初ワンマンを振り返って
──「SHISHAMOでした!!!」の初回限定盤にはBlu-ray「SHISHAMO LIVE 2013-2025」が付属します。2013年12月の初ワンマンライブから活動終了を発表した2025年9月のワンマンライブまで、これまで商品化されていない映像を中心に厳選した全14曲のライブ映像が収められています。初ワンマン、覚えてますか?
めっちゃ覚えてます。最初の頃は対バンをほとんどやってなくて、ワンマンライブばかりやろうとしていて。自分の性格もありますけど、ほかのバンドと何かをするよりも、自分たちの道をお客さんと一緒に作り上げることに興味があったから。今振り返っても、それで正解だったと思います。あと、デビュー直後のライブも意外としっかりできてました。「とても観れたもんじゃないだろうな」と思ってたんだけど、そんなことはなかったですね。粗さはあるけど誠実さを感じるというか、たぶん真面目なバンドなんだと思います(笑)。
──吉川さんは常に練習していたし、確かに演奏も最初からしっかりしてましたよね。インタビューでは3人ともまったく満足してなくて、「まだまだです」としか言ってなかったですが。
本当に「まだまだだな」と思ってたので。そういう気持ちがあったから、ここまでやれたんだと思います。
──そうですよね、本当に。ライブ映像の中で、特に印象に残っているのは?
全部観てほしいですけど……私、野音(日比谷公園大音楽堂)が好きなんですよ。ほぼ毎年野音でライブをやらせてもらってたし、このBlu-rayにも3曲入っていて。「昼夜逆転」(「SHISHAMO NO YAON!!! 2016 夜空編」)はこの日だけのアレンジで、私がピアノを弾いてたり。ライブでしか観られない映像ばかりなので、ぜひ楽しんでほしいです。
いい曲を作ってきた自信がある
──「SHISHAMOでした!!!」の制作を通して、改めてSHISHAMOと向き合うことになったのでは?
まさにそうですね。これまでの曲も聴き直したんですけど、「ちゃんと作ってきたんだな」って。あと「SHISHAMOは自分たちだけのものじゃないんだな」と改めて思いました。お客さんの中で育ってきたバンドでもあるし、私たちがやりたいことだけじゃなくて、皆さんが観たいSHISHAMO像も反映されていて。それが混ざり合ってSHISHAMOらしさができてきたんだなと。
──メンバーの皆さんがやりたいことと、リスナーから求められることのギャップもあった?
あったと思います。ただ、自分たちがやりたいことだけをやってもつまらないというか、「それだとバンドをやる意味がないな」という気持ちもあったんですよ。自分がやりたいことをやりきる人もカッコいいと思うけど、私たちはそうじゃなくて。自分だけの意見じゃないほうが面白いものができると思うし、SHISHAMOにとってはこのやり方が正解だったなって。
──SHISHAMOといえば恋愛ソングです。恋愛というテーマについてはどう捉えていますか?
