音楽ナタリー Power Push - スキマスイッチ

奥田民生との刺激的コラボ

スキマスイッチがニューシングル「全力少年 produced by 奥田民生」をリリースした。表題曲は代表曲「全力少年」(2005年4月発売)を奥田民生がリアレンジしたもの。さらに民生自身がギター、ドラム、ベースなども演奏し、ロックテイストあふれるサウンドが施された同曲からは、「全力少年」の新たな魅力が伝わってくる。敬愛する民生とのコラボレーションは、デビュー以来、セルフプロデュースで楽曲を制作してきたスキマスイッチの2人にとっても大きな刺激になったようだ。

今回音楽ナタリーでは、メンバー2人にインタビューを実施。「全力少年 produced by 奥田民生」の制作を中心に、10月に行われた初のカバーライブ「THEPLAYLIST」など新たなトライアルを次々と行っている現在の活動について聞いた。

取材・文 / 森朋之 撮影 / 佐藤類

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初のカバーライブ「THE PLAYLIST」

──まずは10月に行われた初のカバーライブ「THE PLAYLIST」について聞かせてください。すべてカバー楽曲というライブだったわけですが、手応えはどうでした?

スキマスイッチ

大橋卓弥(Vo, G) 大阪と東京の2回しかなかったので、練習量を考えると割に合わなかったですね。それはお金の話ではなくて(笑)、もっとやりたかったという意味で。ただ、参加してくれたメンバー(山本タカシ[G]、紺野光広[B]、吉田佳史[Dr / TRICERATOPS])はみんな忙しいし、全員のスケジュールと会場の手配を考えると、2回以上はどうしてもできなくて。

常田真太郎(Piano, Cho) そうだね。演奏したのは13曲だったんですけど、もうちょっと増やしたかったという気持ちもあります。個人的には、本番が近付くにつれて不安が募っていたんですよね。初めて演奏する楽曲ばかりだし、「あの部分、大丈夫かな」って。でもやってみたらすごく楽しかったです。参加してくれた皆さんがいい空気を作ってくれたし、バンドの雰囲気を味わえたのもうれしくて。卓弥はソロのときバンド(大橋卓弥 with Drunk Monkeys)を経験してるけど、僕はメジャーになって初めてだったから。

──確かに普段のスキマスイッチのステージとは違っていましたよね。新しいバンドのライブという印象もありました。

大橋 そうですね。僕もずっとバンドに対する憧れがあるし。

常田 今回は卓弥がセンターにいたしね。

──スキマスイッチではやや下手側に大橋さん、上手側に常田さんがいますからね。

大橋 センターに立ちたいわけではないんですけどね(笑)。今回はメンバーに囲まれている感じもありました。

常田 カバーしかやらないというのも面白かったし、ぜいたくだなって思いましたね。こちらも演奏していて楽しいし、お客さんも盛り上がってくれて。「最後の曲です!」って「ワーッ!」となってるのに、やってるのは他人の曲っていうのも新鮮でした。

理想は「このライブで初めて出会って、原曲を聴いてみたくなる」

──「If It Makes You Happy」(シェリル・クロウ)、「Canned Heat」(Jamiroquai)、「雨にキッスの花束を」(今井美樹)、「天気予報の恋人」(CHAGE and ASKA)などが演奏されましたが、楽曲は2人で選んだんですか?

大橋卓弥(Vo, G)

大橋 バンドメンバー全員で選曲会議をやったんですよ。もっとマニアックな曲もあったんですけど、5人で話しているうちに「これくらいがいいんじゃないか」という感じになって。お客さんの反応を見てると、それでも知らない曲が多かったみたいですけどね。

常田 アンケートを読むと「知らない曲ばかりだった」という意見もありましたから。「全部知ってた」という人は圧倒的に少なかったですね。

大橋 僕らと同じ世代だったら、知ってる曲が多かったと思いますね。

常田 特にJ-POPの選曲はね。

──1990年代が青春だったという世代はドンピシャですよね。

大橋 そうそう。そこを中心にして、もう少し古い曲、新しい曲を入れたという感じなので。僕らとしては「このライブで初めて出会って、原曲を聴いてみたくなる」というのが理想だったんですよ。

