観劇した方に何かを持ち返ってもらえたら
──杉浦さんとピコさんは今回のセルフリメイクで、どんな新しさを打ち出したいと思っていますか?
ピコ 僕は今回でSEPTの作品に関わらせていただくのは8回目なんですが、これまで自分が関わらせていただいた作品の中で「SANZ:0」は一番重いテーマを持つ作品だと思っています。でも暗くて重いだけでなく、今お二人が今話してくれたような要素もあるので、観劇してくれた方に何かを持ち返ってもらえたらいいなと思います。もちろんシンプルに「観に行って楽しかった」と感じてもらうのもうれしいですし。エンタメとしての単純な楽しさと自問自答させられるようなところ、両方を感じ取ってもらいたいですね。
杉浦 SEPTは音楽と芝居のコラボレーションをテーマに発足させたエンタテインメントユニットなので、「SANZ:0」も音楽と芝居、両方が軸にならないといけません。今回のテーマは重たいかもしれませんが、喜怒哀楽がしっかり入った作品にしたいですし、しっかり笑えるシーンもあります。あまり身構えずにエンタメを楽しむ気持ちで来ていただいて、劇場をあとにするときにはピコくんが言ったように、自問自答していただけたらうれしいですね。各公演の最後には作品中の曲をキャストにフル尺で歌ってもらうエンディングライブも予定しているので、それもまた楽しんでもらいたいです。
宮里 エンディングはトークだけだと思っていたのですが、ライブもあると聞いて驚きました。
杉浦 トークとライブなんです。
宮里 自分も歌うっていうことですよね?
杉浦 劇中で歌って踊ってもらった曲をエンディングではフル尺でパフォーマンスしてもらいます。
宮里 じゃあそこはアーティストとして、100%の力で歌い踊ります(笑)。自分が楽しめたらお客さんにもその楽しさが伝わると思うので、お客さんよりエンジョイすることを目標にがんばります。
星名 劇中の曲も作品を好きになってもらえる大事な要素の1つだと思っています。例えば好きな俳優さんが出てるからという理由で舞台を観に行ったとして、耳から離れない曲があったらさらに作品に対して愛情を持つと思うので、そういうお客さんがたくさん生まれるように、みんなを引っ張りながらエンディングライブまで楽しみたいですね。私がグループ活動をしていたときは年に数回くらいしか生バンドの方たちと一緒にライブをする機会がなかったので、毎回生バンドなのはすごくぜいたくだなと思います。生バンドに馴染みのない方にも「生バンドって素敵だな」と思ってもらえたらうれしいですね。
ピコ SEPTさんのエンディングライブは後日談的な意味合いもあるので、役を演じている自分の気持ちをそこで成仏させられるようなところがあるんです。あと、今回の生バンドにはバイオリンやアコースティックギターの方もいるので、貴重なパフォーマンスになると思います。バンドも歌う人も踊る人もアクロバットの人もプロフェッショナルな方たちが集まっていて、豪華なエンディングライブになりそうです。SEPTさんの楽曲は本当にクオリティが高いので、そこに本気でぶつかることで千秋楽に向けてさらに楽曲の完成度が上がっていく、みたいな感じもとても面白いので、ぜひ何度も観に来ていただきたいですね。
舞台は自分のグループにも興味を持ってもらえる、ありがたい機会
──本格的な稽古はこれから始まるそうですが(※取材は3月下旬に実施)、先日キャラクタービジュアルの撮影が行われました。星名さんと宮里さんはSEPT作品の現場に初めて参加して、どんな期待を抱きましたか?
星名 中にはわりと淡々とした雰囲気の現場もありますが、SEPTさんの現場はすごくアットホームだなと思いました。タカオさんのお母様が手作りのお弁当を差し入れしてくれたことにびっくりして。
杉浦 母はいつもSEPTのスタジオにいて賄いを作ってくれているんですが、今回の撮影はスタジオと近い別の場所だったので、弁当を作ってきてもらったんです。手作りのものが苦手な人もいますが、星名さんは喜んで食べてくださったのでうれしかったですね。
星名 撮影が終わったあと、たくさんいただいてお腹いっぱいになって帰りました(笑)。あと、何度もSEPTさんの作品に出ている方が多いからかファミリー感がとても強くて、私も仲間に入れていただきたいなと思いました。
杉浦 その撮影でソルくんとは役の話を軽くして、一緒に衣装を見たりしましたね。
宮里 ですね。「カラコン苦手なんですよ」という話もして(笑)。
杉浦 そうそう(笑)。「ユウトはカラコンする?」って。
宮里 これまでカラコンを着けたことがないんですよ。なので稽古期間中に練習をしようかと(笑)。
星名 カラコンを着ける練習をするんですね(笑)。
──宮里さんと星名さんの幅広い活動の中で、舞台の仕事とはどんな位置付けなんでしょう?
