POLYSICSのニューアルバム「In The Sync」と、同メンバーによる別名義バンド・The Vocodersのデビューアルバム「1st V」が10月9日に同時リリースされた。
今年の2月に本格始動した“カフェテクノグループ”The Vocodersは、メンバー全員がボコーダーで歌うというスタイルのバンド。この半年間、2組は5作の配信シングルをすべて同日リリースという形で発表し、リスナーを驚かせてきた。
今回、このアルバムの発売を記念して、POLYSICSと交流のあるマナ&カナ(CHAI)、火寺バジル(魔法少女になり隊)、映像ディレクターの児玉裕一、今井寿(BUCK-TICK)、マンガ家の和田ラヂヲ、上田剛士(AA=)の6組に、POLYSICSとThe Vocodersのアルバムそれぞれにキャッチコピーを付けてもらった。音楽ナタリーではその回答を受けて、POLYSICSの4人が感想や各人との関係性について語っているほか、アルバムの制作過程についても明かしている。
取材・文 / 石井恵梨子
──今回は、POLYSICSを愛する6名の方からコメントをいただきました。まずはこちらです。
フミ(B, Syn, Vo) ふふっ……文字だけでもうCHAIだよね(笑)。2人の声が脳内でサラウンド再生される感じ。
ハヤシヒロユキ(Vo, G, Programming) 文章で書いてるのか、普通にしゃべってるのを文字起こししてるのか、みたいな。
──CHAIとはナカムラくん加入後初ライブで対バンしていましたね。
ハヤシ そうだね、あれが2年前か。CHAIがデビューしてすぐの頃。
ナカムラリョウ(G, Syn) うん、でも僕もポリに入る前から自分のバンドで実は対バンしたことがあったり、わりと前からCHAIの存在は知ってて。
フミ 付き合いは長いよね。もともとCHAIのマネージャーが下北沢CLUB Queの店員だったの。早いうちから音源くれたり、ライブに誘ってくれたりしてね。
ハヤシ そう。CDを聴いたらめちゃくちゃカッコよくて。これは早いうちに観ておきたいと思って行ったよね。
──彼女たちはライブがちゃんといい。もっと遊びっぽいのかと思いきや。
フミ そう、いわゆるヘタウマじゃないし、かわいさ勝負でもなくて。あと手数勝負でもないし、とにかくセンスがいい。
ヤノマサシ(Dr) むっちゃカッコいいっすよね。ドラムの音、ああいう低いスネアって意外と鳴らすのにコツがいるんですよ。すごくきれいに鳴らせてる。
ナカムラ 音もそうだけど、ミュージックビデオとかライブの演出も凝ってますよね。天然のようでいて、本人たちなりにエンタテインメントを考えてる人たち。そこはポリとも通じるものがあるなって思いますね。
ヤノ うん、エンタテインメントと自分たちだけの世界観。そのバランスはポリと近いものがあるなあって見てて思いますね。
ハヤシ ね。早いうちにコラボしたいなあ。
──それはぜひ聴いてみたい。ちなみに「ロボット」に「チビロボ」という評価はいかがですか。
フミ かわいい。CHAIっぽい。「なんかね、すごいロボットって感じだったから」って書いてあるけど……全然意味わかんない(笑)。
ナカムラ でも、ロボットって少し意外っすよね。わりと今回フィジカルな感じのアルバムだと思ってたけど。
フミ まず、彼女たちの思うロボットがどんな感じなのかっていう話だよね。
──たぶんおもちゃ屋さんにあるやつ。ホントのメカじゃない。
ハヤシ アンドロイドでもないやつ。
ナカムラ ネジで留まってるやつだね(笑)。
フミ 叩くと中からバネが出てくるやつだ(笑)。
──次は火寺バジルちゃん。POLYSICSの大ファンだそうです。
火寺バジル(魔法少女になり隊)
- POLYSICS「In The Sync」キャッチコピー
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過去から、未来へとタイムマシンに乗ってPOLYSICSがやってきた!?
