斉藤朱夏「イッパイアッテナ」特集|言いたいことがいっぱい!あふれる感情を注いだアーティスト活動3周年シングル (3/3)

いつも主人公の女の子像を話し合います

──ケイさんからデモを受け取る際に「こういう曲です」という説明はあるんですか?

いつもプリプロのときに話しますね。「この曲の主人公って、こういう感じの女の子だよね」と話し合って、そこから実際に歌ってみて、「ここはもうちょっとこうやって歌わない?」「私的にはこういう感覚だったんですけど、ケイさんはどうでしたか?」というやりとりをしています。「ノーサレンダー」に関しては、私とケイさんの間で主人公の女の子像が最初は違って。1回歌うのをやめて話し合ったんですよね。

──どういった点が違ったんですか?

服装のイメージが違ったんですよ。パンツスタイルではなく、スカートを履いてる女の子というところまでは一緒だったんですけど、スカートのフリフリ具合が違って。私が「それはフリフリすぎますよ! もうちょっとこういうスカートだと思います」とか「違います! ショートカットの女の子ですよ」ということを言って(笑)。最終的に思い描いている性格は一緒だったんですけど。

──服装の細部まですり合わせをするんですね。そういうところが歌にも影響してくると。

影響しますね。「服装はワンピースで、髪型はショートカットで、やんちゃな女の子で、ちょっとわがままで」というイメージをすり合わせて歌ったら、ケイさんも「あっ、それです!」って。いつも主人公の女の子像を話し合いますし、気になったところは「これってどういう意味なんですか? なぜこういう言葉があるんですか?」とすべて聞くようにしています。

──朱夏さんの姿がそのまま反映されたような曲であれば、歌っていても気持ちがスッと入っていけたのでは?

そうですね。2番のサビや大サビの「Yes ノーサレンダー」というところは、ケイさんから「ちょっとだけ舌を巻いて」と言われて。そういうやんちゃさを、自然体の自分で表現できました。「限界ってときこそ飛ばせジョーク」というところは、まさに限界という感じのニュアンスを入れてみたり。自分がやりたいように歌えた楽曲だったと思います。

斉藤朱夏

「私から会いに行きたい」という思いがすごくあった

──8月20日には初めての全国ツアー「朱演2022 LIVE HOUSE TOUR『キミとはだしの青春』」がスタートします。ツアーを発表した際に「ここにいる君はいろんなところから遊びに来てくれてるんだから、2022年は私が君のところに行かないと」とおっしゃっていましたが、シングルの3曲目「だから会いにいく」にはそういう気持ちが反映されていますね。

「だから会いにいく」はまさにツアーをイメージして作った曲です。コロナ禍でみんなに会えない期間があったからこそ、「私から会いに行きたい」という思いがすごくあって。とにかく今年のテーマは「みんなとたくさん会うこと」で、「私から会いに行く」というのが大事なんですよね。できることなら私はもっとみんなの近くに行きたいし、なんだったらステージを降りてフロアに行きたいくらい(笑)。私はみんなのことを「ファン」と言うのが苦手で、友達や仲間だと思っているんですが、その仲間のもとへ自ら会いに行って、みんなと一緒にいろんな答え合わせをしたい。「斉藤朱夏ってどういう人なんだろう?」と思っている人には、「私ってこういう人です」という答えを提示しに行けたらいいなと思うし。今回のツアーは「会いに来て」じゃなくて「会いに行く」なんですよね。私の性格的にも、そのほうがしっくりくるんです。

──「だから会いにいく」という曲を作るにあたって、ケイさんとお話はされましたか?

私から歌詞のプロットをお渡ししました。そのプロットは春のライブ「はじまりのサイン」が終わってから書いたもので。ライブが終わってしまって寂しく感じてしまったり、今日という日がもう来ないんだと思ったら悲しくなったりして、そういうときにこの気持ちを書きたいなと思ったんです。

──だから“今この一瞬”の大切さをつづった曲になっているんですね。

もともと私はよくライブのMCで「今というこの一瞬」という言葉をよく使うんですよ。その一瞬はそのときにしかないから、今日という日、1分1秒をみんな大切にしてほしいなって。もちろんライブだったら、私はその1分1秒をいただいている身だから、その時間を大切にしてみんなと一緒に過ごしたいという気持ちがあります。

──「夜空に浮かぶ花火みたいに きれいなものほどすぐ消えちゃうから 君と見ていたい」や「たまに重なるほんの一瞬が 何よりも愛おしいんだよなあ」といったフレーズからは、特にそういった思いを強く感じました。

「夜空に浮かぶ花火」というフレーズは、ペンライトの光が広がるライブの景色みたいだなと思いました。みんなが灯すペンライトの光ってすごくきれいで、その瞬間を一緒に目一杯見ていたい。ライブをやるたびに、みんなのことがより愛おしくなっていくんですよね。私がMCでしゃべってるときとか、みんなの表情が柔らかいんです。我が娘を見るみたいな感じで。その微笑みをずっと見ていたいからこそ、みんながうれしいこと、楽しいことをたくさん考えたいなと。「早くこれをみんなに伝えたいな」とか、「みんなにひとつでも嫌な思いをしてほしくないから、これはどうしよう?」とか、毎日みんなのことを考えていますね。

──レコーディングのときも、そんな“君”のことを思い浮かべながら歌ったんでしょうか?

