──続いては児玉裕一さん。最後のコメントが映像ディレクターらしいです。
フミ 「ポリしくて、ポリしくて、もう……」。いいねえ! なんかすごく伝わる。
ハヤシ これ、新譜の帯に使いたい(笑)。いや、もう……ホントにうれしい。Vocodersが「夜のしっとりドライブにももってこい」とか、超うれしくない? 今までそんなの言われたことない。ポリにはまず向かないじゃん。
フミ 初めて来た単語だね、“アーバン”!
ハヤシ 今まで無縁だと思ってたけど。
ヤノ “アーバン”いただきましたねえ。
──児玉さんが手がけた「I My Me Mine」(2005年発売のアルバム「Now is the time!」収録曲)のビデオは強烈なインパクトでした。
ハヤシ 当時はアメリカツアーをやっていたから俺らは全然撮影する時間がなくて、それでストロングマシン2号ちゃんに出てもらうことになって。アメリカで移動中に映像データを確認したけど、「もうバッチリじゃないですか!」みたいな。そこからも児玉さんには何本か作ってもらった。「Rocket」とか「Pretty Good」とか。
ヤノ 「Electric Surfin' Go Go」も。
ハヤシ そうだ、あと「Catch On Everywhere」。あのビデオの話は長くなるけど。
フミ 15時から撮影が始まるはずだったんだけど、なんかカメラの設定にすごく時間がかかっちゃって、夜中の2時からスタートみたいな。
ハヤシ そう。当時のディレクターがWiiを買ってきたばかりで、楽屋でずっとやってた。ゲームもダウンロードもできるから、ひさびさに「スーパーマリオブラザーズ」をやろうってことになって、1-1からワープを1回も使わずに全面クリアした!
フミ ホント暇か、っていう(笑)。それすごい覚えてる。
ハヤシ でもビデオを作るときってだいたい先に打ち合わせするじゃん。そのとき児玉さんはホントに楽しそうなんだよね。まず曲を楽しんでるし、そのテンションで作ってくれてる感じがする。もちろん撮影は大変でも、終わったら楽しい。いいビデオが多いですよ。
──児玉さんは最近CHAIのビデオを作ってますよね。つながるなあと思って。
フミ ああ、そっかそっか。
ハヤシ ここぞ、というときにまたビデオお願いしたいね。
ナカムラ 僕はまだ面識ないんですけど、児玉さんの作品はすごく好きで。あと「POLYSICSを聴かないときはThe Vocodersを聴けばいいんじゃね?」とか、本当にうれしいひと言ですね。
──続いてはBUCK-TICK今井さんです。
今井寿(BUCK-TICK)
- POLYSICS「In The Sync」キャッチコピー
-
テクノポップちゃん♡
(I ♡ TECHNO POP)ゴメン!! 作曲中でバタバタしていてコレしか出てこなかった。大好きです。
- The Vocoders「1st V」キャッチコピー
-
テクノポップさん♧
(I ♡ TECHNO POP 2)ゴメン!! 作曲中で~~~~~。感動しました。
ハヤシ うれしい!
フミ 「テクノポップちゃん」。ははは(笑)。
──一応「ちゃん」と「さん」に分かれていたり、ハートとクローバーのマークに分かれていたりします。
ハヤシ うお、今井さんらしいな、こういうところ。
──ハヤシくんは今や、BUCK-TICK作品にマニピュレーターとして関わるようになっています。
ハヤシ そう。「No.0」と「或いはアナーキー」の収録曲(「薔薇色十字団 - Rosen Kreuzer -」と「DADA DISCO - G J T H B K H T D –」)。まさかこういうことってあんだね、と自分でも思う。最初は雑誌「音楽と人」の200号記念イベントがきっかけなの。初めて対バンして。でも最初は全然挨拶もできなくて。そこからこんな付き合いが生まれるとは。
──BUCK-TICKは近寄りがたいイメージがありますよね。
フミ 「あっ、どうもー!」とか言っちゃいけない感じ(笑)。
ハヤシ ホントはうちらから楽屋に挨拶行かなきゃいけないのにね。
ヤノ でも、そこで櫻井(敦司)さんが挨拶に来てくださって。
ハヤシ 「すいません、わざわざ……」みたいな感じで恐縮しちゃって。ライブ後の打ち上げでも全然声はかけられなかったんだけど、ライターさんが「ハヤシくん、こっちこっち」って呼んでくれて、今井さんを紹介してくれて。そこからヒカシューの話で盛り上がって。どんどん2人の話がマニアックになるから、そのうち周りから人がどんどんいなくなるという。
一同 ははは(笑)。
──聴いてきたものは意外と似ているんですよね。
ハヤシ そう、昔、ソニー・マガジンズから出てた「ピコエンタテインメント」っていう雑誌があって。2号で廃刊になるくらいマニアックなテクノ雑誌。それを俺、けっこうバイブルとして読んでたの。その中に今井さんのインタビューが載ってて、「一番好きなニューウェイブ作品は一風堂の3rdアルバム『RADIO FANTASY』だ」って。「ああ、BUCK-TICKのギターの人ってそうなんだ」と思ったのは覚えてる。その話をしたら今井さんはあんまり覚えてなかったけど(笑)。でも「テクノポップに歪んだギターが入ってるのが好きなんですよ」「僕もそう」みたいな話で盛り上がって、そのあと「また飲もうね」って。で、次はもうマニピュレーターの方も交えて、ずーっとYMOの話縛りで飲んでた。
──ああ、それが“テクノポップ飲み”なんですね(笑)。
フミ しかしBUCK-TICKは皆さんよくお酒飲みますね。
ヤノ 飲みますねえ。朝までずっと。ドラムのヤガミ(・トール)さん、よく飲みに誘ってくださるんですけど、ホントに強い。皆さん素敵な大人で。
──彼らは同郷の同級生や兄弟だったりして、一度のメンバーチェンジもないまま30年以上やっている。これはバンドとして1つの理想ですよね。
フミ ホントにそう! 家族みたいな濃密さで、メンバーチェンジもせず。
ハヤシ で、常に新しいことに挑戦しつつ、コンスタントに作品を作り続けてる。わりと音楽的にはマニアックだと思うけど、ただマニアックに終わらせないユーモアやエンタテインメント性もあってね。世界にも例のないバンドだと思う。オルタナティブの先輩。尊敬してるなあ。
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和田ラヂヲ、上田剛士(AA=)
児玉裕一(映像ディレクター)
ポリしくて、ポリしくて、もう……
冒頭の「Broken Mac」と「Piko」の2曲がいきなりかっこよすぎる! コンセプトは変わらず、さらにぶっとく、鋭く、音が濃縮された感じ! 油断してると「ん、いま何て言った?」という瞬間の連続です、面白すぎて。ワクワクとウズウズが止まらない! うー、言葉にできない! あー! ライブいきてー! 完全無欠の「これぞPOLYSICS」っていう感じ!
POLYSICS OR The Vocoders !!!
POLYSICSを聴かないときはThe Vocodersを聴けばいいんじゃね? というくらい、別のお楽しみが詰まっていました。メロディアスでキュンとしてアーバン。夜のしっとりドライブにも、もってこいです。で、The Vocodersを聴かないときはPOLYSICSを聴けばいいんじゃね?