ЯeaL|むき出しの感情で戦い続ける理由

ようやく少し大人になれた

──アルバムの最後を飾る「スタートライン」は、1stシングル「秒速エモーション」にカップリング曲として収録されていたナンバーです。この曲をアルバムのラストに持ってきたのはどうしてですか?

1stシングルを出したときは、私たちがこの曲に追いついていなかったんですよね。「君を隣でずっと守るから」と歌っていながら、そこまで至っていなかったというか。でも、「カゲロウ」というシングルを出せたことで気持ちにも余裕が出てきたし、周りの人たちに感謝できるようになって。ようやく少し大人になれた気がするので、この曲で締めたいなと。

──気持ちに変化が生まれたんですね。

デビューしたばかりの頃は「認めてほしい」という願望を持ちながら、ファンの人たちに対して「いつか離れていくんだろうな」とひねくれていた部分もあったんです。今はそういう感情を差し置いて、ファンの人や周囲の人たちのことを考えられるようになったと思いますね。

見えない境界線が壊れる瞬間

──ライブに対する意識にも変化はありますか?

ライブは……変わらず戦いですね! 3月にGacharic Spinさんとツーマンライブをやったときも「戦いだ」という意識が強すぎて、終わったときには脳の酸素が足りない状態でした(笑)。ライブは自分との戦いでもあるし、お客さんとの戦い、バンドが直面している壁との戦いでもありますからね。

──めちゃくちゃストイックですよね。戦いを抜きに楽しめる瞬間はあまりないんですか?

ЯeaL

もちろんありますよ。バンドとお客さんの見えない境界線みたいなものがあって、それが壊れる瞬間は本当に楽しくて。それも「勝負!」っていう感じですけどね。お客さんに負けないように気を張ってやらないと……最近、メンバーともライブでの見せ方について話をするようになって。私もメンバーの考えていることが知りたかったから、いい感じですね。お互いに成長できてるなって。

──本当にシビアな関係ですよね。もともと、友達から始まってるバンドではないわけだし。

そうですね。友達同士の慣れ合いを超えたところで「最高の作品を生み出そう」と一緒になってがんばっているので。でも、どこに向かっていけばいいかわからなくなったら一瞬でバラバラになりそうな気もしていて。今は「ここに行きたい」という目標もちゃんと共有できているから大丈夫なんですけどね。

──でも、メンバーといるときのRyokoさんは単純にとても楽しそうで。

4人でいるのはめちゃくちゃ楽しいですよ。私、楽しいと感じるのはバンドのことだけなんです。オフのときに遊んでいてもどこかで「曲を書かなくちゃ」って思っているし、24時間365日バンドのことを考えているので。だからメンバーといるときは本当に楽しくて。もっと楽しいのは、そうやって命を懸けて作ったものがしっかりリスナーに伝わったときですけどね。

もっと制服着てキュンキュンしたかったですね

──こうして作品についてお話を聞くと、本当にバンドに捧げた10代だったことがよくわかりますね。

そうですね。バンドで成功することしか考えてなかったから、高校生のときから1人で東京に来て、レコード会社や事務所のスタッフの方と今後のことについて話をしてました。もっと制服で遊んだり、席替えとかでキュンキュンしたりしたかったですねえ(笑)。あ、でも「それを恋と呼ぶのなら」は青春時代の恋愛をテーマにした曲なんですよ。「キミのことが好き」って歌ったあとにブレイクするんですけど、好きな人に書いたラブレターを他人に読まれているような恥ずかしさがあって(笑)。電話中に寝落ちしちゃうとか、クラスではギクシャクしてるけど2人になるとお互いの好きなとこを話すとか……いいですよねそういうの。何かドキドキするじゃないですか。

──一気に10代の女の子らしい発言が(笑)。「19.」リリース後には全国ワンマンツアーも始まりますが、今後のビジョンも明確なんですか?

もちろん! 私、ここから30歳くらいまでの将来の予定表を作ってあるんですよ。ここまではほぼ予定通りなので、このままさらに進んでいこうかなって。「やれるのか?」ではなくて、「やる」って決めてるので。

──メンバーに「意味わからん」と言われながらも。

そうですね(笑)。

ЯeaL
ЯeaL「19.」
2017年5月10日発売 / SME Records
ЯeaL「19.」初回限定盤

初回限定盤 [CD+DVD]
3500円 / SECL-2155~6

Amazon.co.jp

ЯeaL「19.」通常盤

通常盤 [CD]
3000円 / SECL-2157

Amazon.co.jp

CD収録曲
  1. カゲロウ
  2. ゆらりゆらりゆら
  3. ナンセンス
  4. 仮面ミーハー女子
  5. H.O.L
  6. カタリナ
  7. チョコレートコスモス
  8. エゴサーチ症候群
  9. 秒速エモーション
  10. それを恋と呼ぶのなら
  11. スタートライン
初回限定盤DVD収録内容
  • 秒速エモーション(Music Video)
  • 仮面ミーハー女子(Music Video)
  • 星が見えないこの街で(Music Video)
  • カゲロウ(Music Video)
  • 秒速エモーション(Live / ЯeaL Яock Яevolution vol.5)
  • カゲロウ(Live / ЯeaL Яock Яevolution vol.5)
  • エゴサーチ症候群(Live / ЯeaL Яock Яevolution vol.5)
ワンマンツアー2017“1st Album「19.」Release Tour”
  • 2017年5月27日(土)大阪府 BIGCAT
  • 2017年6月11日(日)愛知県 池下CLUB UPSET
  • 2017年6月17日(土)福岡県 Queblick
  • 2017年6月25日(日)東京都 TSUTAYA O-WEST
1st Album「19.」リリースイベント

2017年5月13日(土)大阪府 ディスクピア日本橋店 テレビゲーム館2F イベントフロア
START 16:00
内容:ミニライブ&CDジャケットサイン会

2017年5月14日(日)大阪府 タワーレコード難波店 5Fイベントスペース
START 12:00
内容:ミニライブ&CDジャケットサイン会

ЯeaL(リアル)
Ryoko(Vo, G)、Yurika(G, Cho)、Fumiha(B, Cho)、Aika(Dr, Cho)からなるガールズバンド。ЯeaLの“Я”は「やー」「ろしあもじ」「ろしあ」で変換。2012年12月、当時中学3年生だった4人によって結成され、関西圏を中心にライブ活動を開始する。2013年には「eo Music Try」の決勝大会に進出し、2014年7月には大阪・阿倍野ROCKTOWNで行われた初のワンマンライブのチケットを完売させ、12月には初の全国流通盤「Change Your ЯeaL」を発表するなど注目の存在に。また2015年8月にはオーディション「出れんの!?サマソニ!?」を勝ち上がり「SUMMER SONIC 2015」に出演。4人の高校卒業月となる2016年3月、シングル「秒速エモーション」でメジャーデビューを果たす。8月に2ndシングル「仮面ミーハー女子」、2017年3月に3rdシングル「カゲロウ」をリリース。精力的にライブ活動をこなし、5月10日に1stアルバム「19.」を発表する。