カップリングでも攻めの姿勢を示した

──そして、カップリング曲の「Turning Point」ですが、こちらもバンド感がすごく出ていますね。

UZ　はい。これも3rdアルバムを見据えた曲作りの中でできた1曲です。もともと好きだったヘビーなサウンドを今の自分たちが鳴らしたらどうなるのかっていうのを試してみた感じかな。ひねってないし、ストレートに、もともと血になってる音楽を鳴らしたというのがこの曲のコンセプトです。

──「サクラミツツキ」が集大成的な曲と言ってましたけど、こちらもSPYAIRのメインストリームのひとつと言える、ある意味王道的な部分が感じられる曲だと思いました。

UZ　うん。今までの傾向だとシングルのカップリング曲って、主流になるタイプの曲じゃなくて、意外性を含めた曲が多かったですからね。でも今は4人になったというのもありますし、周りからの見え方として「どうなっていくんだろう？」って不安視する人も少なからずいるので、そういう人たちに「オレたちはこれからも攻めていきますよ」というのを示したかったし、喜んでもらいたかったんです。オレたちとしては、4人になったからといって音楽性が変わるわけじゃないですけど。

──歌詞は、「Turning Point」というタイトルもそうですけど、今のタイミングだから出てきた内容なのかなって。

MOMIKEN　そう思いますよね（笑）。今回に限らず、いつもそうなんですけど、結果的にそうなっちゃったって感じなんです。

──狙って書いたんじゃなくて、書いた内容がそのときの状況と一致してしまったと？

MOMIKEN　はい。書き終えて「言葉のハマり方もよかったなあ」なんて思いながら聴き返していたときに気づいて、たぶん突っ込まれるなって。自分たちの今の状況で「Turning Point」というタイトルで出すということは、オレが思っているよりも深く捉えられるんだろうなって思いましたから。

──そう思いました。たぶん、ファンの人たちもタイトルを見たら、「やっぱり今がターニングポイントなんだ」って思うはず。

KENTA　まあ、そうですよね。

MOMIKEN　岐路に立つことやターニングポイントを迎えることって、人生を歩んでいたら誰もがいつかはあると思うんです。どこをポイントにするかは自分次第だよっていうSPYAIRらしいメッセージを込めて書いただけなんですけどね。

──3月リリースということを考えると、卒業とか入学、就職など、新たな岐路に立つ人もたくさんいますから。

KENTA　あ、そうか。そういう時期ですよね。

IKE　MOMIKEN、狙ったなあ。“サクラ”と“Turning Point”って。

KENTA　さすが！

MOMIKEN　うわあ……。「狙いまくってるな」って思われますね、オレ（笑）。

「ラップを入れよう」と言える状況になった

──この曲でひとつ気になったのが後半のラップの部分なんですが、IKEさんの声じゃないですよね？ 聴きながら「誰の声なのかな？」って考えてたんですが。

KENTA　実はですね……UZなんです！

UZ　やめてくれ！ あのですね、そこは誰が歌ってもいいんです。

KENTA　ウソ！（笑）それはダメだよ。

UZ　そんなに深い意味はないんです。バキバキなサウンドの上にラップがあったら気持ちいいなって思って、レコードから引っ張り出してきたラップをサンプリングして乗っけておいただけですから。みんなに「ここ、どうすんの？」って言われたけど、「気にしないで」って答えておきました。そうしたら、後日レーベルの担当者からメールが来て「UZ、やってみたら？」って。オイシイし、ちょっとやってみようかなって。その程度のもので、たいして意味がないので、あんまり……。

──“それ以上突っ込まないでほしい”って顔されても（笑）。

KENTA　でもね、聴いたときビックリしました。メチャメチャカッコいいじゃないですか。みんなで「いいよね」って言ってたんですけど、UZだけが「（ラップの）音量を下げてくれ」ってずっと言ってて。

IKE　これがあることでライブも100倍楽しくなると思うんです。

UZ　それ、お前らが楽しいだけだろう！ オレはヒヤヒヤっすよ。

KENTA　こういうのって、ちょっと前のSPYAIRだったらやらなかったと思うんです。

UZ　それは言える。

KENTA　頑に、特にUZがラップとかは入れたくないって言ったと思う。でも、UZからこういうのをやってみようって言える状況になったんだって。