ライブの可能性

常田 “知らなくても大丈夫な曲”というキーワードもあったんです。会場で初めて聴いても楽しくて、耳なじみがいい曲というか。そういう意味では「POPMAN'S CARNIVAL」(既発曲をリアレンジして演奏するというコンセプトのツアー)とテンションは同じだったかもしれないです。

大橋 「POPMAN'S CARNIVAL」ではリアレンジしたいというよりは、「アレンジを変えると、曲はこんなふうに広がります」ということを伝えたくて。なかなか届かないんですけどね(笑)。ツアーのたびにライブに来てくれる方ばかりではないし、初めて来てくれた人の中には「原曲通りのアレンジで聴きたかったな」と思う人も多いだろうから。

常田 うん。

大橋 だけど「オリジナルバージョンじゃなかったけど、今日のアレンジもよかった」とか「こういう音楽の楽しみ方もあるんだな」って思ってくれる人もいて。そこを伝えたい気持ちは強いですね、やっぱり。

常田真太郎(Piano, Cho)

常田 両方あったほうがいいですよね。普段のツアーもあれば、リアレンジして演奏するツアーもあって。「POPMAN'S CARNIVAL」のときは、あらかじめ「リアレンジします」というアナウンスもしているので。

大橋 いろんなパターンのライブをやってみたいですね。極端なことを言えば、最初からセットリストを発表するツアーがあってもいいかもしれないし。

──それくらいサービスがあってもいい、と。

大橋 そうそう。始まるまで何を演奏するかわからないって、映画に例えると「出演者はわかってるけど、どんな映画かわからない」みたいなことじゃないですか(笑)。

常田 確かに(笑)。

大橋 あるいは曲目だけ公表して、曲順を当ててもらうとか(笑)。

ニューシングル「全力少年 produced by 奥田民生」
「全力少年 produced by 奥田民生」
2016年11月30日発売 / 期間生産限定盤 / 1404円 / アリオラジャパン / AUCL-217
収録曲
  1. 全力少年 produced by 奥田民生
  2. ハナツ premium ver.
  3. 全力少年 produced by 奥田民生(anime ver.)
  4. 全力少年 produced by 奥田民生(KARAOKE)
ライブBlu-ray / DVD「スキマスイッチTOUR2016 "POPMAN'S CARNIVAL" THE MOVIE」 / 2016年11月30日発売 / アリオラジャパン
Blu-ray / 7344円 / AUXL-31
DVD 2枚組 / 6480円 / AUBL-53~4
収録内容
  1. POPMAN'S CARNIVALのテーマ
  2. 晴ときどき曇
  3. LとR
  4. 飲みに来ないか
  5. かけら ほのか
  6. 時間の止め方
  7. 1+1
  8. 僕と傘と日曜日
  9. ソングライアー
  10. 君曜日
  11. フレ!フレ!
  12. ボクノート
  13. LINE
  14. ユリーカ
  15. パラボラヴァ
  16. Ah Yeah!!
  17. 全力少年
  18. ハナツ
  19. 電話キ
  20. デザイナーズマンション
  21. サウンドオブ
<BONUS MOVIE>
  • Documentary & Interview
  • スカーレット Live at 緑文化小劇場(2016.6.9)
スキマスイッチ
スキマスイッチ

大橋卓弥(Vo, G)、常田真太郎(Piano, Cho)のソングライター2人からなるユニット。2003年7月にシングル「view」でデビューして以降、「奏(かなで)」「全力少年」 などヒット曲を次々と生み出す。2013年7月にデビュー10周年を迎え、同年8月には初のオールタイムベストアルバム「POPMAN'S WORLD~All Time Best 2003-2013~」を発表。2016年4月には「POPMAN'S WORLD」と対をなすアナザーベストアルバム「POPMAN'S ANOTHER WORLD」をリリースし、同作を携えた新コンセプトの全国ツアー「POPMAN’S CARNIVAL」を大成功におさめる。10月には同ツアーの模様を収めたライブアルバム、11月にはDVD/Blu-rayを発売した。また映像作品と同じく11月にテレビアニメ「ALL OUT!!」のエンディングテーマとして使用されている、奥田民生プロデュースのもと再レコーディングした「全力少年 produced by 奥田民生」を収めたシングルを発売した。