音楽ナタリー Power Push - さくらしめじ

3年間の集大成 「さくら〆じ」で一歩先の新しい僕らへ

らしい曲、らしくない曲

──「さくら〆じ」は、2人にとって初のミニアルバムですね。

雅功 はい。このCDには、僕らがライブで披露していたけど音源化されていなかった曲が中心に収録されています。これまで、新曲のレコーディングでは「音程を意識しよう」とか「歌い終わりのブレスは揃えて」みたいなテクニック面を意識していたんですけど、今回はライブで歌ってきた曲がほとんどなのでだいぶ歌いなじんでいました。「こういうふうに歌ったら、歌詞のメッセージがより伝わるんじゃないかな?」とか、表現やニュアンスのほうにより意識を集中させることができました。

彪我 あとライブで披露している曲でもアレンジが変わったりしているから、2度楽しめるような感覚になると思います!

髙田彪我

雅功 曲によって極端に歌い方を変えてみたりもしたよね。さくらしめじらしい曲も、らしくない曲も入っているので、メリハリを意識しました!

──そうなんですね。らしくない曲の筆頭とも言える“人力EDMソング”の「いーでぃーえむ」は、それこそライブで聴くものとガラリと印象が変わっていました。

雅功 自分たちもビックリしました。「めっちゃ変わってる!」って。この曲でガラッと作品の流れも変わるので、CD全体を見てもアクセントになるポイントだなって。

──また、「いーでぃーえむ」のあとが優しいミドルチューンの「ゆめがさめたら」で。

雅功 そうなんですよ。異質さが際立ちますよね。で、この曲で僕はサビ前に言う決めゼリフの言い方にかなりこだわりました。曲調がこれまでにないほどパワフルなので、「今までの田中雅功のままで歌ってはこの曲はだめだ! 勢いを止めてしまう!」って思って。

田中雅功

彪我 いやあ、ホントにすごかったです。「我愛你」は、特に気合い入ってるなあって思いました。けっこうテイクを重ねたんだよね。

雅功 そうだね。

彪我 かなりたくさんバリエーションを試していました。

──では、音源には雅功さん渾身の「我愛你」が入っているわけですね。次はリード曲「かぜいろのめろでぃー」について聞きたいのですが、この曲は2人のボーカルの抑揚の付け方にこだわりを感じました。

雅功 はい。この曲は歌詞のメッセージ性が特に強い曲なので……「歌い方1つで伝わり方が変わるな」って思ったから、けっこう意識したよね。

彪我 そうだね。かなりいろいろ考えながら表現しました。歌詞のひと言ひと言も重要なので、言葉の1つひとつにも思いをしっかり込められるように歌いました。

いったん締めて次のステップへ

──ちなみに、作品全体を通して「ここを聴いてほしい!」と特にお薦めしたいところはありますか?

雅功 「おたまじゃくし」のサウンドを聴いてほしいです! 歌の後ろで流れているバンドさんの音が、スチールパンで泡の音を表現していたりして、すごく素敵なんですよ。

彪我 ギターで泡が湧き出てくるような音を表現したりね。

髙田彪我

雅功 なので、聴いているだけで楽しい気分になっちゃって。歌にも自分の気持ちが自然と乗る感じでした。本当にキレイな音ばかりなんで、ずっと聴いていられるんですよ。

──では、「おたまじゃくし」はオケにも注目ということですね。

雅功 はい。あと「ゆめがさめたら」の彪我の歌も、ぜひ注目して聴いてほしいです。2番のAメロが特にいいんです。この曲は彪我が先にレコーディングしたんですけど、彪我のこのパートを聴いて「すごい……」って思いました。

彪我 いやいやいや。いやあ……(笑)。

雅功 今までの彼の歌い方とはまたちょっと違っていて、渋さがあるんですよ。

──彪我さん、そこは意識して?

彪我 そう……ですね。意識していたと思います。ブレスのポイントに気を付けたり、歌詞と歌詞の間隔の長さを意識したりしました。あと、細かく強弱をつけていって。でも、雅功さんの歌う1番のBメロもすごくいいですから!