宮里 自分が出ている舞台をきっかけにENJINというグループに興味を持ってもらえることも多いので、すごくありがたい機会だと思っています。だからめちゃくちゃがんばりたいですね。
星名 同じ公演でもリピートしてくださる方も多いので、1公演1公演積み重なっていく感じがあるのが好きですね。あと、私はけっこうな飽き性なんですが、舞台はお客さんの反応や雰囲気が毎回違うところも好きですね。アイドル活動をやっていた頃は、毎日違う現場に行く新鮮さを楽しんでいましたが、今は1本の作品に集中することでより多くのものを吸収したいなと思っています。あと、ENJINさんのメンバーの方と舞台でご一緒する機会がすごく多いんです。今回もENJINさんのファンの方に好いてもらえるようがんばります。
宮里 うちのメンバーとは2回くらい共演してますよね。
星名 はい、今回が3回目です。宮里さんとは以前舞台のアフタートークでご一緒したことがあるんですが、陽気そうな方だなと。
宮里 僕の第一印象はだいたい“陽気”です(笑)。初対面の人とはわりと気軽に話せるんですけど、仲が深まると逆にしどろもどろになっちゃうところがあって。最近知った言葉なんですが“社交的陰キャ”なんだと思います(笑)。
ファンミーティングではアットホームに素を見せたい
──上演期間の真ん中あたりの5月4日にはファンミーティング回が設けられていますが、この日はどんなことをするんですか?
杉浦 これまでSEPTでファンミーティングは1回しかやったことがないんですが、公演期間中にやってみたら面白いのでは?と思ってまたやることにしました。前回はSEPTに関わってくれている人たちがこぞって出てくれて、SEPTクイズやゲームをやりましたね。今回は「SANZ:0」のファンミーティングでありつつ、SEPTのファンミーティングでもあるような内容にしたいと思っています。
星名 私は情弱なので、クイズはヤバいです(笑)。
杉浦 SEPT初参加だと厳しいですよね(笑)。
ピコ あと、前回は二重跳びバトルもやりましたね(笑)。
杉浦 ビリビリゲームとかね(笑)。お客さんにも参加してもらって勝者の方にプレゼントをあげたり。
宮里 お客さんも参加するのはいいですね。
杉浦 舞台が始まってしまうと作品に関して話す機会がなくなってくると思うので、2人には「優羽を演じてみて」とか「ユウトを演じてみて」といったことも話してもらえたらいいかなと思っています。
星名 やっぱりアットホームなチームですよね。自分が所属していたグループもファンクラブイベントで借り物競争やモノマネをやったり、けっこうアットホームでふざけたことをやったりしていたのでまたそういうことができるのは楽しみです。これから稽古が始まると皆さんとの距離が近付くと思うので、素を見せていけたらいいなと思います。
ピコ モノマネは得意なんですか?
星名 いや、めっちゃ苦手なんですけど(笑)、ふざけてやってました。
ピコ じゃあファンミーティングではぜひやっていただきたいですね(笑)。
杉浦 ピコくんはSEPTのキャストたちのモノマネができるので。
ピコ ただのイジリなんですけど(笑)。7割くらいしか似てないです。
宮里 僕はバラエティがすごく好きなんですけど、ENJINのファンミーティングで同じ沖縄出身のガレッジセールのゴリさんが扮するゴリエの衣装を着て完コピしたりしてます(笑)。それをピコさんに真似してもらいたいです。
ピコ 任せてください!(笑)
杉浦 ゴリエの真似をしているソルくんの真似って、もはや何者でもないよね(笑)。
ピコ (笑)。ファンミーティングのあとは夜公演があるのでその切り替えがすごそうです。
杉浦 我々が楽しんでいないとお客さんは楽しくないと思いますし、「SANZ:0」はテーマがどっしりしているからこそ、ファンミーティングではまた違った方向でエンタテインメントを提供しながら乗り切っていきたいと思っています。