。

Takumi(Vo, G)

Takumi そこも意識して書いたところではあって。魚の物語ではあるけど、人間の人生にも置き換えて受け取ってもらえるような言葉選びをしたつもりなんです。そこに気付いていただけたのはうれしいですね。

平成のまお 私は説明されるまでまったく気付かへんかったけど(笑)、そういう部分を感じながら楽しんでもらえたらうれしいですよね。私たちにとって記念すべき初めての魚ソングでもあるので。

──あ、そうなんですね。バンド名がSwimyなのに。

Takumi 僕らが魚の曲をやるのってベタすぎるじゃないですか。「サブイ、サブイ!」みたいな(笑)。だから逆にやろうと思えなかったんですよ。

平成のまお そこに踏み込めたのは「みんなのうた」のおかげやね。いいきっかけがいただけてよかったです。

Swimy「僕と魚の物語」
2018年1月10日 / アリオラジャパン
Swimy「僕と魚の物語」

[CD]
1000円 / BVCL-856

Amazon.co.jp

収録曲
  1. 僕と魚の物語
  2. しゅるる
  3. 天使と悪魔の歌

公演情報

Swimy ツーマンshow!! L.O.L page-2~二重奏~

2018年3月3日(土)京都府 KYOTO MUSE
<出演者>
Swimy / バンドごっこ

Swimy ワンマン show!! L.O.L page-2~独演会~

2018年3月23日(金)東京都 shibuya eggman

Swimy(スイミー)
Swimy
2011年に滋賀県で結成された男女混声のロックバンド。テレビアニメ「銀魂°」のエンディングテーマとして書き下ろした楽曲「あっちむいて」をシングルリリースし、2016年3月にアリオラジャパンからメジャーデビューした。6月にミニアルバム「おひとりさま」を発表。テレビアニメ「NARUTO-ナルト- 疾風伝」の2017年1月クールのエンディングテーマに提供した「絶絶」を含む新作CD「絶絶ep」を2月に発売した。2017年7月にみっけ(Vo, Dr)が脱退。以降、Takumi(Vo, G)、平成のまお(Vo, B)、タイキロイド(G, Cho)の3人体制で活動を行っている。2018年1月にNHK「みんなのうた」のために書き下ろした「僕と魚の物語」をシングルでリリース。