田中雅功

雅功 あはははは!(照れ笑い)

彪我 今までにないような、ずっしりとしたボーカルで。成長がよくわかると思う。

雅功 照れますね(笑)。僕は歌っていて、歌のテクニックというよりも自分が曲をどう感じ取ったかを相手に伝えて、それを相手が自由に解釈してもらえたらいいなと思いながら歌っている意識が強いです。そう、「ゆめがさめたら」と「みちくさこうしんきょく」を続けて聴いてもらえたらわかると思うんですけど、この2曲は歌い方のトーンをすごく変えました。「みちくさこうしんきょく」は軽快さを意識して、「ゆめがさめたら」はどっしりと歌おうと心がけていました。

──この作品を作り上げていくうえで、2人はお互いの進歩を感じ取っていたんですね。

雅功 そうかもしれないです。自分自身でも前作のシングル「ひだりむね」と比べても、表現力は上がってきたのかなと思いますし。作品のタイトルが「さくら〆じ」になったのも、僕らが中学生時代にやってきたことをいったん締めて次のステップへ、という思いが込められてのものなので、また次の一歩につなげられるようなCDになったんじゃないかなと思います!

──中学生のさくらしめじが積み上げてきたものが、「さくら〆じ」に詰まっているんですね。

雅功彪我 はい!

1stミニアルバム「さくら〆じ」 / 2017年3月22日発売 / SDR
初回限定盤 [CD+DVD] / 2500円 / ZXRC-2019
通常盤 [CD] / 1800円 / ZXRC-2020
CD収録曲
  1. ひだりむね
  2. かぜいろのめろでぃー
  3. おたまじゃくし
  4. いーでぃーえむ
  5. ゆめがさめたら
  6. みちくさこうしんきょく
初回限定盤DVD収録内容
  • 2015.12.29 森のきのこの音楽会・まよなかぴくにっく ・さんきゅう
  • 2016.4.23 菌唱-KINSHOW-・いくじなし ・ぎふと
  • 2016.10.9 おたまじゃくしの宴・きみでした ・またたび ・てぃーけーじー ・はじまるきせつ
  • 各会場でのメイキング映像

春しめじのeat shun

2017年4月23日(日)TOKYO DOME CITY HALL
OPEN 16:00 / START 17:00
チケット情報はコチラから

1stミニアルバム「さくら〆じ」リリース記念イベント

2017年3月22日(水)東京都 ららぽーと豊洲
2017年3月23日(木)広島県 イオンモール広島府中
2017年3月24日(金)愛知県 イオンモール名古屋茶屋
2017年3月25日(土)宮城県 EBeanS
2017年3月26日(日)東京都 東京イースト21
さくらしめじ
さくらしめじ

田中雅功、髙田彪我によるフォークデュオ。2014年6月にガク&ヒョウガとしてユニットを結成し、8月にお披露目ライブを行った。埼玉・大宮駅前でストリートライブを重ねて経験を積み、11月に東京・日本青年館で行われたEBiDAN 39 & KiDSの単独公演に出演。この公演でユニット名が「さくらしめじ」になったことが発表される。また同日にライブ会場限定で1stシングル「いくじなし / きのうのゆめ」の販売がスタート。2015年3月に同作が全国流通盤としてリリースされる。またこの年の夏に全国を回るフリーライブツアー「さくらしめじニッポン列島菌活の旅~広げよう“きのこの輪”~」をスタートさせ、12月には初のワンマンライブを東京・IMA HALLにて開催した。2016年には1月に3rdシングル「はじまるきせつ / さんきゅう」を、8月にテレビ東京系ドラマ「こえ恋」のオープニングテーマを表題曲とした4thシングル「ひだりむね」を発表。2017年3月に初のミニアルバム「さくら〆じ」をリリースし、4月にTOKYO DOME CITY HALLにてワンマンライブ「春しめじのeat shun」を開催する。