音楽ナタリー Power Push - SPYAIR

再び走り出した4人の結束の証

中学生も30歳くらいになったらわかる曲

──アルバムの最後に収録されている「Stand by me」も素晴らしいですね。特に「大人を見てた僕らも大人になった」というフレーズは、この2年間の中でたどり着いた心境なのかなと。

KENTA グッときますよね。

IKE(Vo)

IKE 歌いながらグッときちゃうヤツですね、これは。大人になるっていう現実を受け入れられないまま生きてきたんですけど、それを受け入れ始めたっていう……。まさに“今”を歌っているし、すごく染みますよね。なんてことのないことを歌ってる曲だと思うんですよ。「大人になる」っていうことを繰り返してるだけで。

KENTA それがいいんだよ。

IKE うん。それが音楽のすごいところなんですよね。

──MOMIKENさんとしては、どんな思いで書いた歌詞なんですか?

MOMIKEN 大人になりたいと思ってなくても、年齢を重ねれば大人になるじゃないですか。そのときに心が追いついてないと、ギャップに苦しむことになるのかなって。それは音楽だけではなくて、どんな生活をしている人も同じだと思うんです。そういうモヤモヤした心情を切り取っただけの歌詞なんですけどね。

IKE 心が落ち着くんですよね、この曲を聴いていると。俺が歌ってるんですけど、自分の気持ちを誰かに代弁してもらってるような感じもあって。

MOMIKEN 「自分だけじゃないんだな」と思えば、ちょっとは気がラクになりますからね。

IKE 中坊(中学生)も30歳くらいになったらわかると思いますよ(笑)。時間が経ってからも再生してほしいですよね、この曲は。

「DYNAMITE」を4年に1度の特別なイベントに

──アルバムリリース後にはライブが控えています。まず12月13日の愛知・日本ガイシホールと12月22日の埼玉・さいたまスーパーアリーナの2大アリーナツアーが行われますね。

KENTA そうなんですよね……。

UZ ハンパないですよね。

IKE よくやりますよ、ホントに。

──ちょっと他人事みたいな感じになってますが(笑)。

IKE (笑)。いや、客観的にSPYAIRを見てると「あんなことがあったのに、よく復活できたな。しかもこんなデカいライブなんて、よくやるよ」と思って。だって、その分だけ背負うものがあるじゃないですか。

MOMIKEN(B)

MOMIKEN なんでそんなに大きく捉えてんの?

IKE だって、このライブを飛ばしたらえらいことになるよ?

MOMIKEN 今言われるまでそんなこと思いもしなかった(笑)。

IKE 考えないほうがいいんだけどね、ホントは。

──地元・名古屋の日本ガイシホールでの単独公演も、SPYAIRにとっては大きい意味があるのでは?

KENTA そうですね。何回もビッグアーティストのライブを観た場所だし、そのステージに立つのか!って。

──「いつかはガイシホールでやりたい」って思ってました?

IKE いや。全然現実味がなかったから。

UZ バンドを組んだ頃、Zepp Nagoyaの近くでビラを配ったりしてたんですよ。「いつかはZeppでやりてえな」と思ってたし目標にもしてたけど、ガイシホールは自分たちとは関係ない会場というか。

IKE そういう意味でも特別なライブですよね。「SPYAIR ARENA TOUR 2015『DYNAMITE ~シングル全部ヤリマス~』」という、意図がわかるタイトルを付けているんですけど、今後は4年に1度、そういう趣旨のイベントをやろうと思っていて。今回はその初回、立ち上げの年になります。野外ライブの「JUST LIKE THIS」は1年に1回で、「DYNAMITE」は4年に1回ということですね。

──4年に1度のベストヒットライブ。バンドのモチベーションにもつながりますよね。

IKE うん、そうなるといいなと思って。「DYNAMITE」という名前に恥じないようなライブにしたいですね。

落ち込んだり、暗くなってる場合じゃない

──そして来年1月からはアルバム「4」を軸にした全国ツアーがスタートします。

KENTA(Dr)

KENTA まだ何も考えてませんけどね(笑)。まずは12月のアリーナライブのことに集中してるので。

UZ もちろん「4」の曲がセットリストの中心になるので、ライブの雰囲気は変わってくると思いますけどね。

IKE 「どうやってライブでやるの?」っていう曲もあるからね。

──音楽性の広がり、生々しい感情表現を含めて、これまでとは違う手触りのアルバムなのでライブも楽しみです。活動停止はよくないと思うけど、それも全部バンドのストーリーになるというか……もちろん、メンバーはたまらないでしょうけども。

UZ ハハハハハ(笑)。でも、すごくわかります。

IKE そう考えるとバンドって特殊ですよね。自分たちのテンション感を出してもOKっていう。アイドルだったら絶対ダメじゃないですか。

──まあ、そうですね。ロックバンドって、状況がよくないときのライブも記憶に残ったりしますからね。

IKE そうですよね(笑)。もちろん「いいライブだった」って言われたいですけどね、俺らは。「DYNAMITE」も「4」のツアーもよかったよって。

UZ バンドの歴史を考えると、まだまだ上っていかないとダメですからね。落ち込んだり、暗くなってる場合じゃないんで。

KENTA まだデビューして5年ですからね。

──IKEさんの「バンドは止めるべきじゃない」という発言もあったし、いい感じで進んでいけそうですね。

IKE はい。続けていけるようにがんばります!

