SKE48「好きになっちゃった」インタビュー|31stシングルは清楚な夏曲!グループの今を7つのテーマで深掘り (2/2)

④ 「私、目撃しちゃったんです!」グループにまつわる最新事件簿

──最近はメンバー同士で時間をともにする時間が増えていると伺っています。印象的なハプニングや、メンバーの意外な素顔について教えてください。

野村 「好きになっちゃった」のMV撮影をする前日、みんなでホテルに泊まったんですよ。そのホテルには立派な温泉があって、入ろうとするとほかのメンバーと鉢合わせするんですよね。私は8期生で同期の佐藤佳穂ちゃんと一緒になったんですけど、そこでの彼女の様子がすごかったんです。恥ずかしがることもなく洋服を一気に脱ぎ、滝に打たれていて……。

──お風呂の中に滝があったんですか?

野村 ボタンを押すと、天井から勢いよくお湯が飛び出す仕組みになっていて。それを見つけた佳穂ちゃんは一目散に駆け寄っていき、滝行する修行僧のように精神を高めていました(笑)。しかもそれをニコニコ笑いながらやっていて。付き合いは長いけれど、知らない一面がまだまだあるんだなと驚きましたね。

左上から時計回りに野村実代、江籠裕奈、熊崎晴香、原優寧。

左上から時計回りに野村実代、江籠裕奈、熊崎晴香、原優寧。

熊崎 私は佳穂ちゃんの気持ちが少しわかるな。確かにあのホテルは温泉コーナーが充実していて、私も翌日の撮影に備えてサウナに入りました。いっぱい汗を流して、顔をすっきりさせたかったので。

江籠 今、サウナ流行っていますしね。

熊崎 そうしたら、サウナ室に女性3人組が入ってきたんです。その様子がすごく堂々としていたんですよね。サウナハットこそ被っていなかったものの、小慣れた様子でがっつり頭にタオルを巻き付けてあって……。

──韓国ドラマなどでよく観る巻き方ですよね。

熊崎 そうですそうです! その3人組は私を見つけるなり手を大きく振ってきたんですけど、最初は常連のおばさま方かなと思ったんですよ。あまりにも施設の光景に溶け込んでいたので。だけどよく見たら、それが7期生の太田彩夏ちゃんたちだったんですよね(笑)。

野村 確か、太田さんってサウナーなんですよね。

熊崎 もうサウナ室での気合いが尋常じゃなくて! 「今日はさ、5セットいくから」ってドヤ顔でほかの2人に発破をかけているわけですよ。あまりの勢いに私は圧倒されちゃいました。滝行とか、サウナ5セットの誓いとか、SKE48はお風呂関連の話題が多いですね(笑)。

熊崎晴香

熊崎晴香

⑤ 祝、握手会&声出し解禁! 改めて感じたファンのありがたさ

──ここ数年、コロナの影響によってエンタメ業界は停滞を余儀なくされる側面がありました。しかし、ここに来てライブやイベントでの声出し文化が戻りつつあります。

 私はちょっと前まで一般人でしたけど、実際に自分がアイドルになって驚いたのは、「こんなにもファンの方と距離が近いのか」ということなんです。味方って言えばいいのかな……。いつもずっと見てくださっていて、そばにいてくれて、コンサートも劇場の公演もペンライトや声援によって「一緒に作り上げていく感」があるんですよ。ファンの方たちは私にとっても絶対的な存在だし、そこにいるだけで安心した気持ちになれますね。

野村 「ファンは推しに似る」という言葉がありますよね。それで言うと、私は昔から愛が重い女。なので、私のファンの方も徐々に愛が重くなる傾向があるんです。

江籠 愛が重い?(笑)

野村 「みよまる(野村)がいないと、もう生きていけない!」みたいな感じで(笑)。というのも、私自身がすごく寂しがり屋で、ファンの方がいないと生きていけないんです。そのことはよく口にもしているので、それが伝播したんだと思う。お互いに深いところで支え合っています。

