ナタリー PowerPush - SPYAIR
4人による新しいSPYAIRがここから始まる
昨年12月に初の日本武道館公演を成功させ、その公演をもってDJ ENZEL☆が脱退。SPYAIRは4人での新たなスタートを切った。3月13日にリリースされるリスタート第1弾作品のシングル「サクラミツツキ」は、テレビ東京系アニメ「銀魂」のオープニングテーマとしてすでに放送されている。
今回のインタビューでは新曲「サクラミツツキ」とカップリング曲「Turning Point」の話題を中心に、IKE(Vo)、UZ(G, Programming)、MOMIKEN(B)、KENTA(Dr)の4人に話を聞いた。
取材・文 / 田中隆信
3rdアルバムの設計図はもうできている
──アニメ「銀魂」のオープニングテーマとして放送中の「サクラミツツキ」ですが、4人になってからの初めてのシングルということになりますね。
UZ はい。曲を作ったのは去年の10月頃だったかな? 9月に2ndアルバム「Just Do It」をリリースして、11月にはシングル「WENDY ~It's You~」を出したんですけど、このシングルと同じ時期に作ったものです。
──その時期にもうできてたんですね。
UZ 2ndアルバムを作り終えた後、すぐに3rdアルバムというのもを念頭において曲を作り始めていて、その中でできた曲でした。だから、オレとしてはシングルを狙って作ったわけではなくて、かと言って、シングルになったらなったでうれしいという感じです。
──ひょっとしたら、もうすでに3rdアルバムの輪郭が見えてきてる感じですか?
KENTA 輪郭どころじゃないですよ。UZの作った3rdアルバムの設計図みたいなものがあるんですけど、相当細かいですから。
UZ 今回のシングルみたいにタイアップをいただくことはすごくありがたいことです。でも曲作りの時点でタイアップのことを考え過ぎると、後々リリースしようとしているアルバムの形が崩れてしまうんです。その曲だけが浮いてしまうとかね。それが嫌だなって思ったので、もしタイアップをもらったとしても、この設計図の中で曲を作ろうというのは最初から決めてました。
これまで以上に目指すところがハッキリ見えてる
──そういう設計図があると、他のメンバーもレコーディングに臨みやすそうですね。形や方向性が見えてるわけですから。
KENTA すごく助かってます。UZが作った設計図の中には「この曲はこんな方向性で行く」みたいなことも書かれていたりするので、その方向性に近い音楽も聴くようになりました。ちゃんとストライクゾーンがわかっていれば、そのゾーンのどこを狙えばいいのか、あるいはどう外すのがいいのかもわかってくるので、これまで以上に目指すところがハッキリと見えています。
──UZさんの性格からすると、1stや2ndのときもそういった設計図みたいなものはあったとは思いますが、より具体的になった感じなのかと。
UZ ですね。1stから設計図みたいなものはありました。ただ、今思えばちょっと甘かったかなっていう部分もあるんです。もちろん、作品自体はすごく気に入ってますけど。曲によって、「これはアルバムに入れよう」とか「それはシングルのカップリングにしよう」とか、ブレがあったんです。そのブレによって、チグハグとまでは行かないけど、ちゃんとした完成形には何かが足りなかったような気がしました。
IKE 俺らはメンバーだけじゃなくて、スタッフの人たちと一緒にチームで作品を作っているわけですから、シングルのリリースが決まるとチーム一丸となってシングルに向き合うわけです。でも、UZの設計図があることによって、シングルに向き合いながらもアルバムのイメージからブレないでいられたことは大きな進歩だったと思いますし、チームとしてもひとつ成長できたんじゃないかな。
UZ そういう作り方をしているから、シングルとしてもちゃんと出せる曲になっています。
- ニューシングル「サクラミツツキ」 / 2012年10月10日発売 / 2500円 EMI Music Japan TOCT-29069
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 1365円 / AICL-2520~2521
- 通常盤 [CD] / 1050円 / AICL-2522
CD収録曲
- サクラミツツキ
- Turning Point
- サクラミツツキ(inst.)
- Turning Point(inst.)
初回限定盤DVD収録内容
- サクラミツツキ(Music Video)
- ライブDVD「SPYAIR LIVE at 武道館 2012」 / 2013年3月13日発売4990円 [DVD2枚組] / Sony Music Associated Records / AIBL-9262~9263
- ライブDVD「SPYAIR LIVE at 武道館 2012」
DISC 1収録内容
- Ø GAME
- Last Moment
- Rock'n Roll
- WENDY ~It's You~
- LIAR
- STRONG
- Guitar Solo
- U & I
- My World
- Little Summer
- My Friend
- BEAUTIFUL DAYS
- Bass Solo, Drum Solo
- Crazy
- Break Myself
- ROCK THIS WAY
- OVER
- ジャパニケーション
- Naked
- Raise Your Hands
- EN1. I want a place
- EN2. サムライハート
- EN3. SINGING
DISC 2収録内容
- DOCUMENT
SPYAIR(すぱいえあー)
IKE(Vo)、UZ(G, Programming)、MOMIKEN(B)、KENTA(Dr)の4人からなるバンド。全員が愛知出身で、2005年に結成される。地元名古屋の野外ライブでキャリアを重ね、デビュー前の2010年6月に行った100本目の野外ライブでは2000人の観客を集める。同年8月、ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズからメジャーデビューシングル「LIAR」をリリース。その後も4枚のシングルを発表し、並行して精力的なライブ活動を展開する。そのライブパフォーマンスには定評があり、メジャーデビュー前に「SUMMER SONIC 2010」に出演しているほか、2011年7月には韓国最大のロックフェス「JISAN VALLEY ROCK FESTIVAL 2011」に出演した。2011年9月に1stフルアルバム「Rockin' the World」をリリース。同年10月には日比谷野外大音楽堂で初のワンマンライブを敢行した。2012年6月にリリースした映画「アメイジング・スパイダーマン」日本版テーマソング「Ø GAME」が話題となる。同年12月18日には初の日本武道館ワンマンライブを開催。チケットは全席完売し、このライブをもってDJ ENZEL☆が脱退した。2013年3月、4人体制で初となるシングル「サクラミツツキ」をリリースする。