音楽ナタリー Power Push - SPYAIR
再び走り出した4人の結束の証
いろんなジャンルに挑戦しても根本はブレないはず
──バンドのグルーヴを取り戻してからは、レコーディングもスムーズだったんですか?
IKE 途中からはリラックスしてやれましたね。いい意味で肩の力を抜くことができたし、曲の幅が広がったのもよかったんですよ。自分自身も曲によって成長させられたというか。
──確かにサウンドの幅は広くなってますよね。ラテンテイストのロックチューン「COME IN SUMMER」、壮大なバラードナンバー「Far away」、JASMINEを迎えた初のデュエットソング「NO-ID feat. JASMINE」、EDMを取り入れた「Someday,Somewhere」など、今までにはなかったタイプの楽曲も増えていて。
UZ それは「MILLION」を出した直後から意識してたんですけどね。あのアルバムを作り上げたことによって、ひとつ芯が固まったというか、「SPYAIRの音楽はこういうものだな」という自信が持てたんです。いろんな音楽、いろんなジャンルに挑戦しても、根本の部分はブレないはずだって思ったし、新しいこともどんどんやっていこうって。プロデューサーに関わってもらったのも、新しい風を吹かせてみたかったからなんですよ。「Someday,Somewhere」に関しても、思い切ってEDMをやろうって決めてたし……まあ、アレンジをしたのが去年だったから、「アルバムを出す頃にEDMがダサい音楽になってたらどうしよう」って心配してたんだけど(笑)、日本ではギリギリ大丈夫かなと。こういうことをやっても、ちゃんとSPYAIRの音楽になるっていう確信もありましたから。
──歌詞についてはどうですか? この2年間の経験の中で変化した部分もある?
MOMIKEN そこはバランスを見ながらやってましたね。確かにこの2年間はいろんなことがありましたけど、その前に書いていた歌詞の中にも「これはいいな」と思えるものもあったので。だからこそ、いろんな感情が詰まったアルバムになったんじゃないかなって。このタイミングだから、あえて書いたものもあるんですよ。「4 LIFE」はまさにそうですね。
「4 LIFE」のときは客席で聴いていたい
──「4 LIFE」はUZさんがボーカルを取っている曲ですね。活動停止中にIKEさん以外のメンバーが、IKEさんに向けて作ったという……確かにこれは「4」以外には収録できないですね。
MOMIKEN そうですね。5枚目のアルバムに入れる理由がわからない(笑)。
UZ 「まだ引っ張るの?」って言われちゃうよね。
──「4 LIFE」はUZさんにとって、どういう曲ですか?
UZ え、どういう曲って……。
KENTA 客観的に聴ける?
UZ いや、聴けないな。まず自分が歌っていること自体が普通じゃないし、すげえ個人的な気持ちになるから。この曲を練習してるといろんなことを思い出すし、やっぱりほかの曲とは違うかな。
IKE そうだよね。
UZ あと、このときの気持ちを曲として残せたのもよかったと思うんですよ。あと何年か経ったら忘れてるというか、「そういえばそんなこともあったね」みたいな感じになるだろうし。また何かあったときにこの曲を聴けば、大事なことを思い出せるんじゃないかなって。
──ライブでも歌うんですよね?
UZ えっと……。
KENTA やるしかないでしょ。
MOMIKEN 俺、この曲を一番練習してるよ(笑)。
IKE 「4」のツアーで「4 LIFE」をやらなかったら、大ブーイングでしょ。……って、プレッシャーをかけておきます(笑)。俺、客観的にSPYAIRのライブを観るのが夢なんですよ。この曲のときは、客席で聴いてようかな。自分の席のチケット買って。
UZ 最悪(笑)。
IKE ハハハハハ(笑)。最初はちゃんと聴けなかったですけどね、俺も。ミックスの現場で初めて聴いたんですけど、すごく不思議な気持ちで。曲順も決まってマスタリングが終わってからは、10曲目(「4 LIFE」の曲順)が気になってしょうがなくて。
UZ わかる。俺もそうだから。
「ロックバンドって楽しそうだな」と思ってほしい
──「4 LIFE」はメンバーの人間性が感じられる曲ですよね。
UZ そうかもしれないですね。「スタイリッシュにカッコつけてやるバンドではない」といことは、今までの活動の中で気付いていて。ただカッコつけるだけではなくて、笑いがあったり、ふざけたり、キメるときはキメたり。そんないろんな部分を見てもらった上で「ロックバンドって楽しそうだな」って思ってもらえるようなバンドになれたらいいんじゃないかって。だから「4 LIFE」みたいに、ギタリストが完璧じゃない歌を歌うのもアリだと思うんです。
──楽しくふざけたり、笑い合っているのもSPYAIRだと。普段のメンバーもそんな感じですか?