私はいつもPOLYSICSの、全く展開が予想できないけれど体が勝手に動いてしまうメロディ、思わず口ずさみたくなるような独特の呪文みたいな歌詞が大好きで、POLYSICS独自のサウンドと世界観に近未来感を感じることがあって、実は少し先の未来から来てる人達なんじゃないかなって思う瞬間があります(笑)。今回のアルバム「In The Sync」ではそれに加えてどこかレトロさ、懐かしさが含まれていて、こうきたか!!!と度肝を抜かれてしまった一枚であり、やっぱり未来から来ていてタイムマシンで時間旅行している人達なのでは…とより強く思ってしまいました(笑)。
- The Vocoders「1st V」キャッチコピー
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我々、宇宙からやってきました!The Vocodersです!
The Vocodersってちょっと宇宙人が話してるみたいだなって個人的に思ってるのもあるのですが、楽曲面でもPOLYSICSとは違う壮大感とスペーシーさを感じて、こんな一面もあったのか……!と、宇宙人にテレパシー送られてるみたいな、五感じゃ説明できない音楽が脳に直接刺さる感覚と衝撃を受けました。
宇宙人がもしバンドをやったらこんな感じになるのかななんて考えてしまって、ワクワクしながら聴いてしまいました!
M2「Play」、M5「New Melody」とか特に強くスペーシーさを感じて好きです!
フミ うれしいねえ。何年か前に「COUNTDOWN JAPAN」で出会ったんだよね。向こうから声をかけてくれて。あ、声出してないか(笑)。バッテンのマスクして、スケッチブック持って筆談で。楽屋裏でも全部筆談。
ハヤシ そこも話していくと、マネージャーさんが知り合いだったりしてね。で、映像観たら、ありそうでなかったバンドだなあと思って。オリジナリティが強烈だし、ほかとは違うことがやりたいっていう感覚が詰まってる。
フミ しかしかわいいよね。女性2人がすっごい美人。男子のほうはまあ……それぞれ濃いんだけど(笑)。
ハヤシ gariくんなんて引きこもりラモーンみたい(笑)。でも、「なんで打ち込みにしてるの?」って聞いたの。「こういうの叩けるドラマーがいないんですよね」みたいな理由なのかと思ったら、真顔で「え、打ち込みのほうがよくないっすか?」って。さらっとそう言えるのカッコいいなと思って。打ち込みのマシンビートでああいうことやるの、Ministryみたい。俺いつもね、ましょ隊のライブ観たあとってMinistryを聴きたくなる。俺だけかなあ?
ヤノ いや、なんかわかりますよ(笑)。
ナカムラ バジルちゃん、学生の頃からホントにポリファンだったらしくて。なんだっけ? 音楽サークルでのあだ名が“ポリ子”だったらしい。
ハヤシ しかもコピーバンドやってたって。「ワトソン」のコピー。
ヤノ その曲のチョイスがすごい(笑)。
ハヤシ もっとほかにあるんじゃないかなと(笑)。
──でも“ポリ子”と言われてた子がいたなんて、バンド冥利に尽きますね。
フミ ホントだね。それでこうやって今活躍してるから。うれしいね。
──彼女はポリに、近未来を感じているみたいですね。
フミ でも私、どっちかと言うと、ましょ隊のほうに近未来を感じるけどね。
ハヤシ ああ、AIが歌う、みたいな感覚。
ヤノ こっちにはAIいないですからね(笑)。
ハヤシ ポリは……さっきのロボットでしょう。
ナカムラ・フミ ネジ留め!
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児玉裕一、今井寿(BUCK-TICK)
マナ&カナ(CHAI)
ロボットは動き出す!!
なんかね、すごいロボットって感じだったからロボットが色んな機能をもってて色んなところで大活躍って感じだったよ~! すごいライブが見えた! 宇宙が見えた! ロボットの体の中が見えた! 色んなものを兼ね備えて、動き出せ!って感じ! すてき❤! かっちょい~!!!!
つよくなりたいチビロボ
すごくすごく小さいところで音がなってて、でもほんとはすごく大きいところで音がなってるかんじの小さいロボットがみえたよ! なんか懐かしい感じもして、パパがお家でファミコンとかを使っとったこととか思い出して、なんか最後の曲でなけちゃうかんじがあるの! 最後まできいてみてほしい~かっけえ~よ~!