SUPER★DRAGON|さよなら2020年 “黒の衝撃”を置き土産に

ファンのみんなが目の前にいるときと同じ感覚でメンバーが1つになった

──9月の「5th anniversary ONLINE LIVE」も本当に熱量のあるライブで、スパドラの5年間の集大成を見せてもらったような気がします。すごくいいライブでしたよね。

 めちゃくちゃよかったです、我ながら(笑)。オンラインライブは目の前にファンのみんながいないから、そこで得る感動やモチベーションはやっぱりどうしても生のライブのほうが圧倒的に大きいとは思うんですけど……それでも自分たちは、オンラインならではの挑戦をして前人未踏を達成していこう、とにかく攻めたことを、誰にも負けないことをやっていこうぜというスタンスでやっていたので。だからこそ、この日のライブは5周年を彩るようなものになったと思います。なんだろう、ファンのみんなが目の前にいるときと同じ感覚で、あそこまでメンバーが1つになってライブができて……その場にいたスタッフさんたちも僕らを観て「すげえな」と思ってくれたみたいなので、皆さんにもしっかりと熱量が伝わったと信じているんですけど。

──しっかり伝わりましたし、「これは見逃せないな」という気持ちで画面に注目させられるような感覚でした。

彪馬 今回、セットリストを組むところからすごくこだわったんです。

和哉 例えば1曲目の「Monster!」なら、通常のものにするか、リミックスバージョンにするか、そこからの話し合いなんですよ。「5周年だから通常にする?」「でもリミックスのほうが踊りの迫力があるから……」みたいな感じで悩みながら。

玲於 曲中でやっていることがライブごとに違う曲もけっこうあるから、どちらの振りを踊るのか?とかもね。「SWEET DEVIL」は通常の振りと「九龍領域」用に作った振りがあって、今後は新しい振りメインでいくことになってはいたんですけど、今回は5周年記念だからもともとのほうでやろう、とか。1つひとつメンバー内でディスカッションして決めました。

5周年というタイミングでパワーのある曲を

──そして、ライブのハイライトといえる場面で、新曲の「Burning in the nights」が初披露されました。この曲はメンバーがガッツリと制作に関わった曲ということですが……。

彪馬 はい、本当に1から。「こういう曲を作りたい」というところから、僕ら発信だったんです。

──そうなんですね。

 自分たちが言い出さなかったら存在していない曲なんですよ。最初、ジャンと彪馬が「5周年というタイミングでパワーのある曲が欲しい」と切り出したのをきっかけに、「確かにそうやな」とみんなで話し合って。スタッフさんには「本人たちの意思が一番だから」と制作を進めることに理解と許可をもらい、そこから具体的にどうするか、9人のグループLINEで決めていったんです。

ジャン あのとき、9人のグループLINEめっちゃ動いてたもんな(笑)。

 曲の制作依頼をプロデューサーさんに投げるにしてもイメージがある程度固まってなきゃいけないから、リファレンスを作るために「こういう曲はどうだ?」とアイデアをたくさん出し合ったし、「こう組み立てていく構成がいいんじゃないか」とか、ホントにめっちゃ細かいところまで。そうやって決めていったものをまとめて、プロデューサーのUTAさんにお話をさせていただいて。UTAさんとのミーティングでは僕らの5年間の活動の話から始まり……こういう思いでやってきて、こうあり続けたいんです、こうなっていきたいんです、UTAさんに作っていただくことによって、こういう攻め方ができるようになりたいんです、と熱弁しました。その思いをUTAさんが汲み取ってくれて完成したのが「Burning in the nights」なので、もう自分たちとしては感無量なんですよ。

──そんなにメンバー主導だとは思っていなかったのでビックリしました。9人にとって大切な曲を作るにあたって、UTAさんに白羽の矢が立ったのはなぜなんですか?

 三浦大知さんとタッグを組んでやられているのを前から知っていたのがきっかけですね。三浦大知さんの楽曲ってめちゃくちゃ前衛的で、常にすごく攻めたことをやられているじゃないですか。歌って踊れる、パワーもあるいいJ-POPを作れる人。自分たちの新しいエモさを引き出してくれる人って誰だろう?と考えたとき、UTAさんにお願いしたいと思ったんです。

弱さを見せて捨てたから、強い部分だけを持って進んでいく

──歌詞についても、皆さんの話し合いの中でまとまった思いがもとになっているんですか?

ジャン そうですね。5年もこの活動を続けていると、自分たちがスパドラの一番の理解者ですしね。「Burning in the nights」は俺らが発信源になって動き出した楽曲なので、せっかくならば最後まで俺らの気持ちを乗せ尽くしたいということで、メンバーそれぞれが思う理想像だったり……逆に弱みはどんなところか、みたいなところまでディスカッションして、歌詞に落とし込んでもらいました。やっぱりそれぞれに思うことがありましたね。

和哉 今年、チーム力を上げることを目指しながら活動をしていく中でメンバー間の信頼がより強くなっていた感覚があるから、メンバーに対する疑いみたいなものはまったくないんですけど、「あ、こういうことを思っていたんだな」という発見はたくさんあったよね。

ジャン 自分たちはこれまでファンのみんなに対して「俺たちは強いよ、大丈夫」と強がっている部分もあったので、この曲では僕らの弱さみたいなところも見せています。そうやって弱さを見せて捨てたから、これからは強い部分だけを持って進んでいくよと。UTAさんは1文字1文字にメンバーの気持ちを落とし込んでくれたので、この曲を聴いてもらえたら、僕らの5年分の思いは汲み取ってもらえるのかなと思います。

──歌詞について掘り下げると、たびたび登場する「闇夜」という言葉が比喩的にさまざまな困難を表現しているように感じました。

ジャン そうですね。僕らの弱さみたいな部分も、この「闇夜」という言葉に表れているし……あとこの曲では夜明け前の景色を音や歌詞で表現しているんですけど、人間って夜明け前とかにいろいろと考えちゃって、一瞬ネガティブになったりするじゃないですか。そういう心象風景も描いていると思います。