──素晴らしい関係性ですね。

野村 応援の仕方が「なんとなく」じゃないんですよ。私の夢を自分の夢かのように捉えてくれていて、そこに向かって一緒に突っ走ってくれるようなイメージ。大袈裟じゃなく、ファンの方がいるからこそ今の活動ができているんだなって、それはよく感じますね。

野村実代

野村実代

江籠 ライブでの声出しは、かれこれ3年くらいぶりですからね。一時は無観客でライブをしていたこともありましたが、そのときはそのときで楽しかったし、ちゃんと成立していたと思うんです。だけどこうやってひさしぶりに歓声が上がるライブを経験すると、「やっぱりこれだよな」という感覚があります。やっぱりファンの方との一体感が違いますね。アイドルのライブって、観ていると「よし、明日からがんばろう!」と思えるもの、日々の原動力になるものだと思うんですよ。ファンの皆さんから声援が聞こえてくると、そういう手応えをより感じます。

──今回のシングルから握手会も復活しました。

熊崎 めっちゃうれしいです! 握手会、大好きなので。だけど私ってバカ力の持ち主だから、うれしくなるとついつい強く握りすぎちゃうみたいなんですよね。ファンの方から「痛い、痛い、痛い!」って言われ、ハッとしながら「ごめんなさい!」ってあわてて力を緩めたりしています(笑)。でも、なんだかその感じも懐かしいんですよ。「痛いけど、やっぱりこれだよね。くまちゃんの握手は」とか言われたりして。

野村 コロナ禍では、みんな家にいる時間が多かったじゃないですか。そのステイホーム期間中にSKE48を好きになったというファンの方もけっこう多いんです。YouTubeの動画やSNSを通じて、私たちのことを知ってくれたみたいで。

熊崎 実際、復活した握手会に参加してくれる人の中には、「僕、アイドルの握手会って初めてなんですよ」という人もいて。光栄ですよね、握手会デビューが自分だなんて。そういったファンの方の声を直に聞く場があること自体が、やっぱり素敵だなと実感しています。

⑥ グループ結成から15年……変わらないことと変わったこと

──SKE48が結成されたのは2008年。それ以降、メンバーの卒業と新加入を繰り返して現在に至ります。昔から変わらないグループの特徴はありますか?

熊崎 劇場公演を大切にする姿勢は、これからも変わらないようにしたいと考えています。やっぱり劇場公演に力を入れていることはSKE48の強みでもありますし、次世代のメンバーに受け継いでいきたい。専用の劇場を持っているアイドルグループって当たり前にいるわけでは決してないし、劇場でいろんなドラマが生まれてきましたから。劇場での新公演に関してはチームSとチームKⅡに続き、チームEももうすぐスタートします。ずっと守り続けてきた劇場公演が、時代に合わせてさらに進化している点も最高だと思うんですよね。

 劇場では研究生公演もやっているので、ぜひ足を運んでいただきたいです。個人的なことを言うと、劇場公演では必ず前回よりも進化したものを見せると決めているんですよ。客席とステージの距離が近いからこそ、成長したところに気付いていただけるんじゃないかと思っています。

原優寧

原優寧

──では逆に、昔と変わったなと感じることはありますか?

熊崎 今のメンバーを見ていて感じるのは、自分の個性に特化したお仕事が多くなっていることですね。例えば(林)美澪ちゃんは「Seventeen」のモデルとして活躍中ですし、みよまるも「Ray」のモデルとしてがんばっている。江籠さんはソロでアルバムを出したり、ライブをやったりしていますしね。

 私は鉄道好きの(末永)桜花さんと一緒にお仕事させていただき、鉄道に興味が出てきました!

