サバシスター「My girlfriend is PIZZA OF DEATH」インタビュー|大事にしたのは“面白さ” (2/3)

特典DVDは“破天荒フェイクドキュメンタリー”

──「My girlfriend is PIZZA OF DEATH」のMVでは、皆さんがスパイキーヘアや革ジャン姿の、いわゆるパンクスの格好をしていますね。

なち 昔からこういう格好をしてみたいっていう気持ちがずっとあって。それに似合う曲ができたらやらせてもらおうと思っていたらピッタリな曲ができたので「どうしてもこういう格好をしたいです」とスタッフに言いました。衣装を集めてもらって、2時間くらいかけて髪の毛を立ててもらって。夢が1つ叶ったような気持ちです。

──特典DVDには、このMVのほか、「My girlfriend is PIZZA OF DEATH II」と、そのドキュメンタリー映像も収録されます。

るみなす 「My girlfriend is PIZZA OF DEATH II」のMVではスーツを着ているんですが、そのスーツは採寸から作ってもらったものなんです。だからまた着る機会があったらうれしいですね。髪の毛もオレンジにしたりして、自分が別人になったみたいな気持ちで撮影できて。すごく楽しかったです。

るみなす(G)

るみなす(G)

ごうけ 私は頭にめっちゃ安全ピンが刺さっています(笑)。ああいうのやってみたかったので、うれしかったです。まああんなに大量になるとは思わなかったですけど(笑)。

なち ドキュメンタリーは、嘘のドキュメンタリーなんですよ。

──フェイクドキュメンタリーなんですね。

なち そう。MV撮影の途中でブチギレるとか、そういうのを、みんなで笑いを堪えながら撮影しました。1日かけて撮影したんですけど、あっという間で楽しかったです。完成映像は激ヤバですけど(笑)。

ごうけ うん、親には見られたくない(笑)。

るみなす 恥ずかしくて自分ではもう観れないよね(笑)。

──気になる方はぜひDVDで確認をということで。

なち はい。

初めてのアニメタイアップ、初めてのアプローチ

──3曲目「ふしぎなきみ」は4月放送開始のテレビアニメ「宇宙人ムームー」のオープニング主題歌です。家電の技術を学ぶべく地球にやってきた猫型異星人のムームーと、突然同居することになった大学生・桜子のドタバタコメディで初のアニメタイアップということですが、最初にオープニング主題歌を手がけると聞いたときはどう思いましたか?

なち やっぱりうれしい気持ちと……私はあまりアニメも観ないし、マンガも読まないので、もともとあるお話をどれくらい自分の音楽に落とし込めるのかなという不安な気持ちも、最初はありました。

──書き下ろしということですが、実際、「宇宙人ムームー」のどういったところからインスピレーションを受けて曲を作り始めたのでしょうか?

なち 原作マンガを読ませてもらって、主人公とムームーが、“ちょっと遠い存在だけど、ずっと身近にいてくれるような、いてくれないような……”みたいな関係性だと思ったので、その関係性を表現したくて。そうしたらサビの歌詞とメロディが同時に浮かびました。この曲はツアーの移動中に車の中で作ったんですけど、歌詞だけ先に完成させて、トラックを決めて頭の中でメロディを流して秒数を計ったら、一発目で、アニメのオープニング用にと指定された秒数ぴったりだったんです。だからもうこのままいくしかないって思いました。

──すごいですね。

なち 適当に作っているわけじゃないですよ? それくらい自分の中でイメージが固まっていたし、自分には書きやすい内容だったということなんだろうなと思います。

ごうけ この曲、めっちゃかわいい曲だなと思いました。「どっかーん」とか。

なち ふふふ。

ごうけ すごく好きな曲です。

ごうけ(Dr)

ごうけ(Dr)

──演奏するときに意識したことやこだわったことは?

るみなす キャラクターが動いている場面を想像して、ちょっとリズムにノれるようなカッティングにしたんですけど、曲を乗せたオープニング映像を観たら、まさにそういうシーンがあって。思い描いていたものが伝わった感じがしてすごくうれしかったです。それに、私はそもそもアニメがきっかけでギターを始めたので、感動的な夢の瞬間だなと思いました。

──るみなすさんはアニメ「けいおん!」の影響でギターを始めたんですよね。

るみなす はい。だからアニメのタイアップはすごくうれしかったですし、早くテレビで流れているところを観たいです。

ごうけ ドラムでも、るみちゃんが言っていたように、歩いているようなリズムや、猫を感じられる曲にできたんじゃないかなと思います。

──最初はタイアップ曲の書き下ろしに不安を感じていたとおっしゃっていましたが、また挑戦してみたいですか?

なち はい。自分の曲じゃないものになっちゃうんじゃないかという不安な気持ちが最初はありました。でも今回やってみて、タイアップ曲の書き下ろしでも自分たちらしい曲が作れるんだとわかって自信になったし、自分だけでは思いつかないような場面や言葉を引き出してもらえたので、できる限り挑戦していきたいです。

──「宇宙人ムームー」のタイアップだからこそ出てきたフレーズなどはありますか?

なち 私は猫を飼ったことがないので、猫目線の歌詞を書くことってなかったと思う。そのあたりは自分の人生だけでは生まれなかった視点だと思います。

サバシスター

サバシスター

お正月に全国のお茶の間で流れたあの曲も収録

──4曲目の「ハッピーなんて」はau「みんなでハピろー!」編のCMソングです。毎年1月1日からオンエアされるauのこのCMシリーズは、注目の若手バンドの新曲が採用されることから、サバシスターにとっても大きなトピックになったのではないかと思います。

なち はい。責任重大だなと思いつつ、音楽を始める前からずっと好きなCMだったのですごくうれしかったです。

ごうけ 私は基本ぼーっとしているんですけど、そんな私でも知っているCMだったから、「わっ、すごい」と思いました(笑)。

なち 制作では、CMならではの「速さをもう少し上げてください」とか「この秒数までにこの言葉が入るようにしてください」とかのやりとりがあったんですけど、そういう制約の中で曲を作っていくのが面白かったです。この間ライブでやったんですが、お客さんにこの曲が浸透しているのを感じましたし、ちゃんと自分たちらしい曲になっているんだなと思いました。

なち(Vo)

なち(Vo)

るみなす 私は年越しした12時過ぎくらいに家族みんなでCMを観ました。家族が喜んでくれてすごくうれしかったです。

ごうけ 私は家族で温泉旅行に行っていて。旅行先でテレビをつけたらCMが流れていて、みんなで観ました。

──ご家族はなんと言っていましたか?

ごうけ うちの家族、クールなので特になんとも言われなかったんですけど(笑)、きっと喜んでくれているはずです。