リビングで完成した「あっちむいて」

──Swimyはどうやって曲作りをしているんですか？

Takumi　今は4人で一緒に暮らしているので、家のリビングで曲ができあがることが多いです。僕がある程度タタキを作って、リビングにみんなを呼んでそれを聴かせて。で、軽くレコーディングできる環境があるので、そこでデモを作ったら、スタジオで実際に演奏してみるという感じですね。そのほうが時間とか気にせずにのんびりと作れるんですよ。

──Takumiさんのデモをみんなで肉付けしていくと。

Takumi　いや、そればっかりじゃなくて、僕が完璧に作りきってしまってメンバーに歌だけ歌ってもらって、完成したあとに聴かせるパターンもあります。でもリビングで完結することが多いですね。あと、曲作りのときはギターのフレーズやリフよりも、声でまず何を入れられるのかっていうのを考えることが多くて。「Aメロの裏にどんなギターを入れようか」ではなく、「Aメロの裏にどんなコーラスを入れようか」というのが先。声の割り振りを決めて、最後に楽器で色付けしていく感じなんですよ。

平成のまお　そうそう。声の隙間を埋めていく感じですね。

──なるほど。今回のシングルのタイトル曲「あっちむいて」もリビングで完成した曲なんですか？

Takumi　そうですね。ご近所迷惑にならない声の出し方を模索して家でデモを録りました。家で全部できるっていうのは便利でいいですよね。今の時代に生まれてよかったなって思います。

言葉の語呂とリズムとメロディを楽しんでほしい

──「あっちむいて」は「銀魂°」のエンディングテーマのために書き下ろした曲とのことですが、お題ありきで曲を作ったのは今回が初めてですか？

Takumi　そうですね。人生初です。いやあ、すごい難しかったです。ライブ終わりにプリプロがあって、夜中の12時くらいにレコーディングスタジオに入って。でもなんか歌詞がこれじゃないなと思って、朝8時くらいまでみんなに待ってもらって歌詞を書いて、みんなに歌ってもらって。

──Takumiさんが悩んでるときはほかの3人はどうしてるんですか？

平成のまお　うーん、「あっちむいて」のときは寝てましたね。

みっけ　あはは（笑）。ライブ終わって疲れてたから寝ちゃったね。

Takumi　寝てたね。僕が制作で煮詰まってるとき、だいたいみんな気持ちいい顔して寝てるんですよ。

平成のまお　そうそう。で、目が覚めたときに「どんな感じ？」とか呑気に話しかけたり（笑）。

みっけ　その節はすみませんでした（笑）。

Takumi　まあそっとしておいてくれてる……んですかね（笑）。「あっちむいて」は原曲ができたときに「これ絶対イケる」っていう衝撃が自分の中であった曲なんですけど、ちゃんと形にするまで半年くらいかかっちゃいました。

──歌詞に関してはわかりやすい言葉が多くて、子どもたちも観るアニメにぴったりだなと思いました。

Takumi　ほんまですか？ 歌詞の意味を咀嚼して味わうよさもあると思うんですけど、この曲に関しては言葉の語呂とリズムとメロディがスッと入ってきて、簡単に乗れちゃうみたいな、そういうのを意識して言葉とメロディを考えたんですよ。だからそう言ってもらえるとすごくうれしいです。

より大きな場所でより多くの人と合唱したい

──最後に今後どんなアーティストになりたいかを教えてください。

平成のまお　具体的に目標としてるアーティストはいないけど、国民的な存在にはなりたいですね。年齢とか関係なく誰もがわかるようなアーティストになれたらいいなと思っています。

Takumi　そうだね。バンドシーンに対してアプローチをかけていきたいというのもありつつ、バンドというスタイルにこだわりすぎずにやっていきたいです。音楽グループという括りというか。

平成のまお　曲によっては違う楽器を弾いたり。

Takumi　うん。許されるのであれば4人が歌って踊るだけの曲とか（笑）。

──このメンバーで、この歌声さえあればSwimyだという。

平成のまお　そう。初めは「なんやこれ」と思っても、SwimyがやるとSwimyっぽくなるなって思ってもらいたい。

Takumi　そういう意味ではバンドというものを1つのエンタテインメントとして表現していきたいですね。ミュージカルとかにも負けないくらいのものを作っていきたい。それでみんなが僕らの曲を口ずさんでくれるようになってもらえたら。僕は数万人規模の会場でライブを観たときに、お客さんがシンガロングする様子を観て感動することが多くて。ああいうのを自分らも巻き起こしたいです。より大きな場所でより多くの人と合唱したいですね。