まったく飽きてないですね。最近もそのことを考えてたんですけど、音楽に限らず、「恋愛というテーマってなんでこんなに面白いんだろう?」と思って。映画やドラマ、マンガもそうですけど、こんなにコスられ続けているテーマってないじゃないですか。なのにこんなに面白いのは、同じ恋愛が1つも存在しないからだろうなって。私も曲が書けなくて困ったことはほぼなかったし、ずっと楽しく作ってました。コロナ禍で活動ができなくなったときも、制作の環境を整えたりして、またフレッシュに曲作りできるようになったり。「ちゃんといい曲を作ってきたな」という自信もありますね。
──素晴らしい。そういう話を聞くと、「もっともっといい曲を届けてくれたはずなのに」と思ってしまいます。
それを言い出すとキリがないので(笑)。私も「もっといい曲を書ける」と思っているし、もっといいライブもできるはずという気持ちもあって。SHISHAMOはもっと成長できるバンドだと思うけど、それを言い出すと一生やるしかない(笑)。それも含めて「ここで終わる」ということがあってもいいんじゃないかなと思ってます。
がんばり屋さんの3人
──メンバーのお二人に対してもいろんな気持ちがあると思います。
よくバンドは運命共同体って言うじゃないですか。何があっても一緒にやるしかないし、いいときも悪いときも一緒にいることが決まっているという。そういうメンバーに出会えたのはすごく恵まれていたなと思います。
──松岡さんは2014年9月に加入しました。1カ月後に全国ツアーが始まるという目まぐるしい展開でした。めちゃくちゃがんばり屋ですよね。
それは間違いないというか、SHISHAMOはみんながんばり屋さんだと思います(笑)。松岡は飛び込む精神が強いんですよね。いきなりバンドに誘われて、すぐに全国ツアーって、私だったら「なんか怪しいし、やめとこう」と思うのに。
──バンドに誘ったのは宮崎さんじゃないですか。
そうなんですけど(笑)。あまり信じてもらえないんですけど、顔で選んだんですよ。とにかく顔が好みだったし、「ベース弾いてそうだな」と思ったら、本当に弾いてて。次の日にスタジオに入って、まったく弾けなかったんですけど(笑)、なんとかなる!って。たぶん松岡も「やったほうがいい」と思ったんじゃないかな。ほかの人だったら無理だったと思うし、声をかけてよかったですね。
──吉川さんはとにかくストイックな印象があります。いつ取材しても「スタジオに入ってます」と言ってて。
本当にずっと練習してましたけど、それって誰もができることじゃないですよね。さっきも言ったように「まだまだ」という気持ちがずっとあっただろうし、だからこその練習量なんだろうなって。すごい人だなと思います。
いつも通りに演奏したい
──2月11日の神奈川・カルッツかわさきを皮切りにラストツアー(「SHISHAMO ファイナルツアー2026『さよならボヤージュ!!!』」)が始まります。
ちょっと不安ですね。年齢のせいか、最近すぐグッと来ちゃうんですよ。「ツアー全会場で泣いたらどうしよう」っていう……泣かないですけどね(笑)。泣かないんだけど、グッと来ちゃって、我慢しながら演奏する瞬間があるだろうなって。カッコいい自分でいたいし、泣くのはお客さんに任せて、こちらはいつも通りにやりたいなと。最後のツアーは1本1本が本当に大事になってくるし、時間を大切にして過ごしたいなと思ってます。
──オーディエンスの気持ちを受け止めて、いつも通りに演奏したい。すごくSHISHAMOらしいと思います。ステージの上の宮崎さんはいつも凛としているイメージなので。
そういう自分が好きなんですよね。ただ、最近は映画の予告を観ただけでもウルッと来ちゃったりするので(笑)。ちょっと怖いですけど、みんなに凛とした姿を見せられるようにがんばります。
──Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu(等々力陸上競技場)でのラストライブ「SHISHAMO THE FINAL!!! ~Thanks for everything~」も同じスタンスですか?
そうです! わからないですけどね、当日何が起きるか。そもそも等々力陸上競技場でのライブは2018年に台風で中止になって、2020年はコロナ禍でできなくて。今回が3度目の正直なんですけど、自分たちの「やりたい!」という気持ちプラス、ファンの皆さんの気持ちも乗ってるんですよ。2018年に中止になったときも、「絶対リベンジしてください」という声をたくさんもらって。川崎フロンターレの試合を等々力に観に行ったときも、サポーターの皆さんが「絶対やってください」と声をかけてくれるんですよ。自分たちの願いだけじゃないし、万全の準備をして、みんなでたどり着きたいと思ってます。
──楽しみです! 最後に、宮崎さんにとってSHISHAMOとは?
「いいバンドに育ててもらった」ですね。こんなにいいバンドに参加できたのはすごく恵まれてるなって思います。活動を終えると決めてから、こうやってCDを作ったり、ライブも決まって。ワクワクなことがたくさんあるので、みんなでしっかり楽しみたいです。




