ReoNa「Naked」インタビュー|今だからこそさらけ出せる、剥き出しの自分 (3/3)

ReoNaといろんな方との出会いを作ってくれた楽曲を愛してもらいたい

──最後に収録されているのが「ANIMA -Naked Style.-」ですね。「ANIMA」はReoNaさんの代表曲の1つと言って差し支えないと思いますが、なぜこの曲を再録しようと思ったんですか?

まず、今までもReoNaはアコースティックと関係が深くて、例えば2019年に浜離宮朝日ホールでアコースティックワンマンライブを、2021年にはファンクラブ限定でアコースティックツアーを開催していて。そこでは、私が「神崎エルザ starring ReoNa」として歌った「Disorder」(2018年7月発売の神崎エルザ starring ReoNaのミニアルバム「ELZA」収録曲)のようなロックな楽曲もジャジーなアレンジで披露して、それを音源としてもリリースしたり(2019年6月発売の神崎エルザ starring ReoNaのシングル「Prologue」初回限定盤ボーナストラックCDに収録)。

ReoNa

──あるいはYouTubeチャンネルに洋楽のアコースティックカバーをアップしたり。

そうなんです。他方で、いろんなアーティストさんのアコースティックライブも「MTVアンプラグド」などで拝見して、原曲とは異なるアレンジでも、原曲と同様に愛されている楽曲が世の中にいくつも存在しているのを感じて。その中の1つとして「ANIMA」という、ReoNaといろんな方との出会いを作ってくれた楽曲も愛してもらいたい。「ANIMA」はアニメ「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld」という作品に寄り添ったものすごく激しい楽曲ですが、今回“Naked”を冠したツアーを回るにあたってまったく違う表情のものにしようと。別の言い方をすればそれしか決めずに、バンドの皆さんと丸2日間スタジオにこもって手探りで……。

──ジャムセッション的な?

まさに。私の中では、文化祭前の軽音部みたいなイメージで。みんなでわちゃわちゃと「BPMを落としてみようか?」「今度はキーを下げてみる?」といったやりとりをしながら音を楽しんだその果てに、この「ANIMA -Naked Style.-」ができあがりました。

──かなり様変わりしましたね。まず「Naked Style.」は頭サビで始まっていないですし。

そうなんです。「ANIMA」は「魂の色は 何色ですか」という言葉から始まるというのが1つキーになっている楽曲でもあって。いわば強い問いかけをしているわけですが、それに対して「Naked Style.」は、どちらかというと語りかけているというか。自分の中で言葉を噛み砕いていくようなイメージで歌いました。

剥き出しの「ANIMA」になりました

──「ANIMA」のオリジナルバージョンはサウンドも分厚くリズムもジャストで、ボーカルも前のめり気味だったと思いますが、「Naked Style.」はやや後ノリで、ギターのカッティングもファンキーだったりして。

歌い回しもアクセントの位置もガラッと変わりましたし、原曲の作詞作曲をしてくださった毛蟹(LIVE LAB.)さんともご相談して、毛蟹さんのご提案でメロディが変化していったところもあって。楽器にしても皆さん「せーの」で演奏してくださっていますし、途中でアコースティックギターのボディを叩く音が入っていたり、いろんなアイデアが盛り込まれているので、本当にみんなで作った「ANIMA」だなあという感じがすごくしています。

──「ANIMA」は「THE FIRST TAKE」でも歌っていましたが、そのときとも違う感覚でした?

違いました。その「THE FIRST TAKE」バージョンとも違ったものにしたかったですし、それ以外にも「With ensemble」ではストリングスアレンジで歌っていて。そうやって今までいろんな形でお届けしてきたその先で、「『ANIMA』はまだこんな変身を残していたのか?」と思っていただきたい。そんな気持ちが強くありました。

──変身というか、脱がした格好でもありますね。

確かに。剥き出しな「ANIMA」になりましたし、楽曲が始まる前のカウントをとる声まで収録できていたりするので、その場で奏でられているという空気を感じていただけるのではないかと。

──そんな“Naked”な楽曲群を携えて、リリースの翌日からアコースティックツアーが始まります。

これまでのアコースティックライブはピアノとギターとReoNaという編成が多かったんですけど、今回のツアーでは剥き出しの楽器が増えまして、最初のほうでお話ししたように初めてアコースティックバンドで回ることになるんです。もちろん私の声も剥き出しになりますし、お互いの呼吸や音に耳を澄ませながら、ステージの上に立っている人たちが生み出す音色だけで構成されるライブになるので、7都市9公演、まったく同じものにはきっとならないし、したくないです。私はステージに立つときはお客さんと“一対一”になるような気持ちで、1人ひとりの目を見ながら、気持ちを想像しながらお歌をお届けしているんですけど、皆さんの目線や会場の空気によってその日、その瞬間だけのうねりが生まれるんだろうなと、すごく楽しみにしています。

ReoNa

ライブ情報

ReoNa Acoustic Concert Tour 2022 "Naked"

  • 2022年5月12日(木)神奈川県 KT Zepp Yokohama
  • 2022年5月13日(金)神奈川県 KT Zepp Yokohama
  • 2022年5月19日(木)大阪府 Zepp Namba(OSAKA)
  • 2022年5月21日(土)福岡県 Zepp Fukuoka
  • 2022年5月27日(金)北海道 Zepp Sapporo
  • 2022年6月1日(水)宮城県 SENDAI GIGS
  • 2022年6月3日(金)愛知県 Zepp Nagoya
  • 2022年6月9日(木)東京都 Zepp Haneda(TOKYO)
  • 2022年6月10日(金)東京都 Zepp Haneda(TOKYO)

プロフィール

ReoNa(レオナ)

10月20日生まれ、“絶望系アニソンシンガー”を掲げる女性アーティスト。テレビアニメ「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン」にて劇中歌アーティスト・神崎エルザの歌唱を担当し、“神崎エルザ starring ReoNa”として2018年7月にミニアルバム「ELZA」をリリース。2018年8月にReoNa名義でテレビアニメ「ハッピーシュガーライフ」のエンディングテーマを表題曲とした1stシングル「SWEET HURT」をリリースしてソロデビューした。2019年2月にテレビアニメ「ソードアート・オンライン アリシゼーション」のエンディングテーマ「forget-me-not」を2ndシングルとしてリリース。2020年7月にテレビアニメ「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld」のオープニングテーマ「ANIMA」と家庭用ゲーム「ソードアート・オンライン アリシゼーション リコリス」のオープニングテーマ「Scar/let」を収録した4thシングルをリリースし、10月に1stフルアルバム「unknown」を発表した。2021年9月には4曲入りの「月姫 -A piece of blue glass moon- THEME SONG E.P.」をリリース。2022年5月に新作「Naked」を発表し、アコースティックツアー「ReoNa Acoustic Concert Tour 2022 "Naked"」を開催する。