SPYAIR ARENA TOUR 2015
「DYNAMITE ~シングル全部ヤリマス~」

  • 2015年12月13日(日)愛知県 日本ガイシホール
  • 2015年12月22日(火)埼玉県 さいたまスーパーアリーナ

SPYAIR TOUR 2016 「4 -for-」

  • 2016年1月16日(土)東京都 府中の森芸術劇場 どりーむホール
  • 2016年1月17日(日)東京都 府中の森芸術劇場 どりーむホール
  • 2016年1月23日(土)北海道 ニトリ文化ホール
  • 2016年1月30日(土)宮城県 イズミティ21
  • 2016年2月5日(金)福岡県 福岡サンパレス
  • 2016年2月7日(日)新潟県 新潟テルサ
  • 2016年2月11日(木・祝)香川県 サンポートホール高松
  • 2016年2月13日(土)広島県 上野学園ホール
  • 2016年2月17日(水)神奈川県 神奈川県民ホール 大ホール
  • 2016年2月21日(日)愛知県 アイプラザ豊橋
  • 2016年2月23日(火)兵庫県 神戸国際会館 こくさいホール
SPYAIR ニューアルバム「4」/ 2015年11月18日発売 / Sony Music Associated Records
SPYAIR「4」ジャケット
初回限定盤A[CD+DVD]/ 3780円 / AICL-2989~90
初回限定盤B[CD2枚組]/ 3996円 / AICL-2991~2
通常盤[CD]/ 2916円 / AICL-2993
CD収録曲
  1. ROCKIN' OUT
  2. ファイアスターター
  3. アイム・ア・ビリーバー
  4. COME IN SUMMER
  5. Far away
  6. NO-ID feat. JASMINE
  7. ダレカノセイ
  8. EZ Going♬
  9. Someday, Somewhere
  10. 4 LIFE
  11. イマジネーション
  12. Stand by me
初回限定盤A DVD収録内容

Music Video

  1. イマジネーション
  2. ROCKIN' OUT
  3. ファイアスターター
  4. アイム・ア・ビリーバー
  5. Making of アイム・ア・ビリーバー
  6. JUST LIKE THIS 2015
初回限定盤B 特典CD収録内容

「JUST LIKE THIS 2015」Live at FUJI-Q HIGHLAND 2015.8.8

  1. 現状ディストラクション
  2. Rock'n Roll
  3. OVER
  4. Last Moment
  5. Blowing
  6. LINK IT ALL
  7. To
  8. BEAUTIFUL DAYS
  9. 0 GAME
  10. Supersonic
  11. ROCKIN' OUT
  12. I want a place
  13. ファイアスターター
SPYAIR ライブDVD「JUST LIKE THIS 2015」/ 2016年1月13日発売 / Sony Music Associated Records
SPYAIR「JUST LIKE THIS 2015」ジャケット
初回限定盤[DVD2枚組]/ 6804円 / AIBL-9329~30
通常盤[DVD]/ 5184円 / AIBL-9331

8月8日に山梨・富士急ハイランド コニファーフォレストで開催された単独1万人野外ライブ「JUST LIKE THIS 2015」の模様をDVD化!

SPYAIR(スパイエアー)
SPYAIR

IKE(Vo)、UZ(G, Programming)、MOMIKEN(B)、KENTA(Dr)の4人からなるバンド。全員が愛知出身で、2005年に結成される。地元名古屋の野外ライブでキャリアを重ね、デビュー前の2010年6月に行った100本目の野外ライブでは2000人の観客を集める。同年8月、シングル「LIAR」でメジャーデビュー。その後も4枚のシングルを発表し、並行して精力的なライブ活動を展開する。同年12月に初の日本武道館ワンマンライブを開催。2014年5月の全国ツアー開催中、IKEの喉のトラブルによりツアーを中断し約半年間、活動を停止する。11月に初のベストアルバム「BEST」をリリースし、12月に東京・Zepp DiverCity TOKYOにて開催したワンマンライブで本格的に活動を再開。2015年春には復活後初の全国ツアーを行い、8月に山梨・富士急ハイランドコニファーフォレストで1万人規模の単独野外ワンマンライブ「JUST LIKE THIS 2015」を開催した。2015年11月に約2年ぶりのフルアルバム「4」をリリース。12月には2大アリーナツアーを、2016年1月からは全国ホールツアーを開催する。