KENTA そっちのほうが多いでしょうね(笑)。
IKE シュッとする時間が少なくなってるしね(笑)。
MOMIKEN ハハハハハ(笑)。
UZ まあ、いろんな部分を音楽の中で出せたらいいかなと。
──いいことじゃないですか、それは。理想を追うだけではなくて、今の自分たちを認めて、それを音楽として表現するっていう。
UZ そうですね。無理しすぎると爆発しちゃうんで。
IKE バンドが次のステップに向かってるんだと思いますね。上がってるのか下がってるのかはわからないけど、次の時期に来ているというか、変わるタイミングなんだなって。
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- SPYAIR ニューアルバム「4」/ 2015年11月18日発売 / Sony Music Associated Records
- 初回限定盤A[CD+DVD]/ 3780円 / AICL-2989~90
- 初回限定盤B[CD2枚組]/ 3996円 / AICL-2991~2
- 通常盤[CD]/ 2916円 / AICL-2993
CD収録曲
- ROCKIN' OUT
- ファイアスターター
- アイム・ア・ビリーバー
- COME IN SUMMER
- Far away
- NO-ID feat. JASMINE
- ダレカノセイ
- EZ Going♬
- Someday, Somewhere
- 4 LIFE
- イマジネーション
- Stand by me
初回限定盤A DVD収録内容
Music Video
- イマジネーション
- ROCKIN' OUT
- ファイアスターター
- アイム・ア・ビリーバー
- Making of アイム・ア・ビリーバー
- JUST LIKE THIS 2015
初回限定盤B 特典CD収録内容
「JUST LIKE THIS 2015」Live at FUJI-Q HIGHLAND 2015.8.8
- 現状ディストラクション
- Rock'n Roll
- OVER
- Last Moment
- Blowing
- LINK IT ALL
- To
- BEAUTIFUL DAYS
- 0 GAME
- Supersonic
- ROCKIN' OUT
- I want a place
- ファイアスターター
- SPYAIR ライブDVD「JUST LIKE THIS 2015」/ 2016年1月13日発売 / Sony Music Associated Records
- 初回限定盤[DVD2枚組]/ 6804円 / AIBL-9329~30
- 通常盤[DVD]/ 5184円 / AIBL-9331
8月8日に山梨・富士急ハイランド コニファーフォレストで開催された単独1万人野外ライブ「JUST LIKE THIS 2015」の模様をDVD化!
SPYAIR(スパイエアー)
IKE(Vo)、UZ(G, Programming)、MOMIKEN(B)、KENTA(Dr)の4人からなるバンド。全員が愛知出身で、2005年に結成される。地元名古屋の野外ライブでキャリアを重ね、デビュー前の2010年6月に行った100本目の野外ライブでは2000人の観客を集める。同年8月、シングル「LIAR」でメジャーデビュー。その後も4枚のシングルを発表し、並行して精力的なライブ活動を展開する。同年12月に初の日本武道館ワンマンライブを開催。2014年5月の全国ツアー開催中、IKEの喉のトラブルによりツアーを中断し約半年間、活動を停止する。11月に初のベストアルバム「BEST」をリリースし、12月に東京・Zepp DiverCity TOKYOにて開催したワンマンライブで本格的に活動を再開。2015年春には復活後初の全国ツアーを行い、8月に山梨・富士急ハイランドコニファーフォレストで1万人規模の単独野外ワンマンライブ「JUST LIKE THIS 2015」を開催した。2015年11月に約2年ぶりのフルアルバム「4」をリリース。12月には2大アリーナツアーを、2016年1月からは全国ホールツアーを開催する。