はい。「ともかく君に会いたい」という思いでいっぱいなので、ライブのことをイメージしながら。柔らかい気持ちで、みんなが目の前にいるような感じで歌いました。

──今年の春に東名阪ライブを行いましたが、今回は10都市14公演の全国ツアーということで、今の心境としてはいかがでしょうか?

全国ツアーは初めてなので、果たしてどうなるのかなってドキドキしています。このツアーで自分がどれだけ成長できるのかなとか、どれだけみんなと仲よくなれるのかなとか。ありがたいことなんですが、これまで広い会場でライブをやらせていただく機会が多くて。もちろんあの広さだからこそできるステージの作り方も好きなんですけど、距離感の近いライブハウスツアーでいろんなところを回りたいということはずっと言ってきて。4年目にして、やっと自分がやりたかったことが現実になっていってるなと感じています。

──Twitterでツアー先のおいしいものや観光地を募集していましたね。

勝手に企画にしようと思って(笑)。初めて行く場所もあるんですよね。すっごくおいしいそうなものをたくさん紹介してもらって、「君の地元ってこんなにいいところなんだね」と。ハッシュタグを見てるだけでも、すでに楽しみしかないです!

斉藤朱夏

ライブ情報

朱演2022 LIVE HOUSE TOUR「キミとはだしの青春」

  • 2022年8月20日(土)千葉県 KASHIWA PALOOZA
    OPEN 17:30 / START 18:00
  • 2022年8月21日(日)千葉県 KASHIWA PALOOZA
    OPEN 16:00 / START 16:30
  • 2022年9月9日(金)宮城県 darwin
    OPEN 18:00 / START 18:30
  • 2022年9月17日(土)岐阜県 岐阜club-G
    OPEN 17:00 / START 17:30
  • 2022年9月19日(月・祝)静岡県 LIVE ROXY Shizuoka
    OPEN 17:00 / START 17:30
  • 2022年9月23日(金・祝)広島県 広島セカンド・クラッチ
    OPEN 17:00 / START 17:30
  • 2022年9月25日(日)福岡県 DRUM Be-1
    OPEN 17:00 / START 17:30
  • 2022年10月8日(土)兵庫県 神戸VARIT.
    [1回目]OPEN 15:30 / START 16:00
    [2回目]OPEN 18:30 / START 19:00
  • 2022年10月22日(土)埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
    [1回目]OPEN 15:30 / START 16:00
    [2回目]OPEN 18:30 / START 19:00
  • 2022年11月3日(木・祝)京都府 KYOTO MUSE
    OPEN 17:00 / START 17:30
  • 2022年11月5日(土)神奈川県 Yokohama Bay Hall
    [1回目]OPEN 15:00 / START 16:00
    [2回目]OPEN 18:30 / START 19:30

日本青年館ホール ワンマンライブ(仮)

2022年12月3日(土)東京都 日本青年館ホール
[1回目]OPEN 15:15 / START 16:00
[2回目]OPEN 18:15 / START 19:00

プロフィール

斉藤朱夏(サイトウシュカ)

2015年に「ラブライブ!サンシャイン!!」の渡辺曜役で声優デビューし、作中のスクールアイドルグループAqoursのメンバーとしての活動をスタートさせる。2018年11月にはAqoursとしてライブ「ラブライブ!サンシャイン!! Aqours 4th LoveLive! ~Sailing to the Sunshine~」で東京・東京ドームのステージに立ち、12月に「第69回NHK紅白歌合戦」に出演した。2019年8月にミニアルバム「くつひも」でソロアーティストとしてデビュー。2021年8月に1stフルアルバム「パッチワーク」を発表し、11月にホール公演「朱演 2021『つぎはぎのステージ』」を神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールで開催。2022年4月に東名阪ツアー「朱演2022 LIVE HOUSE TOUR『はじまりのサイン』」を行った。8月にアーティスト活動3周年&バースデーシングル「イッパイアッテナ」をリリースし、初の全国ツアー「朱演2022 LIVE HOUSE TOUR『キミとはだしの青春』」を開催する。FM NACK5で毎週水曜深夜24:30よりレギュラーラジオ番組「斉藤朱夏 しゅかラジ!」がオンエア中。