熊崎 そうそう(笑)。私は競馬関係のお仕事をやらせていただく機会が多いです。ほかにも挙げていったらキリがないんですけど、野球、将棋、お酒……SKE48を見渡したら、誰かしら自分の趣味と同じメンバーが見つかるはずです。当然、握手会でも話が弾むと思います。キャラクターが強いメンバーがそろっているというのは、今のSKE48を象徴することじゃないですかね。

⑦ モチベーションと今後のビジョン。私たちが進む道は……?

──結成当時のSKE48は「打倒・AKB48」を目標に掲げていたように思います。その後はナゴヤドーム公演に狙いを定め、それを実現させた歴史もありますが、今メンバーは何をモチベーションに活動をがんばっているのでしょうか?

江籠 ありがたいことに、今年は秋くらいまでスケジュールがたくさん決まっているんです。「リクエストアワー」(ファン投票によってセットリストが決まるライブイベント)も5年ぶりに開催できることになりました。今は大きな目標をドーンと掲げるというより、目の前の決まっていることを全力でやることが大事じゃないかと思っていて。最近、活動していてすごく楽しいんですよ。この楽しさをどんどん外にも広げていきたいですね。

江籠裕奈

江籠裕奈

野村 グループの活動に加えて、ソロイベントをやることも自分の中では大きなモチベーションになっています。自分が楽しみなのはもちろん、ファンの方がすごく喜んでくれるんですよ。ソロイベントを通して新しい出会いがあるし、新しい自分も発見できる。いつまでも成長を止めたくないんです。

 私は昔から憧れていたアイドルになることができて、今は毎日いろんなことを先輩方から学んでいるところです。ファンの方とお話しするのもとても楽しいですし、本当に毎日が新鮮で刺激的で。アイドルになることができて幸せなんです。今度は自分が感じた幸せを、ファンの皆さんに恩返ししていきたいです。

熊崎 SKE48で活動するうえでの私のモチベーションというのははっきりしていて、とにかくSKE48の楽しさや素晴らしさをもっと世の中の人に知ってもらうことなんです。SKE48がさらに大きくなる未来を想像すると、いまだにワクワクが止まらないです。今回のシングル「好きになっちゃった」も新しいSKE48を知ってもらう大きなチャンスになると思っているので、やれることはなんでもやっていきたくて。今はどこで人気に火が付くかわからないじゃないですか。TikTokから世界に広がる可能性だってありますし。そのためにもまずは私たちが心から今のSKE48を楽しんで、その楽しさを多くの人に伝えていきたいですね。

左から野村実代、原優寧、熊崎晴香、江籠裕奈。

左から野村実代、原優寧、熊崎晴香、江籠裕奈。

プロフィール

SKE48(エスケーイーフォーティエイト)

AKB48の全国進出第1弾として、名古屋・栄に誕生したアイドルグループ。名称の由来は、活動拠点の栄(SaKaE)の頭文字。秋元康の総合プロデュースにより、2008年7月より活動をスタートさせた。AKB48同様「会いにいけるアイドル」をコンセプトに、栄にあるSUNSHINE SAKAE 2階のSKE48劇場にてチームS、チームKII、チームE、および研究生が公演を行っている。2009年8月にシングル「強き者よ」でメジャーデビュー。2011年5月にエイベックスへのレーベル移籍を発表し、7月に移籍第1弾シングル「パレオはエメラルド」をリリースした。2012年に初めて単独で「NHK紅白歌合戦」に出場。2014年2月には愛知・ナゴヤドームで、2015年8月には愛知・豊田スタジアムで単独コンサートを開催した。2021年4月にエースとして長年グループを牽引してきた1期生・松井珠理奈が卒業。同年9月にAKB48グループ最年少の林美澪がセンターを務める28thシングル「あの頃の君を見つけた」、2022年3月に29thシングル「心にFlower」をリリースした。10月発売の30枚目のシングル「絶対インスピレーション」では青海ひな乃が表題曲のセンターを担当。同作は3期生・須田亜香里にとってのラストシングルとなった。2023年7月に末永桜花がセンターを務める31stシングル「好きになっちゃった」をリリースした。