SIX LOUNGEが4月25日にミニアルバム「夢うつつ」をユニバーサルミュージック内のレーベル、ZEN MUSICよりリリースする。この作品には全7曲が収録され、初回限定盤付属DVDには2017年12月に東京・渋谷CLUB QUATTROで行われたワンマンライブから、21曲のライブ映像が収められる。

高校生の頃に結成されたSIX LOUNGE。結成から6年経った今もメンバーは大分に住み、純度の高いロックンロールサウンドを鳴らしている。音楽ナタリーではメンバー全員に初めてインタビューを実施。バンド結成の経緯や、「夢うつつ」で描きたかったという景色について話を聞いた。

取材・文 / 小林千絵　撮影 / 後藤倫人

下心で始めたバンド

──音楽ナタリー初登場ということで、まずはバンドの結成の経緯から教えてください。2012年にヤマグチさんとナガマツさんで結成したんですよね？

ヤマグチユウモリ（G, Vo）　そうですね。俺はもともとバンドがやりたくて音楽専門の高校に行って、そこでシンタロウを見つけて誘ったっていう感じです。

──どこでナガマツさんを？

ヤマグチ　放課後、練習室から「ゴゴスカゴゴスカ」ってデカい音が聴こえて。「ドラマーいるかな？」と思ってその高校に入ったので「いたわ」と（笑）。すぐ誘いました。

──音楽専門の学校だったらほかにもドラマーはいたと思うんですけど、ナガマツさんに声をかけたのはどうして？

ヤマグチ　最初、ゴリラみたいな別のドラムを見つけてそいつを誘ったんですよ。で、「いいよ」って言われた帰り道に、シンタロウを見つけて。「こっちのほうがいいな」と思って、そいつのこと忘れてシンタロウを誘いました（笑）。

──ナガマツさんのどこがよかったんですか？

ヤマグチ　普通にカッコよかった。音もデカかったし。

──そもそもヤマグチさんはどうしてバンドがやりたかったんですか？

ヤマグチ　中学校時代から文化祭とかで歌ったりしてたんですけど、やっぱモテるなと思って。

──バンドをやると？

ヤマグチ　はい（笑）。「これはいいな」と思って、本当に下心で始めました（笑）。

──ナガマツさんは高校でドラムを叩いていたということですが、ドラムを始めたきっかけはなんだったんですか？

ナガマツシンタロウ（Dr, Cho）　ばあちゃんが家でQueenのビデオを観てたんですけど、ドラムのロジャー・テイラーがボーカルより目立っててカッコよくて。小学生のときにドラムを始めました。バンドを組むこともなく、ずっと1人でやってて。

──ヤマグチさんからバンドに誘われたときはどう思いました？

ナガマツ　「やる」っつって（笑）。やっとバンドができるって思いました。

未来を棒に振れそうなリクが加入

──イワオさんが加入したのは2015年。お二人とイワオさんとの出会いはどのようなものだったんですか？

ヤマグチ　高校2年のときに、同じ高校にリクが入学してきたんです、アホヅラで（笑）。で、俺らのライブのチケットが全然売れてなかったので、仲良かったリクを強制的に誘って。嫌々観に来てました。

イワオリク（B, Cho）　嫌々ではなかったですよ（笑）。今思えば、ありがたかったなと思います。対バンでいろんなバンドが出ていて。Regaとか。そういう知らなかったバンドを知るきっかけにもなりました。

──当時、SIX LOUNGEにはどういう印象を抱いていました？

イワオ　カッコよかった。初めてカッコいいなって思った邦楽のバンドがSIX LOUNGEかもしれないです。中学生の頃は洋楽しか聴いてなくて、高校に入っても「日本のバンドのよさがよくわからない」って思ってたんです。そんなときにSIX LOUNGEのライブに誘われて。ライブだったからというのもあるかもしれないけど、純粋にカッコいいなと思いました。そこから「日本のロックっていいなあ」と思って、いろいろ掘り下げて聴くようになりました。

──お客さんとして観に来ていたイワオさんが加入することになったのはなぜですか？

ヤマグチ　高校を卒業するとき、それまでいたベースが辞めちゃったんです。そいつが辞めた理由が進学か就職をしたいってことだったので、「次のベースは未来を棒に振れるやつにしよう」と思って。そのときリクがやってたバンドが、ノーフューチャーって感じだったので「こいつだ！」っつって（笑）。

イワオ　当時やってたバンドのボーカルに対して、「この人と一緒にいてもたぶん未来はないな」と薄々勘付いてたときに誘ってもらったので、すぐ辞めてSIX LOUNGEに入りました。

ヤマグチ　結局そのバンドは俺らがリクを誘っちゃったせいで解散しちゃったんですけど（笑）。

──（笑）。とりあえずは3人共未来を棒に振れる覚悟、音楽でやっていこうという覚悟があったんですね。

ヤマグチ　それ以外にやりたいことがなかったって言うか。ほかにやれることもないし、とりあえずバンドやろうって感じでしたけどね。